ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

死刑制度の是非

2018-07-29 09:35:45 | 社会
7月6日に地下鉄サリン事件などで日本中を震撼させた、オウム真理教の麻原彰晃死刑囚など7人の死刑が執行されました。そして26日には残りの死刑囚6人の刑も執行されました。このことについては理由の一部に納得いかない面はあるものの、おおむね肯定しています。上川法務大臣の最終判断は正しかったのだと思います。日本に死刑制度がある以上、執行の決断を下す自信のない人は法務大臣の打診の際、断るべきではないでしょうか。ただし「平成の事件は平成のうちに」という考え方には違和感があります。とりあえず、麻原だけでよかったような気もします。


僕も死刑制度に積極的に賛成している訳ではありません。廃止できるのであればその方がいい。しかし現実は難しい。国際世論の流れは死刑撤廃の方に向かっているのも理解しています。かと言って、死刑の代替案が見当たりません。現在の死刑と無期懲役では天と地の差があります。終身刑も一つの案ではありますが、やはり死刑とは大きな隔たりがあるのは否めません。


死刑制度があるから、日本の治安がいいというのは幻想だと思います。もしこの制度を廃止しても治安が大きく乱れるというのは考えにくい。むしろそのことよりも、被害者感情に寄り添うという意味合いが大きいのだと思います。古くは日本には仇討がありました。しかし近代となり、仇討は許されないので、国が代替しているという側面があるのでしょう。


とはいえ今後、死刑制度について議論していくことは必要でしょう。人が人を裁くのですから、間違いが起こっても不思議ではありません。普通の犯罪でも冤罪は許されませんが、死刑では絶対にあってはならないことです。例えば、林真須美死刑囚の刑の執行に関しては保留した方がいいと考えます。結局、状況証拠の積み重ねで、限りなく怪しいというところまでは追い込めるのですが、彼女がやったという決定的なものがない。わずかでも冤罪の可能性があるとしたら、執行はすべきではありません。まして「平成の事件は平成のうちに」という発想はしてはならないでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月のカラフル

2018-07-21 12:16:47 | 
黄色いカブトムシが汗まみれに飛び回った挙句、向日葵と同化した
砂浜の前でどこまでも広がる青い塩アイス
富士山を見て、チビでみすぼらしい色した山が
いたたまれなくなり、引っ越していった
勝ち誇った蝉が泥臭さを残した茶色い声で鳴き散らす

青い果実が頬を赤く染めている
浴衣姿の白い首筋に光る一粒の汗玉
花火が反射し、あらゆる色を映し出した

7月の朝の光が街を白々と照らし
酷暑に降った雪のようだった

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏空

2018-07-18 18:55:53 | 
空から届く灼熱の光線
アスファルトからこみ上げる不快な空気
早くも向日葵はうなだれている
僕は気休めに思い出す
美しすぎた頃の海を

夢を見るには遅すぎても
枯れてしまうにはまだ早く
「折れていても花を」という教師の言葉を遠くに聞く
都合のいい幻音を流しながら
果てのない夏空を恨めしげに見たら
案外可愛い顔してた
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「師弟」読了

2018-07-13 21:28:52 | 
将棋界に藤井聡太という救世主が現れてからというもの、様々な将棋本が発行されています。「師弟」もその流れでしょう。表紙は藤井七段と師匠の杉本昌隆七段。Amazonレビューで「表紙の帯がひどい。そこまでして売りたいのだろうか」と書いてあったので、知ってはいましたが、「君は羽生善治を超えるんだよ」と書いてあり、この本を手に取った誰もが、杉本さんが藤井君に言ったと誤解します。実際には違う師弟の間で交わされた言葉なんですけどね。商魂逞しい限りです。
表紙はさておき、本文はとても興味深い内容でした。6組の師弟の物語が記されています。将棋を知らない方も人間ドラマとして読むことができると思います。

第一章は師匠の谷川九段と弟子の都成竜馬五段の「手紙」というタイトルの物語。谷川さんは17世永世名人でバリバリの現役棋士。そういう人が弟子を取ることは珍しいのですが、小学生名人にもなっている都成少年の実力は勿論、誕生日が1月17日という事に神戸出身の谷川さんは運命を感じて弟子として受け入れました。

最初は伸び悩んだ都成君も17歳で三段リーグ入り。しかしそこからが長かった。都成君が学生の頃は丁寧な言葉ながら、厳しく激励する手紙を彼の住む宮崎へ送るのですが、三段リーグで苦労し、年齢制限も近づく頃になると、「君は強いんだから、自信さえ持てば大丈夫」といった自信を持たせようとした優しい言葉が並ぶようになります。


そして年齢規定による最後の三段リーグ戦。都成君は勝ち続けます。昇段がかかった日、谷川さんは将棋連盟の会長としての仕事があり東京にいました。大阪の将棋会館で対局を終えた彼は、師匠に昇段の報告をしました。「おめでとう。よかったね」。その短い言葉にどれだけの想いが込められているのだろう。初めて師弟が顔を合わせてから、16年の歳月が流れていました。

そして第六章の藤井七段、杉本師匠の物語で終わるのですが、ぶつかり合う師弟、強い絆で結ばれる師弟、重い心臓病の弟子を支える師匠など中身は濃かったです。最終章には羽生善治竜王への特別インタビューが掲載されています。羽生さんは公の場ではなかなか手の内を見せない人ですが、この本ではフランクに語っていて、興味深かったです。その中で「昔はよかったです」「いい時代でした」と懐かしむ言葉は長い歳月が流れた感慨がありました。


著者がカメラマンという事もあってか、巻頭にカラー写真が掲載されています。イケメン俳優が二人いますね。一人は都成君でもう一人は佐々木勇気六段。藤井聡太の連勝を止めた対局の写真ですが、鬼の形相です。彼はスター性がありますね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新垣結衣という奇跡

2018-07-09 00:18:38 | 
シャンシャンが1歳になったころ、ガッキーは30歳になった
これだけ長らくアイドルを通した女性を僕は知らない

彼女の景色を目が欲しがる
彼女の声を耳が欲しがる
彼女の潤いを喉が欲しがる

女優の階段を上るために捨てざるを得ないものがある
時の呼吸を重ねるごとに削られるものもある
どれだけの才能を持った者でもそれを手放す日が来るのだ
それでも彼女は未だにアイドルを降りていない
新垣結衣という奇跡は慈悲深い、少しだけ長い夢なのかもしれない


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勇気よ

2018-07-07 19:55:47 | 
数限りなく振り絞ってきた勇気たち
それらは凶器となって僕に襲い掛かった
怖いものを知るたびに、人は老いてゆく

それらは世界中に散らばっている
狂人の前に立ちふさがる勇気
小さな命を預かる勇気
立ち向かう勇気
受け入れる勇気
自死する勇気
呼吸を続ける勇気

それらは美しく残酷で
必要であり、不必要な厄介なもの
人はそれらを時に抱え、時に捨てた

勇者には明日がある
勇者でなくとも明日は来る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

少年棋士とベテラン棋士

2018-07-06 05:58:02 | 
藤井聡太七段の111手目を見て
豊川孝弘七段はしばらくして投了した
天才棋士の老獪な指しまわしに豊川は悔しさをにじませた
藤井の駒台に無造作に散らかる駒たちが彼が少年であることを物語るだけ
恒例のインタビューが始まり、藤井はいつもの様にはにかんで答える

質問が豊川に移った
半日以上盤上で火花を散らした疲労を浮かべながら豊川は言った
「3回りほど違うのかな。年甲斐もなく、今日は先手を持ちたいと思ってたんですがね」
振り駒は豊川の気持ちも知らず、藤井の先手を選んだ

「いや、完敗ですよ。長渕剛ですよ」
得意のギャグにも、敗れた勝負師の寂しさは染みついていた
そしてこうも続けた
「最近は成績もさっぱりでしたけど、藤井七段が現れて、また将棋が楽しくなった」
天才棋士の出現への闘志と感謝を素直に口にした

最後にもう一度「いや、完敗ですね、長渕さんですね」と独り言のように話した
古びたギャグに意味が解っているのかいないのか、藤井は豊川の言葉を穏やかに聞いていた
盤上を挟んだ二人の姿は引き止めたい思いを振り切って、手の届かない場所へ離れていく父と息子のようでもあった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ストレスのたまりやすい人の特徴

2018-07-05 08:59:00 | Weblog
昨日、NHKの「ガッテン」を何気なく見ていました。唾液が出なくなると様々なデメリットがあるという内容でした。その中でストレスに弱い人の傾向があるという話になり「右脳に多く血流が流れている人」というキーワードがありました。自分もパニック障害になるぐらいですからストレスに弱いと思われますが、昨日から頭を左に傾け、左脳に流れるよう努めています(笑)

それはともかく、昔からどうして一流の作家の多くが自殺するのか不思議でした。芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫、川端康成。今にして思うとセロトニンが少なかったのではないかと推測します。川端康成などはノーベル文学賞までもらって、結構な年齢だったと思います。こうしたことと、遺伝、環境、そして昨日知った右脳型人間などいくつかの事柄が絡まりあってストレスがたまりやすい人が存在するのだと考えます。

今から20年以上前、長嶋茂雄さんが何人かの話題の人と対談する番組がありました。その一人に将棋の羽生善治さんがいたのですが、長嶋さんと羽生さんは右脳の話で盛り上がっていました。二人ともイメージする力に優れていて、右脳型の人だと思われます。それはそれぞれの職業には大きくプラスに働いたのは間違いないでしょう。しかし、右脳型にもマイナス面はあるんですよね。

長嶋さんは世間的にはストレスに無縁な人と思われがちですが、選手生活の晩年、自律神経失調症に苦しめられました。付け加えれば、それが息子の一茂さんのパニック障害につながった可能性はあると思います。

羽生さんはいまから15年ほど前、渡辺明という10代の新鋭とのタイトル戦で突然、手が大きく震えだしました。一度そうした状況に陥ってしまうと、簡単に治ることはなく、今でも勝ち筋が見えた時、つまり緊張と興奮が最も高まるときに羽生さんの手は震えます。

上記に挙げた著名な作家や長嶋さんや羽生さんなど、右脳型人間だから成し遂げられたこともあるのですが、難点としてはストレスへの耐性が弱いことです。

では右脳型の人たちはどうすればいいのか?一つの方法として、何かに集中するといいようですね。例えば趣味に没頭する。楽器でもクロスワードパズルでも何でもいいからそれに没頭する。その瞬間は悩み事が頭から離れているので、精神的にプラスにはなるでしょう。できればメンタルの病気になる前に、こうしたことでうまくストレスと付き合っていくことが、大切な気がします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

W杯、日本×ベルギー・藤井聡太が反則?

2018-07-02 18:43:47 | Weblog
サッカー日本代表のポーランド戦での策には賛否が沸き起こりましたね。西野監督は非常に難しい判断を迫られた末、思い切った手を打ちました。退屈な試合だったのは間違いないし、もやもや感は残りますが、責任は全部自分が引き受けるという西野さんの覚悟は伝わってきました。紙一重での決勝トーナメント進出。日本からみるとコロンビアがよくリードを保ってくれたというしかないです。

国民に残るもやもやを薄めるために大事なのは、今日のベルギー戦です。ポーランド戦で温存した主力メンバーを先発に戻すことになるでしょう。僕の予想はベスト8進出の可能性は30%。勝つとしたら1点差。あるいはPK勝ち。負けは惜敗から大敗までいろいろあると思われます。地力は誰が見てもベルギーが上ですが、日本には失うものは何もない強みがありますね。

問題は放送時間帯です。午前3時。僕はうつ病を持っているので、眠れない、あるいは目が覚める確率は高いのですが、布団から抜け出して見る気力があるかどうか(笑)

将棋の竜王戦本戦の増田康宏六段と藤井七段との対局で、ちょっとしたアクシデントがありました。時間に追われた藤井七段がいったん駒を離して、またそれをすくい上げ、違う手を指したらしいのです。僕は終盤を見ていました。増田君が何か藤井君に話しかけ、盤面を指差した場面があったのですが、僕は局面に集中していて「藤井君、苦しいなあ、慌てているなあ」と思ったくらいで、大したことには見えませんでした。しかし、厳密にいえば反則となるかもしれません。今の時代ですから、その場面がネットで拡散したようで、最悪、藤井君に何らかの処分が下される可能性もなくはないですかね。まあ、厳重注意ぐらいのところで落ち着くでしょうが。

藤井君の出現で、斜陽産業だった将棋界が蘇ったのは間違いありません。実力も今やトップクラスでしょう。インタビューの応答などを聞いていても、聡明な少年です。ただ一つ課題があるとしたら、対局中の品格がまだ人気、実力に追い付いていないことです。15歳ですからね。ただ、これを契機に少しずつ対局中の品格を高める意識を持ってくれたらと願っています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする