ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

嘘の海底

2024-09-27 11:10:34 | 
嘘をつかずに生きられる人間と
嘘をつかずには生きられない人間がいるならば
僕は後者だ

全く予期していなかった
人生そのものがブラックに塗り潰されたあの日から
パニック障害という秘密を抱えてからずっと
この病を隠し通すから
すべて辻褄が合わなくなるのだ
話して理解されるものなら
それがいちばん楽だけれど
世の中はそこまで甘くない

自らの半生を正直に話せる人はたいがい恵まれている
もし僕が秘密を打ち明けるならば
胸を張って生きられなかった人になるだろう
「すっかり秋めいたね」
何気ない言葉を交わしたそのあとに
躊躇いがちに話すのではなかろうか
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大谷、価千金の53号 ダルビッシュ通算2000奪三振

2024-09-23 12:09:23 | スポーツ
先日、50本塁打、50盗塁という前人未到の記録を打ち立てた大谷翔平選手ですが、先ほど、ロッキーズ戦で9回裏に同点ホームランを打ちました。まさに価千金の価値ある一発。次打者のベッツ選手がサヨナラホームランを放ち、ドジャースが劇的な勝利で地区優勝へ一歩前進しました。

こないだの50本塁打・50盗塁を同時に達成した日に、大谷選手は3本塁打6安打10打点と大爆発してから、その流れが続いています。52号は高めのボール球をセンターへ放り込みました。センターから逆方向へのホームランと、高めのストレートをホームランできる時、大谷選手の打撃は最高の状態にあります。

それにしても50本塁打は途轍もない記録。打者に専念すれば、これくらい打てることは証明しました。50盗塁なら日本の現役選手でも何人かは可能性はあります。しかし50本塁打となると私が見た怪物打者は歴代でも3人しかいません。清原、松井、大谷です。松井選手は大リーグでプレーしましたが30本が限界でした。清原、大谷はローボールヒッターですが、松井選手はポイントが少し体に近いところにあります。その点では日本の野球に向いている選手だったかもしれません。
しかし、大谷選手が松井選手をまだ超えていない部分があります。それはポストシーズンでの活躍です。松井はワールドシリーズでMVPを獲得しています。大谷選手もミスターオクトーバーになれることを期待しています。

パドレスのダルビッシュ有投手が大リーグ通算2000奪三振を達成しました。日本人投手初の快挙です。江川卓投手以降で個人的にはダルビッシュ投手は3本の指に入ります。江川、ダルビッシュ、あと1人は難しいところです。
東北高校時代、甲子園でのダルビッシュ投手はまだ体が出来ておらず、7分の力でしか投げていませんでした。しかし、長身から投げ下ろすストレートは速く、天性の体のしなり、スケールの大きさに未完成の輝きを感じました。
あれから20年以上が経ったと思うと感慨深いものがあります。その後、野球のみならず人間性も磨き、今では人格者ですね。
ダルビッシュ投手、おめでとう。1年でも長く現役を続けてください。
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藤井が永瀬に連勝、王座防衛に王手

2024-09-19 12:55:59 | 将棋
昨日、王座戦五番勝負第2局が行われ、藤井聡太王座が永瀬拓矢九段に勝ち、2勝0敗としました。いよいよ藤井王座が防衛に王手をかけました。第1局、第2局とも危なげなく、八冠制覇のかかった昨年の同カードと比べて、藤井さんの将棋の内容が全く違います。

「才能の藤井、努力の永瀬」。やはり才能が全く違う。昨年の対決は3勝1敗で藤井さんが勝ったものの、内容は完全に永瀬さんに押されていました。彼の「藤井さんの背中がはっきり見えた」という言葉が自然に聞こえました。私は藤井さんの衰えすら疑いました。彼は人より10年進んでますから。
しかしこの2局、特に昨日の将棋は藤井さんが驚きの手を何手も指して永瀬さんを翻弄し、快勝と言っていい内容でした。第3局もまた同じような異次元の将棋が指せれば、藤井さんは復活したと見ていいかもしれません。

個人的には抜きん出た才能があり、その人が努力を積み重ねて、途轍もないことをやってのける瞬間に素晴らしさを感じます。それが球界では大谷翔平であり、将棋界では藤井聡太なのは疑う余地がありません。


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灯りの捜索

2024-09-17 15:11:07 | 
暑さは強く残っているというのに
随分と早く日が暮れるようになった
家路を急ぐ街模様

立ち止まって考えるために置かれた信号
前を見ればどす黒く不安になり
振り返ればぼやけた古い景色に虚しくなる

抜け出したい
逃げ出したい
楽になりたい
せめて心だけでも

妙案など浮かんだことはない
稀に解けたと思っても
それはすべて錯覚なのだ
どこかに落ちていないだろうか
さりげない灯りが

夜を歩けば生活の音
ふいにひんやりと秋風
まだ夏のままの心がざわめいた
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プロ編入試験第1局 西山、薄氷の勝利

2024-09-12 12:35:10 | 将棋
将棋の西山朋佳女流三冠が女性初のプロ棋士を目指して挑む「編入試験」五番勝負の第1局が行われ、西山女流三冠が高橋佑二郎四段に勝ち、白星スタートを切りました。

決して西山さん本来の調子ではなかったように思います。「剛腕」と呼ばれる豪快な将棋は影を潜め、サッカーに例えれば自陣に駒を多く配置したり、駒得の手を選んだり(駒をお金に例えれば貯金)、らしからぬ手もありました。絶対に負けられないという気持ちが強すぎて、手堅い将棋になったのだと思います。

そんな中でも終盤の9七角は善悪はともかく、西山さんらしい強い手でした。角のただ捨てで王手をかけたのです。高橋四段がこれを取れば、西山さんの勝ちだったでしょう。しかし、彼は盲点の場所に王を逃げ、強い重圧の中、時間にも迫られた西山さんは、ここでミスをしてしまいました。
これで西山勝勢から一気に互角へ。しかし、高橋四段も次の一手を正しく指せず、西山さんは再び優勢になりました。ここからは高橋四段の猛攻を見事にしのぎ、高橋四段がついに投了。西山さん薄氷の勝利でした。プレッシャーに勝てる人間はいないのかもしれません。しかし、彼女は完全には押し潰されず、激戦をものにしました。

第3局の相手の上野四段が強い事もあり、第2局が重要になります。中学生棋士は5人いますが、女性のプロ棋士は歴史上、1人もいません。プレッシャーは大きいですが、1局1局、白星を積み重ねてもらいたいです。
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素数の事件

2024-09-06 11:58:32 | 
カレンダーが8月から9月に捲られる頃
学生の自殺が多くなるという
 
夏の終わりの日、女子高生が商業施設の屋上から飛び降りた
しかし、この自殺にはさらなる悲劇が重なった
路上を歩いていた女性が凶器と化した女子高生と衝突したのだ
2人とも亡くなった
1人は加害者、もう1人は被害者という形で

台風10号、自民党総裁選、兵庫県知事
それらの合間にこの出来事が僅かな時間、テレビから流れた
世間はすぐに忘れてしまうのだろう
しかし、僕は2人の女性の運命の交差を上手く消化する自信がない
繁華街で起きた素数の事件を
コメント (2)
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小泉今日子の隠れた名曲「二人」

2024-09-03 12:03:48 | 音楽
冷たい雨に打たれ
愛しい人を待ってた
うつろう時の中で
砕けてゆく思い出たどりながら


「二人」 作詞・作曲 飯島真理。1985年7月発売。
私はバラードクラシックというアルバムでこの曲を知りました。実際にはその数年前のアルバムに収録されていたんですね。

松田聖子と中森明菜という二人の歌姫と同時代ながら、第3極の独自路線でスーパーアイドルに駆け上がった小泉今日子。40年以上の芸歴で、これほど浮き沈みなく現在に至った人も珍しい。アイドルからCMクィーン、そして本格的な女優に。読売新聞の書評欄を担当していた時期もありました。多才さを生かし、卓越した自己プロデュースで時代の変化に対応してきた稀有な存在です。

小泉さんとは対照的に「二人」は時の地層に埋もれてしまいそうです。憂いと眩しさが美しく混ざりあった名曲だと思いますが、シングル曲でもないですし、そもそもこの曲を知っている人が少ないですから。

曲にも寿命があり、クラシックのようにとてつもなく長寿なものもあれば、1年、2年で忘れ去られるものも多くあります。
「二人」は小泉さんの代表的なバラードの「木枯らしに抱かれて」「優しい雨」などと比較しても劣ってはいません。あとは好みの問題だと思います。小泉さんのセルフカバーもいいけれど、出来れば若い人に歌い継いでもらいたい


傷ついた心を
隠さずに見せたら
少しづつ惹かれていた
いつか私
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