にわかに信じがたい分析です。しかし清水内閣府参与が内閣府の自殺対策会議で5月の自殺者急増の原因について「人気女性タレントの自殺とそれに関する報道が考えられる」と指摘しました。
根拠は今年初めからの自殺者数は1日平均82人だったが、上原美優さんの自殺が報じられた5月13日からの1週間は1日平均124人に増えた。そして増加分の半数以上が20代、30代が占め、女性の伸び率が高かったという事だそうです。
アイドルの自殺というと僕の世代で真っ先に思いつくのは岡田有希子さんの自殺です。当時、彼女は18歳で人気の絶頂にいました。しかし突然、ビルの屋上から飛び降り亡くなりました。彼女の後を追って自殺する人が続出して社会問題にもなりました。
しかし、今回のように自殺者が前年比で2割も増加してしまうような事はなかったはずです。アイドル、タレントとしてのポジションもポスト松田聖子を期待された岡田さんと必死に芸能界にしがみついている上原さんでは全く違います。人気面だけで見れば熱狂的なファンの数は岡田さんは上原さんの比ではありませんでした。
勿論、清水氏の分析が正しければという仮定での話ではありますが、ならば何故、上原さんの自殺がこれだけ大きな影響を与えたのか?メディアの報道には問題はあります。特に大新聞、民放テレビ。しかし、これはいまに始まったことではありません。その他に社会や人の心の変質があるのではないでしょうか。家族、地域の絆がますます希薄になっているうえに、うつなど精神を患っている人が圧倒的に増えたため、何かのきっかけで死を選んでしまう事はありえるかもしれません。それだけ生死の境目が薄まってきていて、生きている実感が薄い人が増えているのはどうやら間違いないようです。
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