一昨年11月以降流行っている新形コロナウイルス名(COVID-19,Sars-COV-2)には、その名前から具体的な地域が特定されないようにするとのことだったが、どうやら一般人にとっては地域を特定した方が便利なようです。
汚名を着せることや差別につながることを避け、コミュニケーションしやすくするため、当局やメディアが新しいラベルを使うことを推奨する」。WHOは5月31日付で、4種ある新型コロナウイルスの「懸念される変異株(VOC)」について、新たにギリシャ文字を使った呼び名をつけました。
英国の変異株は「アルファ」、インドの変異株は「デルタ」……。世界的に懸念される新型コロナウイルスの変異ウイルス(変異株)について、世界保健機関(WHO)が5月末、ギリシャ語のアルファベットで呼ぶようにすると発表しました。なぜこんな呼び方になったのでしょうか。この呼び方は定着するのでしょうか。
英国、南アフリカ、ブラジル、インドの各地で見つかった変異株が、それぞれ「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」となりました。
1月に初めてブラジルで見つかった変異株は「ガンマ」、インドで最初に見つかった変異株は「デルタ」となる。そのほかの「注目すべき変異株」にも「イプシロン」から「カッパ」のアルファベットが割り振られました。
しかしインドの「デルタ」は良くないと思います。古くからインド地方は“デルタ地方” と呼ばれていましたし、日本でも「三角地帯」と呼んでいました。
WHOはギリシャ語のアルファベットは既存の学名に置き換わるものでないと説明。学名は研究で今後も使用されるとしました。
WHOなどの公的な文書では、変異株を名指しする際に、科学者の間で使われる「B.1.1.7」などの呼称が使われているそうです。「B.1.1.7」は、英国の変異株です。
ただ、一般の人にとって、こういった呼称は難解で言いづらく、覚えにくいものです。
報道などでは分かり易さのため、最初に変異株が見つかった国や地域を冠した呼び方がされていました。
しかし、これは別の問題を生みます。誤解や偏見です。
最初に見つかったからといって、その国で変異株が生まれたとは限りません。あたかもその国が発祥地のように捉えられ、その国にルーツのある人が差別される懸念もあります。
「汚名」を着せられることを嫌がって、変異株を見つけた国などが発表を控えれば、世界的な対応の遅れにつながる恐れもあります。
WHOが変異株に呼び名をつけたのは、そういった悪影響をなくすためです。
WHOによるギリシャ語のアルファベットを使った名称付けはやや遅きに失したとの懸念もあるほか、学名と、最初に検知された場所に基づく呼び方、ギリシャ語のアルファベットと3つの潜在的な名前があることで変異株への言及がより複雑になるかもしれません。
WHOの感染症専門家マリア・ファンケルクホーフェ氏はツイッターへの投稿で、「変異株を見つけ、報告することで、どの国も汚名を着せられるべきではありません」としています。
日本も採用しましたが、名前のつかない変異株もあります。日本では9月1日付け(9月2日WHOによる記者会見)で「μ ミュー」株が発見されました。
【関係先】
〇 厚生労働省ホームページ
● 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応
〇 NIID 国立感染症研究所ホームページ
● 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報について
〇 WHOホームページ
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