ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

団地のふたり

2024-11-05 11:56:05 | ドラマ
NHKBSで放送された小泉今日子と小林聡美のダブル主演の「団地のふたり」が最終回を迎えました。団地という郷愁を誘う場所に主演の二人を始め、個性的な住人たちが見事にはまっていました。原作は藤野千夜の小説「団地のふたり」。

小泉さん演じる太田野枝。通称ノエチは独身で大学の非常勤講師。そして小林さん演じる桜井奈津子。通称なっちゃんはイラストレーター。といっても開店休業中のようなものです。二人は60年近く前に建てられた夕日野団地に住む幼稚園の頃からの幼なじみです。
子供部屋おじさんこと「こどおじ」とは成人しても、まあ、現実的には30才前後になっても実家を出ず、こともの頃に与えられた部屋で暮らす大人を指します。私もパニック障害の症状が強く出ていましたが、20代後半には1人暮らしを始めました。やはり周囲の目が気になり、かなり無理をしてアパートを借りました。

ノエチもなっちゃんも実家暮らしの「こどおば」です。ノエチは結婚時に実家を離れましたが、離婚して団地に出戻りました。でも二人が団地に住み続けたくなるのも分かります。凄く居心地が快適なのです。高齢化で70代、80代の人が多く、ノエチやなっちゃんを小さい頃から可愛がっていた人たちもまだ多く残っています。ノエチとなっちゃんもここでは若手ですから、高齢になったおじさん、おばさんたちの困り事、頼み事に応えています。一方、未だに彼、彼女らにお年玉をもらったりもします。とにかく人間関係が理想的なのです。

ノエチは両親と同居していますが、実際のところなっちゃんの自宅に入り浸っています。なっちゃんの母親が親戚の面倒をみるために離れて暮らしています。すでに父親はいないため、ノエチにとっては非常に居心地が良いのです。特にベランダで二人がくつろいでいる場面は、見ている側も心が穏やかになります。まさに持ちつ持たれつの理想系。
のんびり寝転がってドラマを見たい方には「団地のふたり」はうってつけです。続編にも期待したいです。

「団地のふたり」が午後11時前に終わり、11時から「坂の上の雲」の再放送が始まるのですが、この切り替えで、急に背筋が伸びる思いです。モッくんも菅野も若かった。
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棋聖戦 藤井vs山崎/ドラマ「366日」

2024-06-18 14:41:18 | ドラマ

昨日は珍しい事に仕事が忙しく、自宅に戻った頃には棋聖戦第2局は終了していました。アベマTVなどを見ると、結果が安易に分かってしまい味気ないので、初手から棋譜で再生しました。

 

山崎八段も第1局とは違い、力を発揮したと思います。しかし、それを上回る藤井棋聖の素晴らしい指し回しでした。それにしても、久し振りに藤井さんの野性味溢れる将棋を見た思いです。勝利に繋がる細い細い橋を山崎さんの揺さぶりにも動じず、見事に渡り切りました。

敗れた山崎さんも、久し振りに彼にしかできない独創的な将棋が光りました。藤井聡太以外の相手なら、得意の逆転術が決まっていた可能性は高かったと思います。人間的にも魅力のある棋士なので、このタイトル戦をきっかけにもう一花、ふた花咲かせて欲しい。

藤井さんはとにもかくにも二日後に迫った伊藤匠七段との叡王戦最終局に注目です。

 

そうこうしているうちに時刻は9時を大幅に回っていて、月曜日だった事を思い出しテレビをつけました。いつからか僕は月曜9時になると、広瀬アリスの幸せを願うようになってしまったのです。

 

昨日が最終回だったドラマ「366日」。HYの名曲「366日」の世界観をドラマ化したものです。

高校卒業から10年以上を経て同窓会で再会した明日香と遥斗。それをきっかけに交際することになるのですが、遥斗が事故に遭い、記憶を失ってしまいます。仕事に復帰したものの思うようにはいかず、気丈に支える明日香に対しても、次第に重荷を感じるようになります。僕にはその気持ちが痛いほど分かります。

しかし全体としては、明日香と遥斗を温かく見守る高校時代の友人たちを含めた様々な人々の存在が、見る者に静かな感動を与えてくれます。CMが入ると「早く続きが見たい」と久し振りに思わせてくれた心地よいドラマでした。

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「どうする家康」 有村の「瀬名」、北川の「淀君」

2023-11-24 12:43:50 | ドラマ

私が初めて見た大河ドラマは滝田栄主演の「徳川家康」です。あれから40年。戦国好きなので、今年の「どうする家康」もおおよそ視聴しています。日本シリーズで2週間ほど遠ざかりましたが、まだ関ヶ原は終わってなかったので、秀吉の死後から関ヶ原に至る過程を丁寧に描いていたようです。

 

主演の松本潤ですが、信長に白兎と呼ばれる気弱な家康でスタートしたので、綺麗な顔立ちの松本さんは似合っていたのではないかと。それなりに新たな家康像を形成しつつあるのではないでしょうか。個人的には本田正信役の松山ケンイチの脱力演技が気に入っています。

 

ドラマとしての評価は5段階中3といったところ。昔の合戦シーンの迫力は近年は全くありません。これは現在の放送コードが厳しく、仕方のないところです。

それよりも、家康と正室の瀬名の描き方に違和感がありました。彼らが別居しているのは仲が悪かったからですが、ここでは瀬名が息子夫婦が心配だからという理由で別居しているのです。家康と瀬名は仲睦まじいと。

そして、こともあろうに瀬名が「争いのない平和な世」という当時としては考えにくい理想を掲げ、その理想に武田方の一部が賛同するという荒唐無稽な話をこしらえました。

何故こうなったかと言えば、脚本家がお花畑が好きだったからか?いや、それよりも瀬名役が有村架純だったからではないかと思います。私は有村さんは好きな女優ですが、彼女は対立とか、切迫感を表現するのが苦手です。そのため、苦肉の策として、こうした脚本にしたのではないかと推測します。

また本能寺の変の描き方も中途半端でした。本能寺は男優の大きな見せ場。信長役の岡田准一も不完全燃焼の思いはあったかもしれません。明智の大軍を前にわずかな手勢を率い、信長奮戦もついには矢つき刀折れ、「人間50年、化天の内をくらぶれば」と舞って、城に火を放つまでの流れは、もはや様式美にまで昇華しています。このシーンがないのはいかにも寂しい。

 

放送も残りわずかとなりましたが、淀君役の北川景子に期待したいです。これまで夏目雅子、樋口可南子、松たか子、竹内結子ら幾多の名だたる女優が演じてきました。

北川さんは淀君の気性の激しさやプライドの高さを上手く表現しています。この後、大阪の陣にかけて、男勝りな反面、女性としての弱さや、三度目の落城の悲哀をどこまで表現できるかに期待したいです。

 

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「最愛」主演 吉高由里子の魅力

2021-10-23 11:41:09 | ドラマ

吉高由里子が初めて目に留まったのは「白い春」というドラマでした。ふんわりとした雰囲気の中に不意に垣間見せる真の強さが印象的でした。

その後は順調に主演級の女優に成長していきました。

 

世間的には「ガリレオ」や「花子とアン」が代表作として扱われるでしょうが、個人的には初期の「美丘」、最近では「危険なビーナス」が好きです。

危険なビーナスというタイトルは吉高さんにぴったりです。彼女にはミステリアスな魅力があります。それに原作が僕が好きな東野圭吾、ヒロインが吉高さん。そして彼女の役名が楓で、スピッツの名曲を思い起こします。これだけ揃うと、ドラマ離れしている僕も観ざるを得ません(笑)

 

吉高さんの同世代の女優は豊作です。綾瀬はるか、上戸彩から同世代とすると逸材揃いで、スター性では綾瀬さん、北川景子、新垣結衣などが思い浮かびます。そういう意味では吉高さんには女優という言葉がしっくりきます。個人的に女優は作られるものではなく生まれるものという感覚があって、上の世代では松嶋菜々子、広末涼子はスター、菅野美穂は女優。吉高さんにも同じ印象があります。

 

「最愛」もタイトルと吉高さんに惹かれて観ています。さすがに吉高さんも女子高生役は厳しかったですね(笑)。20代を演じるなら問題ないですけど。

15年の歳月を行きつ戻りつしていますかさ、地方から都会、庶民から上流、姉弟の絆、殺人事件が絡み合い、面白くなりそうです。

それにしても、時が流れ、様々なものを背負った主人公.梨央の気高さ、美しさ、その奥底にかつての優しさが潜んでいる心の有り様が吉高さんの姿を通して見える気がします。

吉高さんはナンバーワンと言うよりオンリーワンの女優。今後の彼女の演技が楽しみです。

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菅野美穂が久しぶりに主演

2021-01-14 10:42:51 | ドラマ

昨日、菅野美穂主演ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!」がスタートしました。水曜10時枠は現在の菅野さんのホームグラウンドとも言えます。

脚本は北川悦吏子。菅野✕北川コンビは今までに記憶がありません。ジャンルとしてはラブコメディーです。母娘を中心に物語は展開していくのですが、菅野さんの娘役に新進女優の浜辺美波が起用されています。綺麗な女優さんですよね。しかしこのドラマでは浜辺さんは黒縁メガネのオタク役です。

菅野さんはと言えば、恋愛小説家で、ある意味では脚本の北川さんの分身のようでもあります。ドラマの内容は気軽に入っていきやすく、登場人物も多彩です。大きなテーマとしては母娘の強い絆なのだと思います。今後の展開が楽しみです。

 

菅野美穂という女優は、松嶋菜々子のように憧れの目を向けられるスター型ではなく、人の心に寄り添う伴走型なのだと思います。今はコロナ渦の真っ只中。こうした時こそ必要不可欠な女優ではないでしょうか。菅野さんを見ている時だけは自分が背負っている荷物を少し下ろすことができるという人も少なくはないと思います。

私もそのひとりです。世紀を跨いでの菅野ファンなので、40代の顔になったなあと思う反面、若い頃の面影も多分に残していて、感慨深いものがありました。

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「同期のサクラ」最終回

2019-12-19 19:12:27 | ドラマ
「同期のサクラ」もついに最終回を迎えました。椎名桔平演じる副社長になった黒川の誘いで、再び花村建設に戻ったサクラ。彼はサクラに重要なポジション、つまり力を与えました。以前から思っていましたが、黒川は態度や言動は淡々としているものの、随分、サクラを気に入っているというのは漠然と感じていました。黒川とサクラが二人三脚で社内を改革しようとしている姿は、黒川が彼女を利用しているように見える反面、父と娘のようにも映りました。
同期たちは、仲間よりも黒川に与えられた力の行使に夢中になっているサクラを心配します。彼らの忠告を受け入れなかったサクラですが、自ら実権を握り、他社との合併を推し進め、リストラを断行しようとする黒川のやり方に疑問を抱くようになります。

自分を取り戻し、辞表を黒川に渡すサクラ。それと同時に何故、そこまで自分にこだわるのかを問いました。黒川はバレリーナを夢見ていた娘を8歳で亡くした過去、そして娘と同い年で誕生日まで同じだったサクラが入社当時に夢を語った時、娘と重なったと答えました。胡散臭さはあっても、皆に喜んでもらえる建物を作る情熱、サクラに対する愛情に嘘はありませんでした。
サクラは平泉成演じる老社長が経営する花村建設の孫請けの会社で働くことになりました。黒川はその会社を潰すような行為はしないでしょう。むしろ力を貸すことはあっても。

ドラマを通じて、ストーリーもよかったですし、主演の高畑充希の演技も冴えていましたが、他の同期たち4人を演じた若い役者の演技も光りました。イケメンばかり揃えなかったのも現実感があってよかったです。「同期のサクラ」という作品の力が役者に光を当てたともいえます。
「私には夢があります」。月並みで照れ臭い言葉ではあるけれど、サクラが声を張ってそれを語るシーンが好きでした。

僕らはきっと待ってる、君とまた会える日々を。さらばサクラ。
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「同期のサクラ」第9話

2019-12-12 18:54:54 | ドラマ
2019年12月。ようやくサクラは目を覚ましました。勿論、同期たちは大喜び。リハビリ期間を経て、就職活動に精を出します。しかし、サクラはありのままを話し過ぎて、何度も不採用になってしまいます。就活の合間にコンビニで働いても、マニュアル通りには動けない、また動かないためにクビになってしまいました。確かにコンビニ店員には向かないですね、この子は。でも何より元気になってよかった。

そんな時でもサクラは仲間たちを心配します。それぞれの悩みの解決法を伝えようとするのですが、すでに彼らはサクラと同じ考えを持っていて、それを実行していきます。サクラはがっかりしたようでしたが、この10年で彼女の言葉を栄養にして、同期たちが成長した証でもありました。

夢破れたサクラは、故郷に帰ることを決意します。しかし、同期4人は強硬に反対します。そして新人研修の時に建物の模型をサクラに褒められた社員が、その言葉を励みに試行錯誤を繰り返しながら、着工にこぎつけた建設現場を見せます。サクラは感動し、再び都会で夢を追いかけることを決意したのです。
それにしてもサクラの高校時代の黒縁の眼鏡をかけた高畑くんはひじょ~に眼鏡美人ですね、ええ。掛布さんじゃないですが(笑)

最終回はサクラが会社に戻ったはいいけれど、どうも不穏な雰囲気ですね。最も権力が似合わない女がそれを握ったら。名選手、必ずしも名監督ならずとも言いますし。最終回、このドラマがどんな着地を見せるのかひじょ~に楽しみです。
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「同期のサクラ」第8話

2019-12-05 19:38:02 | ドラマ
「同期のサクラ」第8話、見ました。故郷に橋を架ける夢が破れ、最愛の祖父の死が重なり、大きなショックを受けたサクラは会社に行かなくなり、生きる気力も失ってしまいました。まあ、ある意味よくあることなんですけどね。夢が破れた経験は多くの人にあるでしょう。そして、じいちゃんの死は孫より祖父が先に亡くなるのはごく自然なことです。
しかし、サクラは性格があまりにも真っ直ぐなため、普通の人に比べて柔軟性がなく、心が折れやすいタイプなのでしょう。同期たちはあの手、この手でサクラを元気づけようとしますが、彼女の電源はオフのままでした。生きていくのは辛いよね、サクラ。

サクラが意識不明のまま病院のベッドで寝ている理由もわかりました。ボールを取り行こうとして車の前に飛び出した子供を、サクラが身を挺して救ったのです。ドラマにはありがちな設定ですが、人一倍、他人を思いやる気持ちの強い彼女だからこそ、自らの命を投げうって子供を助ける行動を起こしたことに説得力がありました。

そして、ついにサクラが意識を取り戻しました。これでいよいよ物語が過去から現在に移ることになりそうです。すでに会社からは解雇されており、悪戦苦闘の日々が始まると思いますが、何か希望のある終わり方になる予感がしてきました。
ドラマのクライマックスに流れる森山直太朗の「さくら」。もはやこの曲以外に「同期のサクラ」の主題歌は考えられないというほど、ドラマと見事に同化しています。

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「同期のサクラ」第7話

2019-11-21 18:53:46 | ドラマ
「同期のサクラ」第7話、見ました。前半の5話は同期の青春群像に重きを置いて描かれていましたが、ここにきて、にわかに展開が重くなってきました。良くも悪くも遊川脚本らしいのですが。

サクラの故郷の島に架かる橋が地元住民の間で「安全性に問題があるのでは」との不安が生じているのを払拭するため、会社側は説得役にサクラを選びました。しかし、橋の強度が万全でないことを知ってしまったサクラは動揺します。

また同期の4人も駆けつけ、サクラの実家に寝泊まりするのですが、サクラの唯一の肉親である堅物の祖父が、自らは余命いくばくもないことを知り、同期たちに土下座して頼むのです。「サクラをよろしくお願いします」と。僕は遠い昔を思い出しました。中学生の頃、友人と2人で、もう1人の友人の家の前で彼が出てくるのを待っていました。すると、たまたま庭にいた彼の父親が「息子と仲良くしてやってください」と言ったのです。中学生のガキに向かって。まだ大人が子供を物扱いされることが多い時代に。サクラのじいちゃんの姿を見て、埋もれていた記憶が蘇りました。ドラマにはそうした力もあるのですね。

そのサクラのじいちゃんは死んでしまいました。もうファックスは帰ってこないのです。そして故郷の島に橋を架けるという夢もサクラは自ら断ち切りました。一途さと優しさを持ち合わせるサクラの決断でした。最愛の祖父と長年の夢を一気に失ったサクラの心は壊れてしまったようです。その過程の高畑充希の演技は素晴らしいものがありました。サクラの無念が画面一杯に伝わり、高畑さんはどこかに消えてしまったかのようにサクラになり切っていました。視聴率も12%を超えました。これは名作になるかもしれません。



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「同期のサクラ」 第3話

2019-10-24 22:50:59 | ドラマ
日本シリーズ延長で1時間近くスタートが遅れた水10ドラマ「同期のサクラ」。久しぶりに11時台までテレビを見ました。第3話は高畑充希演じるサクラと橋本愛演じる百合とのぶつかり合いと友情がテーマでした。

全く空気の読めないサクラに対して、百合は逆で誰に対しても空気を読み、ストレスをため込んでしまうタイプ。実際には後者のほうが遥かに多いと思います。せっかく自分が積み上げてきた人間関係を壊してしまうサクラに百合は怒りをぶつけます。しかし、百合がサクラにぶつける怒りには羨望も含まれているのだと思います。組織人としては比べるまでもなく百合が優秀で、サクラは失格です。実際に彼女のような人がいても、組織では蚊帳の外でしょうし、残念ながら殆どの会社では不必要な人材と言えます。サクラのような人は自分が好きなことを徹底的にできる環境でこそ能力を発揮するタイプです。

日本シリーズは終わりましたが「ここはサクラ、バントで1塁ランナーを2塁に進めろ」と椎名桔平がサインを出しても「いえ、ここは私が打って大量点につなげたほうが得策です」として、結果はどうであれ「あいつは使いにくいな」となってしまいます。彼女は成功も失敗も自分で背負う個人競技向きですね。そのサクラがフィクションを生かして、会社に居座ります。組織の中では本音を抑えている視聴者はサクラの言動に、スカッとしている人も多いのではないでしょうか。

人間関係に疲れ、結婚という逃げ道を使い、会社を辞めようとする百合に対し、サクラは渾身の思いをぶつけます。最後に「いい友人を作ってください」とサクラは会社から出ていこうとする百合に叫びます。その言葉は彼女に深く刺さり、薄々、感じていたサクラに対する強い思いが、本物の友情に変わりました。BGMに流れる森山直太朗の「さくら」が感動に深みを持たせます。

人はどうしても同じような考え方をする人と繋がりを求めます。お互い理解しやすいですからね。しかし、サクラと百合のような正反対の人間がぶつかり合いながら、自分の弱点に気づき成長していく。エネルギーはいるけれど、特に若い人には大切なことかもしれません。それにしても2人の若手女優のやり取りは迫力がありました。
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