ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

藤井が防衛 永世王位に・大谷快挙

2024-08-29 12:56:40 | Weblog
王位戦七番勝負第5局が8月27、28日に行われ、藤井聡太王位が渡辺明九段に勝ち4勝1敗で防衛しました。これで王位戦5連覇となり、永世王位資格者となりました。棋聖に続く2つ目の永世称号の獲得です。

このシリーズは藤井王位が苦戦していました。流れが変わったのは第3局の逆転勝ちと第4局で渡辺九段が第2局で快勝した相掛かりを採用せず、矢倉を選択し、それが結果的に失敗に終わった事が大きかったです。渡辺さんはこの選択を悔やんでいるかもしれません。
藤井さんとしては前回の棋聖戦で山崎八段にストレートで防衛しましたが、まだ自信は持ちきれなかったと思います。しかし、今回トップ棋士の渡辺九段に苦しみながらも結果的に4勝1敗で防衛できた事は、叡王戦の失冠で揺らいだ自信を少し取り戻すことができたかもしれません。


大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、23日のレイズ戦で盗塁を決めた後、9回にサヨナラ満塁ホームランを放ち、40本塁打、40盗塁を達成しました。それにしても、これ以上ない劇的な快挙達成でした。
昨日現在、本塁打は41まで伸ばしていて、本塁打の自己最高、そして50本塁打50盗塁に届く可能性もまだ残しています。

ただ、所属チームのドジャースが厳しい戦いを強いられています。言わすと知れた名門チームであり、特に2013年以降はシーズンで10度の地区優勝、2019年以降はコロナ渦で試合数が大幅に減少した2020年を除けば、すべて100勝以上と圧倒的な強さを誇ってきました。しかし今季、ドジャースは首位にはいますが、2チームが3ゲーム差で追う混戦。
今年から大谷、山本由伸が加入したこともあり、まずは地区優勝はしてもらわないといけません。これまでチャンスに強いとは言えなかった大谷選手には、こないだの劇的サヨナ弾をきっかけにチームを優勝に導いてもらいたいものです。
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阪神タイガースと菅野美穂

2023-11-04 15:30:40 | Weblog

2勝2敗で迎えた日本シリーズ第5戦は6対2で阪神がオリックスに勝ち、日本一に王手をかけました。オリックスが2対0とリードして迎えた8回裏、阪神が集中打で一挙6点を取り、逆転しました。

近本、森下、大山らがオリックス自慢のリリーフ陣を打ち崩しました。この時に改めて気付かされました。「俺は阪神タイガースが好きなんだ」と。

 

少年の頃の授業中、当時のタイガースのスター選手の下敷きの裏面に六甲おろしの歌詞が書いてあって、暗唱していたことを思い出します。「鉄腕強打幾千度 鍛えてここに甲子園」って。あの時の気持ちが残っていることに気付かされました。

 

阪神が強くなった要因のひとつは、岡田監督が四球の重要性をチームに浸透させたことです。

最も変わったのは近本選手じゃないですか?何故、栗山監督が攻守走すべて高いレベルにある近本君を侍ジャパンに呼ばなかったのか。それは出塁率の低さなのだと思います。

彼は変わりました。四球を取れる選手になり、出塁率もリーグ3位です。大山選手は最高出塁率のタイトルを取りました。四球の重要性を知った若い選手たちは物凄い財産を手に入れたと思います。

 

とにもかくにも、ここまで来たら阪神に日本一になってもらいたい。少年時代、ヒーローだった岡田さんが胴上げされる姿を目に焼き付けたい思いです。

 

阪神勝利の余韻に浸っていたら、ドラマが始まった。「ゆりあ先生の赤い糸」。主演は菅野美穂。今回初めて見ましたが、話はかなり入り組んでいます。夫が寝たきり。そして彼には男女の愛人がいて、ゆりあは自宅に2人を迎え入れる、といった話です。

 

菅野さんらしい演技でした。瞬間的に表情を変化させる彼女の反射神経は、まだまだ衰えていない気がします。周りを見渡せば、同世代の女優で民放ドラマに主演できる人は、ほとんど思い当たりません。男優ならば菅野さんの夫を始め、多いとは思うのですが。

また彼女の下の世代でも、例えば上戸彩が主演できるかと言えば、かなり難しいと思います。それだけ女優の新旧交代は激しく、中心は有村架純、広瀬すず、橋本環奈、浜辺美波らに移りました。

その中でベテランもまだまだというところを菅野さんには見せてほしいです。

 

日本シリーズの阪神、テレ朝育ちの菅野とくれば、ニュースステーションでも始まりそうな勢いでしたが、白髪頭の久米さんは出てきませんでした。

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岸田内閣支持率下落 GDPはドイツに抜かれ世界4位に後退

2023-10-31 12:34:54 | Weblog

岸田内閣の支持率の下落が止まりません。ANNの調査では30%を割り込む危険水域に入りました。今後、支持率がさらに下がることはあっても、回復させることは至難でしょう。

 

4万円の減税を単発的に行っても、それで国民の暮らしが良くなるとは思いません。むしろ、継続的な支援が必要です。消費税率を一時的に下げるとの話も出ていますが、僕はベーシックインカム方面に舵を切るべきだと考えます。

財政が苦しいなら季節に1度でいい。年4回、例えば1人当たり3万から5万給付されれば、購買意欲が刺激され、国内消費が活発になれば税収も増えます。

また、将来的に先細りとなる年金の前倒しの意味も含まれます。副作用はあるでしょうが、それを恐れている場合ではないのが今の日本の状況です。

GDPはドイツに抜かれ世界4位に後退する見通しです。2000年前後は日本のGDPの半分以下だった国に抜かれたのです。

 

ベーシックインカム以外で打てる手の1つは株式投資にかかる税率を現在の20%から10%に下げることです。当初、こともあろうに岸田総理は税率を上げようとしました。これでは海外の投資家は逃げてしまいます。税率を下げれば、外国人投資家がもっと日本市場に注目するようになるでしょう。

 

岸田内閣は少子化対策に力を入れていますが、時すでに遅し。焼け石に水の感が強いです。本来なら小泉政権時代にやるべき事でした。少子化については岸田さんというより、20年、30年前の政治家の責任です。

 

岸田さんの持ち味は安定感だと思いますが、やはり非力さは否めないと思います。経済にしても小手先でなく、根本的な政策を打ち出さなければなりません。

労働人口の減少問題もAIで埋まればいいですが、現在のスピードでは間に合わないとなれば、移民政策も真剣に考えなければなりません。

労働力にはなっても、治安は確実に悪くなり、日本人のアイデンティティにも関わるので、本来ならば避けて通りたいところですが、もう向き合わなければなりません。現在の日本は、そこまで追い込まれています。

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30代女性を総理大臣にしたらどうか?

2023-09-22 12:26:27 | Weblog

岸田文雄総理を年齢、性別のカテゴリーに分類すると60代男性。いたって普通です。何の意外性もありません。最も意外性があるのは30代女性ではないでしょうか?20代の国会議員はほとんどいませんからね。

 

保守政治は日本の弱体化している部分を補正、補強するのが本来の姿だと考えます。岸田さんは保守本流としてガソリン価格の上昇の食い止めを試みたり、円安になれば介入も辞さない構えです。コロナ渦では国民に10万円を給付しました。 

懸命に補正、補強しているのですが、言い方を変えれば対処療法です。日本が右肩上がりの時代はこれで良かった。しかし、今は日本全体が弱体化しているため、対処しているだけではとても間に合いません。根本的な治療が不可欠です。

 

最も重い課題は少子高齢化です。そこに力点を置かなければなりません。ただし、少子化を解消するにはもう手遅れです。少なくともあと数十年は少子高齢化が続くのが確実で、それを覚悟の上で最善の策を取らなければなりません。

労働人口の減少で人手不足ですが、それにはブルーカラーの仕事の徹底的な機械化、ホワイトカラーの仕事のAI化が急務です。

外国人労働者の大規模な受け入れも真剣に考えなければなりません。治安やアイデンティティーにも関わるため、大変な決断です。勿論、ベーシックインカムも金額はともかく検討すべきでしょう。

60代男性の多くは何とか逃げ切れると思います。ましてや岸田総理のような方は別格ですから、危機を自分事として捉えるのは難しいでしょう。

 

そのため、未来に不安を感じている30代、そして、これから国の行く末の鍵を握る女性を、権力のトップに据えてみてはどうでしょうか?日本女性に上昇志向が少ないのは親世代を見てきているから。しかし子育て世代の30代女性の総理大臣が誕生すれば、気持ちは大きく変わるでしょう。国民、経済界、諸外国も大きく反応するのは間違いありません。

ただし、最低限の条件はあります。新しい発想を持っていること。最低3回は有権者の審判を受けていること。二世議員でない方が好ましい。この条件を満たしている30代女性議員がいなければ、40代でも構いません。ただ、年齢的にも強いインパクトが欲しいので30代がベストです。

 

自民党は普通に戦えば選挙に勝てますから、野党のどこかが「30代女性総理」を公約に掲げてみてはどうでしょう。実現性が薄いことは承知しています。しかし、これぐらいの気構えを持たなければ日本の再浮上はありません。

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大谷と藤井が歴史的快挙に迫っている

2023-08-26 14:20:22 | Weblog

アメリカでは大谷翔平が、日本では藤井聡太が快挙まであと一歩のところまで迫っています。

 

大谷選手は投手としては今季絶望という残念なニュースがありました。しかし、打者としては今日の試合も出場しているようですし、ひと安心です。三冠王の可能性も残されていますが、まずはやはり、ホームラン王を確実にものにして欲しいです。

 

日本選手は外国人選手にパワーでは劣ると長年、言われ続けてきました。パワーの象徴はホームラン。大谷選手がホームラン王を獲れば、イチロー選手の首位打者や最多安打とはインパクトが違います。

現在、2位のロベルト選手とは10本差をつけて独走状態。もう何本か積み重ねれば確実ですね。出来れば50本打って欲しい。怖いのはケガだけです。適度に休養を取ってもらいたいところですが、簡単に休む大谷ではないですか。

 

将棋の藤井聡太竜王・名人も快挙まであと一歩です。8月末から始まる王座戦で永瀬拓矢王座に3勝先取すれば王座奪取となり、全冠制覇の八冠王となります。

現在、藤井名人は好調とは思えません。まして相手は互いに最も手の内を知る永瀬王座。厳しい戦いが予想されますが、何とか乗り越えて欲しいです。

 

大谷選手はほぼホームラン王は取れると思いますが、藤井名人の王座戦はこれから開幕なので、何とも言いようがありません。しかし、仮に共に快挙達成となれば、ちょうど時期が重なりそうです。実りの秋を迎えられるかに注目が集まります。

 

大谷君の10年、藤井君の7年の物語を多くの国民が見守ってきました。何故、彼らはここまで愛されるのか?共通しているのは、好青年の一言では片付けられない人間性だと思います。

謙虚であり、人に対する気配り、ひたむきさ。そうしたものが、考えられない程、高いレベルにあります。実力が飛び抜けていて、スター性が高く、人格的に大変優れている。奇跡の青年二人が、時を同じくして歴史的偉業に向かっています。

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慶応107年ぶり全国制覇・藤井、王位を防衛

2023-08-24 14:56:30 | Weblog
  1. 昨日の夏の甲子園決勝は慶応高校が仙台育英を8対2で下し、実に107年ぶりの全国制覇を成し遂げました。それにしても慶応の応援は凄かった。

 

私は慶応に縁もゆかりもないので、どちらが優勝しても構わなかったのですが、自分が関東在住で、何よりも清原さんの息子の勝児君がベンチ入りしていることが大きく、慶応を注目していました。

自力の仙台育英か、勢いの慶応かとの見方をしていました。慶応が3点を先制したものの、仙台育英が2点を返し4回までは勝敗の行方は分かりませんでした。

しかし、5回表に慶応が一挙5点を加えたことで試合は大きく傾きました。接戦を見たかったので仙台育英の反撃にも期待しましたが、これまでの試合で打ち疲れたのか、本来の打力が影を潜めてしまいました。

 

9回表、清原勝児選手が代打で登場しました。結果はフォアボール。スタジアムからため息も聞こえましたが、四球は打者の勝ちです。久し振りに高校野球をプレイボールからゲームセットまで見た。勝児君のおかげです。

 

大谷翔平、WBC、そして慶応高校のエンジョイベースボールが結果を出したという事実は大きい。真剣に勝利を求めながらも、ゲームを楽しむことを忘れない共通点があります。野球界も新しい体質に生まれ変わらなければなりません。

 

将棋の王位戦第5局は藤井聡太王位が佐々木大地七段を下し、4勝1敗で防衛しました。

第5局は力のこもった熱戦でした。個人的に不調と感じていた藤井王位ですが、この一局は本来の力が出ていたように思います。ただ、昨日も終盤でかなり時間を使っていました。以前から序中盤では長考を繰り返していましたが、終局近くになると、全てを見透したように指し手が早くなる特徴がありました。

 

体力的な問題なのか?あるいは驚異的な脳の回転力が、やや低下してきた可能性もあります。何せ小学6年で詰将棋日本一になった早熟の天才ですから、10代の頃に比べると、読みの速度がやや落ちていても不思議はありません。

 

何がともあれ残るは王座戦。永瀬王座に先に3勝すれば八冠制覇です。ぜひ達成して欲しいものです。

 

 

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大谷・藤井揃い踏み

2023-07-04 12:05:41 | Weblog

昨日は令和を代表する怪物、大谷翔平・藤井聡太がそれぞれ結果を残しました。

 

1勝1敗で迎えた棋聖戦第3局は藤井聡太棋聖が佐々木大地七段を下し、2勝1敗として防衛に王手をかけました。

少し以外な場面での投了となりました。まだ藤井棋聖はほとんど攻めていなかったのですが、佐々木七段の攻めが繋がらなくなり、30分後には藤井さんに一方的に攻められる未来が見えたのでしょう。

 

藤井棋聖にとって、この1勝は大きいです。佐々木七段は先手番に滅法強く、第4局は藤井苦戦が予想されましたから。それにしても藤井さんは受け(守り)が強い。棋風としてはバランス型ですが、どちらかといえば守りに重点を置いているように見えます。

受けに回れば大山十五世名人、攻めに回れば谷川十七世名人を彷彿とさせます。改めて藤井聡太は大名人の器と感じます。

 

大谷翔平にとって6月の打撃は、これまでにないものでした。特にホームラン15本は、さらなる高みに到達したのではないかと思える圧倒的なパフォーマンスでした。そして7月に入り、昨日の31号。構えをややオープンスタンスにして、バットのグリップの位置を少し下げました。それだけでも随分、自然体に見えるものですね。

 

個人的には7月末に37、8本打っていてくれれば上出来だと思います。2カ月続けて打ちまくるのは至難です。しかし、仮に7月を終えて40本を超えていた場合は、60本という巨大な数字が視界に入ります。そうした意味でも大谷の7月の打撃に注目です。

 

また投手としても、出来れば7月中に10勝に到達したいところですが、全てはうまくいかないでしょう。

このペースで行けば2年振りのMVPも間違いないところですが、二刀流による疲労、ケガに加え、最大の敵はトレードです。ナショナルリーグにトレードされたら元も子もありません。少なくとも今季が終わるまではエンゼルスでプレーしてもらいたいところです。

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藤井、名人初戦を白星で飾る

2023-06-06 12:07:34 | Weblog

メキシコの「ダナン三日月」で行われた棋聖戦第1局は藤井聡太棋聖が佐々木大地七段を下し、名人初戦を白星で飾りました。

 

久しぶりの海外対局でした。どの程度かは知りませんが、ベトナムで将棋の人気が高まっているそうで、その普及を兼ねてのものだと思います。

例えばベトナムで一定数の若者が将棋を覚え、その中からどの程度の実力者が育つかは興味深いです。

女流棋士が男性のプロ棋士に追いつけない理由の1つに歴史の浅さという推測があります。しかし、もしベトナムなど、海外の若者がプロ棋士並みの実力をつけたとしたら、歴史が浅いからという理由は消えます。

 

対局ですが藤井棋聖は初挑戦の佐々木七段相手に得意の角換わりから、佐々木七段の追い上げを振り切り、第1局に勝利しました。藤井さんにとっても名人となって初対局であり、初の海外対局でもありました。思い出に残る対局になったのではと思います。

 

対する佐々木七段は苦いタイトル戦デビューとなりました。藤井さんとは違った意味で佐々木さんも将棋の神様に愛されているはずです。

彼は子供の頃、重い心臓病を患っていて、師匠の深浦九段と初めて会った時には体に多くの管が繋がれていて、深浦さんも心配になったそうです。しかし、将棋の力なのか今ではフットサル好きの健康的な青年になりました。

 

全く違う環境で幼少期を過ごした2人の若者が、彼らが愛してきた将棋を通してぶつかっている。互いにとって幸せな時間だと思います。

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藤井最年少名人誕生 7冠は2人目

2023-06-02 12:40:51 | Weblog

ついに藤井聡太が名人になりました。

長野県高山村の藤井荘で行われた名人戦第5局は藤井聡太竜王が渡辺明名人を下しました。これで藤井竜王の4勝1敗となり、名人を獲得しました。

1983年に谷川浩司17世名人が達成した最年少記録を40年ぶりに更新。また7冠達成も羽生善治九段以来、史上2人目になります。

 

序列では竜王と名人が高く、2大タイトルに違いないですが、やはり「名人」という響きは違いますね。今でもプロ棋士、あるいはプロを志している若者の多くも、名人というタイトルは特別なものだと思います。

新名人の藤井さんもその1人でした。名人獲得後のインタビューを聞いても7冠にはどこか冷めているのですが、名人という地位に登り詰めたことには素直に喜びを表していました。

 

少しだけ第5局を振り返ると、渡辺さんの菊水矢倉を矢倉とすれば、藤井さんは雁木という形で、ともに江戸時代から指されていた戦型で歴史のロマンを感じます。

先手の渡辺名人有利に進みましたが、藤井竜王も崩れずに指し、それが渡辺名人の悪手を誘いました。形勢が逆転してからはあっという間に藤井さんがリードを広げ、渡辺さんが粘り切れない形になり、最後は藤井さんが華麗な寄せで渡辺さんを投了に追い込みました。

 

破れた渡辺さんもよく戦いました。藤井さんの圧倒的な強さを考えると、そうとしか言えません。名人から無冠の九段への転落。今後の渡辺さんの動向にも注目しています。

もう一度、打倒藤井に意欲を見せるか、もう敵わないと諦めれば、近いうちに棋士の根幹である順位戦から撤退する可能性も少しあるような気がします。個人的にはまだまだA級で戦う渡辺明を見ていたいです。

 

とにもかくにも藤井聡太が名人になった2023年6月1日は将棋界にとって歴史的な日になりました。大山15世、中原16世以来の大名人を目指して、藤井聡太名人の戦いは続きます。

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藤井、叡王防衛 そして藤井荘へ

2023-05-29 12:31:52 | Weblog

昨日、藤井聡太叡王が挑戦者の菅井竜也八段を2度の千日手指し直しの末、下しました。これで3勝1敗となり叡王3連覇を果たしました。

 

それにしても両対局者にとって長い一日でした。同一局面が4回繰り返される千日手になると先手、後手を入れかえて指し直しとなります。千日手が2回続いたので、3局目にしてようやく決着がつきました。

 

勝負の分かれ目は2局目で、互いに穴熊に組みながら、柔軟性に優れ、また相穴熊の経験値に勝る菅井八段が中盤ではややリードを奪いました。ボクシングで言えば、菅井さんの足を使った巧みな攻撃に藤井さんがやや振り回される展開になりましたが、終盤で藤井さんがクリンチし千日手指し直しに持ち込めたことが、最終的に勝利をものに出来た大きな要因です。 

決着局でAIも気づいていなかった、飛車を切り、相手玉を即詰みに討ち取ったのはいかにも藤井さんらしい。

 

藤井竜王にとってはタイトル戦では初めての対抗形(藤井は居飛車、菅井は飛車を左に移動させる振り飛車)で苦しみながら叡王を防衛できたことは貴重な経験になりました。

菅井さんは昔気質の勝負師で、藤井さんのデビュー当時からやや厳しい言葉を浴びせていました。終局直後、記者に藤井竜王の印象を尋ねられると、やや考えた末に「将棋に真っ直ぐな人」と答えました。最高の誉め言葉ではないでしょうか。

 

藤井竜王は六冠を保持し、5月31日からの名人戦第5局に最年少名人、史上2人目の七冠をかけて渡辺明名人に挑みます。

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