ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

赤い傘

2020-05-30 11:32:03 | 
春の終わりの太陽は西の空まで持たない
夏を思わせる強い光は、やがて分厚い雲に覆われる
梅雨が近づくと思い浮かぶ景色

雨に濡れて白い街
路面を優しく叩く均一の音
僕の視線のぼやけた白の中に赤が入る
少しずつそれは大きくなり傘だとわかる
赤い傘に守られた長い黒髪は少し濡れていた
「おはよう」と声をかける彼女の笑顔は眩しく
太陽とはまた違う痛烈な光を称えていた
直視するのは難しく、僕は少し目を細めた

あの頃の夢は見なくなった
赤い傘はもう視線に帰らない

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日本はもはや元には戻れない

2020-05-16 11:29:02 | 社会
これまでにも2度の大震災をはじめ、多くの危機を見てきました。しかし、今度の新型コロナウィルスはこれまでの危機とは明らかに様子が違います。地震の際には復興という言葉がありましたが、今回のコロナに関してはそれがありません。元に戻していくという感覚では日本社会はほとんど終わってしまうと思います。
しいて言うならば、第2次世界大戦に敗れ、価値観が180度変わった1945年以降の日本に似ているのかもしれません。ただし、あの時は13歳の日本を手取り足取り、指導したアメリカという先生がいた。これがいい教師だったか悪い教師だったかは別として。ただ今回は日本が自らの力で、元に戻すのではなく、変わっていくしかないのだと思います。

コロナと経済のバランスをどうとっていくかが当面の課題です。感染者数は大幅に減少しているのは間違いのないところです。しかし、元の生活に戻れるわけではありません。そうなると経済が厳しい状況に追い込まれます。特に中小、零細、自営業は生き残るために必死です。また日本を象徴する企業といってもいいトヨタ自動車が厳しい見通しを示しました。約37万人の従業員だけでなく、それを支えてきた中小零細、またその家族にも多大な影響を与えます。一方ではコロナの感染拡大を防ぎながら、一方では経済活動の下落を最小限にとどめることがまずは求められます。日本政府の手厚い、そして迅速な補償が必要です。この際、赤字国債もやむなしです。

オンライン、テレワーク、テイクアウトなどは、これまであった言葉ではあるけれど、コロナとともに耳にする機会が大幅に増えました。これから、これらが日本社会の主導権を握っていくことになるのでしょう。AIの発達には拍車がかかり、大量の失業者が生まれれば、国は何らかの経済対策を打ち出さなければなりません。今の状況では消費税減税などが現実的ですが、今回の一律10万円給付も本来なら考えられないことです。それだけ非常時だということです。額はともかくベーシックインカムの導入も真剣に考えなければならない時期が来るのではないでしょうか。
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