King & Princeというアイドルグループの名は最近よく耳にすることはあったけれど、それ以外の知識は何もありませんでした。しかし、そのメンバーの岩橋玄樹さんがパニック障害のため、11月から休業するとネットで知り、思わず何かを書かずにはいられなくなりました。
パニック障害、いや、他の病気に関してもそうなのですが、一人ひとり症状は違います。推測ですが岩橋君の場合、幼少期からこの病気に苦しんでいたということ、一生この病気は治らないと感じているところから、少なくとも軽度ではなく、むしろ重度の可能性が高いのではないかと思います。
僕は彼ほど年齢は早くはなかったけれど18歳の時に発症しました。自分もやはり「これは一生治らない」と強く感じました。30年近くたった今も、形を少しずつ変えながらこの病気と付き合う生活です。だから岩橋君の絶望感は多少は分かるつもりです。彼の言うようにいじめが原因なのでしょう。しかし、その一方で遺伝的なものがあるように思います。
約30年前の話ですが、高3の時の担任が暴力教師で、自分が標的にされていた訳ではないのですが、標的の生徒を好き勝手に殴っている姿を見て、僕はすごく苛立っていました。それも一つの原因ではあるのでしょう。しかし、2つの病院で最初に言われたこと。「親、兄弟や親戚に同じような症状の人はいませんか」。つまり遺伝であると疑っているわけです。実際、若くしてパニック障害になった人は遺伝の要素が高いのではないでしょうか。親がその病気でなくても、その要素を持っていて、それが今の時代性と重なって子に出ることは十分考えられます。
岩橋君の話に戻りますが、まだ21才。これからの人生のほうがはるかに長い。僕が発症した30年前とは違い、今のほうが改善する可能性ははるかに高まっていると思います。僕の場合、パニック障害という病気自体知らなかったし、自分がこの病気であることを知るのに何年もかかりました。今はネットで検索すれば何でも情報を得られるし、どこの病院へ行くのが適切かということもわかりやすいと思います。岩橋君の場合、小学生の頃に発症ということで、改善していくには難しさはあるでしょうが、何とかいい方向に向かってほしい。そしてファンやこの病気で苦しむ人に、アイドルとして元気な姿を見せてほしいと願います。希望をもって焦らずゆっくり一歩ずつ。生きてさえいれば何かいいこともあるかもしれないですから。