可愛がったペットは気を使い、今年のうちに死んだ
僕の電池はあとどれぐらいだろう
今日が明ければ、明日が今日になり
今日は去年という枠に収まることになる
時は無表情に正確な歩幅で進み
どんな人や生き物、いや、ありとあらゆる物が
2020の枠組みに組み込まれる
死者だけがこの年に留まることになるのだ
電池が切れた物だけが
人々はまだ見ぬ日の恐怖を消すために
慌ただしい年末を過ごし
年明けのめでたさを無理にでも強調するのだろう
こないだ免状取得を目指すため、将棋世界という雑誌の四段コースに応募しました。四段から六段までは問題が同じで、4問出題されます。3問はある程度自信があるのですが、残りの1問が曖昧な分だけ難しく自信がありません。四段取得には最短で5か月かかります。今回の正解発表は1か月後なのでまだまだ先です。途中経過などもブログで知らせていければと思います。
さて、藤井聡太七段が「今のところ進学は考えていない」との意思を示しました。個人的にはそのほうがいいと思います。ここで過去の中学生棋士たちの学歴に少し触れておきます。加藤一二三九段は早稲田大、谷川九段は進学校の滝川二高、羽生さんは都立高校を通信制で卒業、渡辺三冠も高卒です。加藤さんだけが大学に進学しましたが、将棋の実績では谷川・羽生・渡辺の3棋士に比べると劣ります。勿論、名人にもなった大棋士ではありますが。両立に最も苦労し、通信制に切り替えた羽生さんが最も実績を残しています。
では他のトップ棋士はどうなのか?森内九段、佐藤康光九段は進学校ですが高卒。丸山九段は早稲田大。年代が下になると高学歴の棋士が多く、その代表格が同じ88年生まれの糸谷八段と中村太地七段でしょう。糸谷さんは哲学の家系で大阪大学の大学院時代に竜王を獲得した天才です。中村さんも2年ほど前、王座のタイトルを取りましたが、学歴が凄い。早稲田実業を首席で卒業し、早稲田大の政経学部。早稲田の政経というのは私大の1つの頂点でしょう。そこでも優秀だったそうですからね。
ところが、この2人の調子があまり芳しくありません。特に中村七段は今季、大きく負け越しています。それに対して大学中退の豊島竜王・名人、高校中退の永瀬二冠は実力ナンバーワンの渡辺三冠を激しく追い上げ、非常に充実しています。
糸谷さんや中村さんの世代が高学歴になった1つの理由は将棋人気の凋落でした。藤井聡太出現前の将棋界は坂道を勢いよく転げ落ちていたため、将来、将棋では食べていけないという不安があって当然だったと思います。そういえば、広瀬八段も早稲田の教育学部を6年かけて卒業しました。あれだけの才能の持ち主が、まだタイトル2期では少なすぎます。
やはり全体的にみると18歳から22歳という最後の大きな伸びしろで二足の草鞋を履いたためか、全体的にみると高学歴の棋士は大成できない印象が強いです。この時期に将棋に一途に打ち込むことは大棋士になるためには欠かせないのかもしれません。藤井君の意思がどれだけ固いのかは知りませんが、進学しない選択は好手になると思います。彼ほどの天才には学歴は必要ありません。