藤井聡太竜王の今年度の対局はすでに終了しました。竜王を始め、ついにタイトル数を5つまで増やしました。
来期からは、トヨタ自動車の協力で地元名古屋での対局が可能になるというのも、追い風になるかも知れません。いよいよ最年少名人に向けてA級での戦いが始まります。
全てが順風満帆に見える藤井竜王ですが、ひとつだけ、懸念材料をあげておきます。これは藤井君があまりにも強すぎることが理由なのですが、来期は対局数がかなり減りそうです。王将戦が終わってから、すでにその事態は起こっています。5つのタイトル戦は挑戦を受ける立場で、あとの3つのタイトルもシードされることが多いので、対局数の減少は避けられそうにありません。苦手なNHK杯でも頑張って少しでも対局数を確保して欲しいです。AI研究の比重が大きくなった昨今ですが、やはり対局が一番の刺激になるのは間違いないので、将来に向けても多少、不安材料ですね。
昨日の新人王戦に西山朋佳白玲が奨励会三段に快勝しました。西山さんの終盤の迫力は女流の域を完全に超えています。女流棋士は里見女流四冠という大黒柱がいるので、今すぐでなくても、近い将来、プロ棋士を目指して欲しいです。彼女の将棋には華があります。それは誰もが持てるものではありません。
こないだ藤井聡太竜王に対抗する若手棋士として3人の名を挙げましたが、あとひとり付け加えると出口若武五段です。出口五段は奨励会時代、藤井竜王と新人王戦の決勝で対局しました。藤井竜王の初めての番勝負でした。才能は折り紙つきです。叡王戦の決勝は服部慎一郎四段と出口五段。つまりこの二人のどちらかが藤井叡王に挑戦します。新時代の到来です。