焼き尽くす陽射し
ぽつぽつ蝉の声も流れ始めた
夏の経験が増えるたび
街も人も色褪せて
光に溶けたように姿をくらます
しばらく外に居ると
熱い湯に入っている錯覚があり
冷房の効いているスペースに飛び込む
その時、遠い夏のプールで
君も勢いよく飛び込んだ
やがて泳ぎ疲れた君が
両腕を伸ばし、プールから上がろうとしていた
その長い髪から
滴を落としながら
プールサイドを歩く君の笑顔は
涼しげだった
焼き尽くす陽射し
ぽつぽつ蝉の声も流れ始めた
夏の経験が増えるたび
街も人も色褪せて
光に溶けたように姿をくらます
しばらく外に居ると
熱い湯に入っている錯覚があり
冷房の効いているスペースに飛び込む
その時、遠い夏のプールで
君も勢いよく飛び込んだ
やがて泳ぎ疲れた君が
両腕を伸ばし、プールから上がろうとしていた
その長い髪から
滴を落としながら
プールサイドを歩く君の笑顔は
涼しげだった
松田聖子の夏の曲といえば「白いパラソル」「渚のバルコニー」「小麦色のマーメイド」など数々のヒット曲があります。私もリアルタイムで知っています。
大人になってからはベストアルバムを買い、シングルに加え、アルバムの曲も随分、知りました。なので、大抵は聖子さんの名曲は知っているのではないかと思っていました。しかし、まだまだあるものです。最近、You tubeで知った「ひまわりの丘」「サンセットビーチ」は素晴らしかったです。
アルバム「Pineapple」は1982年5月発売。オリコン最高位は1位。そのアルバムに「ひまわりの丘」は収録されています。作詞・松本隆 作曲・来生たかお
黒い小さなラジオ
耳に当てて歩く
ストライプのTシャツ
覚えているわ
冒頭の歌詞ですが、時代背景が分かります。来生さんの眩しいメロディーを聖子さんが溌剌と歌っています。
ひまわりの咲く
丘に座れば
入江はエメラルド
風が吹き抜ける
あなたの愛を
失うことを
ただ怖がっていた
あの夏の日
サビの部分にになると明るい曲調は維持しつつも、切なさも混じります。歌詞から夏の海が舞台で、恋人同士が楽しそうにしている印象が浮かび上がります。
しかし、最後の「あの夏の日」でそれが思い出であることが分かります。女性が相手の男性を忘れられない切なさが表現されています。
来生たかおさんのメロディーが素晴らしい。名曲だと思います。
「SUNSET BEACH」
この曲もアルバム「Pineapple」に収録。いかにパイナップルというアルバムが名盤かが分かります。願わくばレコードの針を落として聴きたかった。当時、私は小学生でテレビの聖子さんのシングル曲に反応しているだけでした。
作詞・松本隆 作曲・来生たかお
黄昏どき斜めの陽を浴びて
タオルを手に人が帰る
夕凪満しお足跡だけ
消し去る波
美しい風景が浮かびます。文学的ですね。「ひまわりの丘」に比べ、曲調も含めて寂しさが全体を覆っています。
ああ 夕日が海に溶ける
ああ 世界の終わりでもかまわない
渚の果て
ああ 夕日が海に溶ける
ああ あなたと生きてみたい気がする
渚の果て
「世界の終わりでもかまわない」と「死のうかってポツリ言うあなた」という言葉もあって、かなり後ろ向きですね。勝手に解釈すれば、この歌詞の中の男性は松本隆で、女性は松田聖子なのかもしれない。松本さんはどこか影があるように見受けます。ただ、こうした妄想や冒険が出来るのもアルバムならではでしょう。
初めて聴いた2曲で気付いたのは、私が来生たかおのメロディーが好きなこと。どちらの曲も来生さん作曲です。来生さんといえば中森明菜のイメージがありますが、聖子さんにも曲を提供していたのですね。そして松田聖子さんの並外れた歌唱力。当時は歌唱力の評価はそれほどされていなかったと思います。耳に心地よく、曲の世界観に入り込む天才ですね。
松田聖子と中森明菜。タイプが全く違かったからこそ二人は歌姫として奇跡的に並び立つ事ができました。そして豪華な作家陣。80年代は音楽的に幸せな時代と言えるかもしれません。
オールスターゲームで大谷翔平がホームランを打った
瞬間にそれとわかる当たりは
ライトスタンドへ吸い込まれた
今年の大谷はグラウンド内外で色々とあった
赤から青へ
それはユニフォームが
チームが、リーグが変わるだけでなく
羽を伸ばせる場所から
勝利を求められる場所への移動だった
信じていた人間に裏切られた
大きな安らぎも手に入れた
彼にとって2024年は忘れられない年になったろう
シーズン終了後に、さらに大きなものを手にしていればいい
とまれ、オールスターの歴史に大谷翔平というスラッガーの名が刻まれた
今は素直にその事実を喜ぼう
彼は長身で、常に太陽を見上げる向日葵に似ている
その向上心を忘れずに
永遠の野球少年でいてくれ
僕の最後のベースボールアイドル
絶望の友よ
顔も声も知らぬ友よ
今日も生きているかい?
か細い光を感じる事はないかい?
ないだろうね
絶望しているのだから
このまま終わりにしようか?
それとも日々をしのいでもう少し待つか?
しかし何を待てと言うのだろう
僕の絶望の歴史も長くなったから
本来なら、友へ助言するべきなのかもしれない
しかしながら、驚くほどその術を持ち合わせていないのだ
ただ低価格な気休めが通用しない事は知っている
絶望から抜け出したという自信に満ちた声も届かない
まあ友よ
結論を急がない方がいい
今日でなくても明日でいい
明日になったら、また明日
見知らぬ君がいなくなるのが
僕には寂しい
花になりたい女たち
傘になりたい男たち
そんな時代でないことは明白だ
ただ、理想のかけらのようなものが
灼熱のアスファルトの上で
ところどころ呼吸を止めない
明日が見通せない恍惚と不安
明日を見通せた安堵と絶望
楽しそうに笑う君
痛々しく生きる君
居場所を探し求める君
淡々と日々をやり過ごす君
地上の暑さと混沌をよそに
空では7月の瑞々しい夕焼けが
ひとときの主役を務めていた
西山朋佳女流三冠が4日に行われた朝日杯将棋オープン戦で阿倍光瑠七段との対局に勝利しました。この結果、直近のプロ公式戦で13勝7敗となり、「10勝以上、なおかつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、プロ棋士への編入試験の受験資格を得ました。
そして、西山さんは受験する意向を表明しました。
それにしても西山さん、気持ちが良いくらいの早い決断でした。午後にもう一局、指すにも関わらず、昼休後に将棋連盟に意向を伝えました。阿部七段戦に勝てば、受験する事は決めていたのでしょう。
西山さんの将棋については、このブログでも何度も記してきました。才能は一級品です。特に終盤の強さはプロ棋士の中へ入ってもトップクラスだと思います。
ただし、編入試験に関しては厳しい戦いが予想されます。試験官は5名で、新しく棋士になった順に選ばれます。はっきり言えば、この5人の実力はプロ棋士の平均値より高いです。
他の世界では3年、5年かけて先輩に追い付くというのが普通でしょうが、将棋界は例外です。プロ養成機関である奨励会、特に三段リーグで熾烈な競争があり、その狭き門を勝ち抜いて間もない棋士たちのため、新人ながら他の平均的な棋士よりレベルが高いのです。
西山さんも三段リーグを14勝4敗という普通ならプロ棋士になれる好成績を残しながら次点となり、あと一歩届きませんでした。
よって、西山さんが試験官に勝ち越し、プロ棋士になることは至難です。願望を込めて合格できる確率は40%程度ではないでしょうか。序盤・中盤で離されて、得意の終盤力を生かせない心配もあります。
ただ、これだけの才能、魅せる将棋を指せる人はプロ棋士でも少ない。女性初のプロ棋士というインパクトを加えれば、事実上、藤井聡太名人ひとりで支えている現状を抜け出す絶好のチャンスでもあります。
これは西山さんだけでなく、将棋界にとって大勝負になる気がします。
昨日、棋聖戦五番勝負第3局が行われ、藤井聡太棋聖が山崎隆之八段に勝ち、3勝0敗で防衛しました。これで棋聖戦5連覇となり、史上最年少での永世位資格者になりました。
第3局は山崎八段が先手で、得意の相掛かりという戦型になりました。藤井棋聖は普段通りの王道の将棋で受け止めます。途中で角を交換し、藤井さんの角打ちが唯一、やや隙のある手だったようで、そこで山崎さんが正しく対応していれば、分からなかったかもしれません。
しかし、全体的には藤井さんの快勝と言っていい内容でした。山崎さんもよく食い下がりましたが及びませんでした。
藤井さんは早くも永世位を獲得しました。現役では羽生、谷川、渡辺、森内、佐藤康光、そして藤井聡太で6人ですかね。これからも順当に永世位の数を増やしていくのか、あるいは伊藤匠七段というライバルの存在が藤井さんを苦しめるのか見ものです。
山崎八段が「第3局は楽しかった」と話していたのが印象的です。そしてこう付け加えました。
「自分がもっと強ければ、将棋は無限に楽しいんじゃないかと」
山崎さんはこの貴重な経験を生かして欲しい。すでに40代前半。残された時間は長くありません。これだけ魅力があり、若い頃は「東の渡辺、西の山崎」と評されるほど才能も高い棋士ですから、タイトル戦登場やA級復帰を期待しています。
次の王位戦。藤井聡太の挑戦者は久し振りに東の渡辺明です。