ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

星々の本棚

2017-12-29 19:23:27 | Weblog
潮騒がこころを揺さぶる

西の空を見上げれば斜陽が眩しい

海辺にカフカはいなかった

カフカの繊細は腹立たしい

いれば、その背中を蹴ってやりたかった



限りなく透明に近い駅に滑り込んだ銀河鉄道に乗り込む

鉄道員の合図もそこそこに銀河は出発

メロスと並べて走らせたらどちらが速いか


トンネル抜けたら案の定、雪国だった

東京の雪と違って、さらさらして心地よい

童心に帰り、寒さも忘れた

いっそすべてを忘れたい

あの時のいのちも、それから、あの手紙も、あの巨塔も、あの運命の人も

ガリレオみたいに強くなれない

人間失格でいいじゃないか

カリスマも模倣犯も、人みな大河の一滴と言い聞かせ

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年末

2017-12-28 19:06:55 | Weblog
暮れてゆく。暮れてゆく

今年もまた暮れてゆく

来年の話をしても鬼は真顔だ

たまに寂しげに微笑むだけ



当然の権利のように苦しみや悲しみは降り積もり

その上を孤独が土足で歩いてゆく

生きてゆこうとするならば

もうこれらの解決の糸口はない

僕の死とともに一緒に消えるだけ

その時、この世界に残せるものはあるだろうか

あるとすれば、これまで降り積もった物のひとかけらを光に変換する魔法



今年もあと三日か

地層に組み込まれる世界中の数えきれない小さな物語たち

さよなら

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もうどうしようもない

2017-12-23 19:17:23 | Weblog
昨日は冬至だったそうで、光の恵みがもらえない

もうどうしようもない



10分の散髪屋で不安が強まり、店から飛び出したくなった

もうどうしようもない



出生数が100万を割り,なおかつ減り続けている

もうどうしようもない



トランプ、相撲、北、格差

もうどうしようもない



何かが狂っているのは分かるのだが

それを修正する力がないのだ

もうどうしようもない



もうどうしようもないよ、今更

僕に出来るのは、炬燵蜜柑で爪を黄色に塗るくらい
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歪みながら、時は過ぎる

2017-12-16 18:17:05 | Weblog
冷たく広がる空に淡く寂しい光

クリスマスが近づき少しだけ華やぐ街

今年、僕は無意識の罪をいくつ犯したろう



君は首を横に振りながら、肯定している

何らおかしなことじゃない

世の橋はそうして渡るものだろう



時は今年も積み重なった

少しずつ歪みながら

静かに傾きながら

人はそれに気づいたとしても

慌ただしい季節を理由に

足を速め、通り過ぎる

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卑屈が伸びてゆく

2017-12-08 21:34:03 | Weblog
無意識に瞳を強く握りしめていた

初冬の太陽にさしたる力はない

それでも僕はしばらく目を強く閉じていた

もう何も見たくないのかもしれない



立派なものは、より立派に映り

輝いているものは、より輝いて映り

みすぼらしいものは自分に見えた

卑屈が高く高く伸びてゆく



生きていることが恥ずかしく

だから穴に入りたいのだが

コンクリートはそれを許してくれない

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