スケルトンのシマさん、貴方は、産業の空洞化が景気を悪くしている。労働市場を減少させている。その結果として国内の可処分所得を減少させ、ひいては、税収が減少し、社会保障を衰退させているとよく言っているが、それはどういうことなのかとの問いかけをされます。
「産業の空洞化」とは、生産拠点の海外移転の進展や、製品の国内供給が輸入依存型になり、国内の製造業が衰弱化する現象をいいます。
1985年9月22日、G5(先進5ヶ国蔵相・中央銀行総裁会議。)により発表された、為替レート安定化に関する合意、所謂「プラザ合意」により急速な円高が齎されました。
プラザ合意は、米国の深刻な経済危機に対して、1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進5ヶ国(日本・アメリカ・ドイツ・イギリス・フランス)が、協調的なドル安を図ることとした合意でしたが、とりわけ、米国の対日貿易赤字が顕著であったため、実質的には円高ドル安に誘導する内容だったと言えます。
この急激な円高に直面したわが国の国内企業は、安い労働力や土地を求めてアジア各地に生産拠点を移していきました。
そのため、国内の生産は縮小、雇用も減少していきました。これを産業の空洞化といいます。
更に、「失われた10年」の真只中の2000年代、コスト削減のために、WTO加盟を契機に「世界の工場」として急速に台頭する中国など、グローバル化による新興国への国内工場移転が加速しました。
そのため輪をかけて、国内の生産は縮小、雇用も減少してきています。
一方、日本や欧米の投資を受け入れたアジア各国の産業は大きく成長し、その存在は、今やわが国の国内メーカーを脅かすまでになっています。
私たちの周りを見渡してみても、廉価な家電製品やデジタル製品、AV製品、衣料品、加工食品の多くが「MADE IN CHINA」であることに気が付くでしょう。
ここまでは、第二次産業について言及していますが、同じことが私たちの生存基盤である“衣食住”の分野を担う第一次産業(農業、漁業、林業)でも起きています。
町のスーパーマーケットなどの大型店舗やコンビニで販売されている、お手頃価格の食材の多くが韓国産、中国産であり、木材の多くが南米産。反面、日本国内産の値段が異常に高価であることに、既に気づかれているでしょう。
わが国の労働者世帯では、この20年、可処分所得の大幅な減少に耐えてきています。それを支えているのが、産業の空洞化先であるアジア諸国の低賃金を基に生産された製品であることは疑う余地もないことです。
わが国政府は、国民が生活できるための代替策としてこの現象を容認し、今や、そうあることを前提に、経済政策、金融政策、社会保障制度などを考えるようになっています。国を預かることを職業としている人として、大きな過ちを犯しているのではないでしょうか。
自国の産業崩壊を“良し”とする考え方は“変”ではないでしょうか。
いまの政権を非難しているのではありません。
自分たちの保身と高収入確保を最優先課題とし、そのために過去の政権を傀儡化してきた行政機関に反省を求めているのです。
今の状態を継続すれば、早晩、わが国経済は立ち直り不可能な程に崩壊してしまいかねません。
グローバル規模での地産地消が重要なのです。
その前に、海外に移転した生産拠点の国内回帰を急がなければなりません。
また、第一次産業にあっては、生産者から最終販売者に至る過程に存在する、マージンのみを目的とした流通業者による複雑な流通構造の撤去も行わなければなりません。
そして、消費者にあっては、国内製品を購入することが、自国の存亡に如何に重要なことなのかを認識する必要があります。
そのため、国民が自国で生産された製品の購入をし易くするための、国による仕組み作りも必要です。
纏め的に表現すれば、大きくは次のようになるでしょう。
○ものを買えば、雇用が増えます。
ただし、日本製の商品でなければなりません。
○国内の雇用を増やすには、国内で生産された商品を買わなければなりません。
買い易い価格にするには、無闇な中抜き業者を排除しなければなりません。
○販売店では、国産品のバーゲンをするようにしましょう。
それが本当のメセナ、企業による社会貢献だから。
○国は、国産品を売り買いする消費者と販売者を支援しましょう。
エコポイントのような仕組が必要です。国家崩壊の危機を回避するために。
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