昨日、王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で藤井聡太竜王・名人と羽生善治九段が激突。結果は123手で藤井竜王・名人が羽生九段を下しました。
個人的な予測ではほぼ互角と見ていました。最近の藤井さんは村田六段に苦戦。棋聖戦第2局では得意の終盤で見落しがあり、佐々木大地七段に競り負けました。対する羽生九段は内容的にも充実していましたから。
実際に昨日の対局も後手番ながら藤井さんの得意戦法を受けて、中盤までは羽生さんの柔軟な指し回しが光りました。
終盤は細い攻めを繋げる羽生、的確に受ける藤井の展開が続きましたが、攻めが切れたと判断した羽生九段が投了、藤井竜王・名人の勝利となりました。
投了時、AIの形勢は藤井80%羽生20%程度だったため、少し投了が早いのではないかと思った方も多かったかもしれませんが、すでに持ち時間を使いきり1分将棋だったこともあり、投了やむなしでした。
藤井竜王・名人は王座戦挑戦まであと1勝に迫りました。しかし、その相手が渡辺明九段と豊島将之九段の勝者というのが因縁を感じさせます。
どちらと対局しても王座戦決勝は激戦になりそうです。お互い、藤井さんにタイトルを奪われてきただけに期するものがあるでしょう。
個人的に藤井さんの八冠挑戦は最初で最後のチャンスのような気がします。
ひとつには藤井さんが早熟の天才であることと、もうひとつはAIの進化で藤井さんと他の棋士の実力差が縮まってきている事が挙げられます。もしこの機会を逃すと、また7つの防衛戦に全て勝たなければなりません。これは至難です。
とにかく、伸び盛りの佐々木大地七段とのダブルタイトル戦を防衛し、王座戦トーナメントの決勝で勝ち、永瀬王座への挑戦権を獲得する。道のりは険しいですが、そこまでは見てみたいですね。