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ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

寛容

2017-02-27 19:49:41 | Weblog
今まで、どれだけの人間に裏切られてきただろう

甘い言葉を口にする人もいた

薄皮のような優しさを振りまく人もいた

それらはすべて、憎悪を膨張させるために存在する


僕は裏切った人間に何もしなかった

殺しもしなかった

それどころか、幸福になる権利さえ与えた
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奪われた女優の夢

2017-02-21 21:12:28 | Weblog
昨年の5月に起きた、東京小金井での芸能志望の女子大生刺傷事件。被害者の富田真由さんは、一時心肺停止になり、その後も意識不明の状態が長く続きました。加害者は彼女のファンを名乗り、SNSなどで執拗な嫌がらせをしていた男でした。

彼女は意識を取り戻したものの、当然、後遺症は残っているようです。PTSDなど心的なものもあれば、何十箇所も刺された傷跡も、色濃く残っていると思われます。富田さんは女優志望だったそうですが、おそらく顔にも傷が残ってしまっているのでしょう。「悔しいけれど、女優の夢は諦めるしかない」と話しているそうです。

彼女の心情を考えれば、夢を失った悔しさとともに、加害者の男に対する恐怖が、強く残っているに違いありません。被告は被害者が生死をさまよいながらも、結果として命を取り留めたので、殺人ではなく、殺人未遂となります。それほど重い判決は下らないと思われます。何年か後に彼は自由の身になるわけです。

個人的には、その時にGPSを取り付けるべきではないかと考えます。彼が現在どこにいるかを警察が把握し、被害者の富田さんに知らせることが、彼女の恐怖感を少し軽減する役に立つはずです。GPS監視はフランス、ドイツなど多くの先進国で取り入れられ、日本でも導入が検討されています。こうした時に似権派が強硬に反対するわけですが、確かに問題はあるでしょう。ただ、被害者の保護と、再犯の恐れのある加害者の人権。どちらを優先するかということです。

これは高齢ドライバーの免許停止にも言えます。高齢者の利便性と人命。どちらも大事だとは思いますし、そうした高齢者に配慮することも必要です。むやみに75歳で免許を取り上げることには慎重であるべきです。しかし、どちらを優先すべきかと二択で問われれば、僕は人命です。面識のない高齢ドライバーの老化による運転ミスによって、奪われてしまう命を救うほうに重きを置きます。

最後に富田さんは、歌での表現は続けたい意思を持っているようですから、まだ若いことですし、夢を追いかけてくれればと思います。
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ZARD論

2017-02-20 21:13:14 | Weblog
いま僕の習慣は、日9ドラマ「アライフ」を見る事と、毎日のようにコタツに入り、ZARDを聴く事です。聴いてるうちにうとうとして、目覚めたら、夜中の2時3時というのが、最近の流れです。

僕にとって、1989年というのはパニック障害という原因不明の地獄に落ちた年でした。また世間では元号が昭和から平成へ移り変わった年でありました。

昭和天皇が崩御された時、レンタルビデオ店が空前の賑わいとなり、またこの年、「ザ・ベストテン」が終了しました。共通するのは個人主義の増大。皆でテレビを見る時代が終りました。
例えば、ベストテンの今週の第1位を、家族なり兄弟姉妹で見るということが、面倒になってしまった。音楽を聴くなら、自室にこもり、独りで聴くという流れが完成されつつありました。

この流れに乗ったグループのひとつが、1990年代初頭に台頭したZARDでした。「負けないで」「揺れる想い」などが次々とミリオンセラーとなるビッグヒットを記録していきます。

ZARDといえば何といっても坂井泉水です。ボーカルは勿論、作詞も担当しましたが、古くはユーミン、中島みゆき。その後の宇多田ヒカル、椎名林檎と比較してしまうと、彼女の詞はあまりに等身大で、庶民的でした。ありがちな言葉が並んでいます。

では坂井さんが詞に対して思い入れがなかったかと言えば、そうではないのです。レースクイーン時代の同僚、岡本夏生が「彼女はいつも詞を書いていた。ノートに書き溜めていた」と語っているように、まだ手書きの時代、書いては消し、書いては消しを繰り返していたのでしょう。一見、凡庸に写る言葉たち。では彼女はどこに拘ったのか?それは、自らの気持ちを忠実に再現することだったように思います。

詞の才能は、上記の歌姫たちに及ばなかったかもしれない。彼女の天分は、やはりその美貌と美声にあったのではないでしょうか。僕は美人薄命という言葉から、女優では夏目雅子、そして歌手では坂井泉水を思い浮かべます。今にして思えば、彼女の憂いを含んだ表情は、やがて訪れる悲劇を連想させるものだったのかもしれません。

坂井さんの等身大の詞は、織田哲郎らのメロディにのせて、彼女自身の声で表現することにより、大きな共感を生み出しました。彼女がこの世からいなくなったいまも、力強く生きていて、多くの人を励まし、背中を押しています。そして、これからも永遠に。
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すべては今日がきっと

2017-02-18 21:14:20 | Weblog
昨日破れた夢は、明日の夕陽を美しくする

すべては今日がそうしてくれる


昨日の美しい少女は、明日には姿をくらます

少女の場所には老婆が佇んでいる

すべては今日がそうしてしまう


昨日の深い悲しみは、明日の静かな優しさとなる

すべては今日がそうしてくれる


昨日の割れんばかりの喝采は、明日の怒号交じりの失望となる

すべては今日がそうしてしまう


昨日の痛いほどの雨よ

明日の鮮烈な虹となれ

すべては今日がきっと






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真っ赤な悲しみ

2017-02-13 09:09:03 | Weblog
街は人であふれ

喜びであふれ

幸せであふれ

あふれ あふれ あふれ



そして完成した真っ赤な悲しみは

凍える空へ向かって蹴り昇り

やがて落下し、今日を殺した

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パニック障害で異性と付き合うということ

2017-02-11 20:47:08 | Weblog
「僕とパニック障害の20年戦争」を出版して8年。ここに恋愛を記したとしたら、クリスマス前に別れた女性の事だと思うんです。18歳でパニック障害になって以降、クリスマスに彼女がいたことはないです。ただ、バレンタインに本命チョコを貰った事はあります。

一口にパニック障害といっても、症状の重さの違いがあり、また男女の違いもあります。自分の場合は男であり、症状が重かった。この状態で女性と付き合うというのは困難でした。

チョコをくれた彼女との記憶。例えば、彼女とハンバーガーショップに入ります。僕は2つほど頼んだのですが、半分ぐらい食べた頃、急に吐き気を催し、食べる手が止まってしまいました。また、外食の時、椅子に腰掛けるより、和室で畳に座って食べるほうが調子が良かったので、金もないのに、彼女を寿司屋に連れて行きました。ここは、まずまず上手くいったんです。

その矢先、彼女に「レストランで食事したい」と言われ、嫌な予感がしたので「そのうち」と先延ばしにしていました。しかし、いつまでもごまかしは通じません。意を決して洋食屋に入ったのですが、ここで動悸が激しくなり、まともに食事が出来ませんでした。肉料理を食べながら、僕を気にしている彼女の目が、いまだに記憶から消せないでいます。そして「ディズニーランドへ行きたい」などと言われた時には、残念だけど別れるしかありませんでした。外へ出ているだけでも辛い状態な訳ですから。この恋も桜が咲く頃には、終わってしまいました。

18歳から20代の時は、早く年を取りたい、今すぐ老人になりたいと思っていました。パニック障害は治らなくても、友人関係や男女関係での悩みは消えると考えていたんです。しかし実際に中年になり、いまも孤独感があり、また、ほとんどの人が通ってきた全うな青春がない寂しさを感じます。僕は経営している個人店でラジオを流しているんですが、リスナーの月並みな青春を耳にするたびに、気持ちが沈みます。

運悪くパニック障害になってしまって、自分のような思いをしないためには、まず早めに病院へ行く事だと思います。僕がパニック障害を発症した1990年前後は、まだ精神科への敷居が高く、パニック障害という病名を、本人すら知りませんでした。そういう意味では、今の時代は、かなり環境的に整備されていると思います。症状が軽い場合は別として、ある程度、重い場合、病気が原因で大学なら中退、会社なら退職を考える状態なら、病院へ行って、適切な治療を受けるのが最善と考えます。僕は病院へ行くまで14年かかってしまいました。
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僕らは今日にしか死ねない

2017-02-10 21:51:14 | Weblog
見知らぬ少女が死んだという

外国で戦渦に巻き込まれたのではなく

事件や事故でもなく

闘病生活を送っていたわけでもない

元気だった少女が突然、死んだという


不条理という言葉が浮かぶが、少し青くさい

もう長いこと生きてるんだから


僕らは他の生物との違いを見せつけるため

心に思想や希望

それから理想や尊厳、努力、未来

さまざまな、美しいと感じる物を作り上げてきた

良かれと思い、作り上げてきたのだ

そして、その心の風景を眺め、うっとりしていた


しかし、こうして少女が突然、死んだ時

それらの建物が揺れだし、崩れそうになり、僕らは動揺を隠せなくなる

どうしたのだろうかと?


他の生物たちが、僕らを蔑むような目で見ている

「もう、いい加減分かれよ」と

僕らは明日に死ねない

みんな今日、死ぬんだ

3日後の今日、30年後の今日、50年後の今日


僕らが生命の一員である限り、死は特別なことじゃない

そんなことまで忘れていた。忘れようとしていた

心の埋め立てに夢中になって

そんなことまで忘れていた
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生活保護でパチンコはありか、なしか?

2017-02-08 15:03:59 | Weblog
日本維新の会が提言している「生活保護受給者はパチンコなどのギャンブル禁止」。世間話でもよく話題になります。世の中の関心はかなり高いと思われます。では生活保護でパチンコはありなのか、なしなのか?

感情的には、生活保護の人が銜えタバコでパチンコしている姿を直接目にしたら、当然、いい気持ちはしないですね。これは多くの働いている人もほぼ同じと思われます。

ただ、理性的な視点に立てば、こうした人々を強制的にギャンブルから排除することは、憲法で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」に反するのだと思われます。しかし、どうも釈然としないところがあるのは致し方ないですね。みんな、生活するために、必死に働いているわけですから。寛容な気持ちは生まれにくい状況です。

問題なのは、労働者の最低賃金と生活保護受給額の差が、小さいことです。最低賃金が生活保護を下回っている時期もありました。そのため政府は最低賃金を上げるよう、企業に要請したのです。そこで何が起こっているか?

自分の街で見聞きしていることは、労働時間を30分減らされたとか、機械化を促進し、さらに一人ひとりの仕事量を増やすことで、5人だった現場を4人にするとか、要は企業側は人手は欲しいけど、人件費は増やしたくないという姿勢が見え見えなんです。象徴的なニュースとしてはセブンイレブンが女子高生に対し、欠勤を理由に罰金を課しましたよね。現在の少子高齢化社会では、一部の大企業を除けば、昔のようには会社も利益が出せない状況で、そのしわ寄せは働き手に波及します。

ではどうすればいいのか?国がいくら企業に賃金を上げるよう要請しても、思うようには行きません。よって、国が労働者を救うことが求められます。例えば、旧民主党が出来なかった、子供手当ての労働者版をやるしかないと考えます。額の目安は、働いた方が生活保護を受けるより、明らかに金銭的にも恵まれたと実感できるものであればいいと思います。子育て世帯には更なる手当てが必要です。

問題は財源ですが、これだけの格差社会になったので、やはり、ごく一部の超富裕層の税率を少し上げるだけでも、かなりの税収が見込まれます。勿論、消費増税を組み合わせることも考えるには値します。今はとてもあげられる状況にはありませんが。

働いている人々に金銭的な余裕が生まれてはじめて、それが心の余裕となり、「生活保護でパチンコ?まあまあ、いいんじゃない」といった寛容な気持ちになれるのではないでしょうか。

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A LIFE 、女優陣を 語ってみる

2017-02-06 21:35:03 | Weblog

A LIFE第4話、見ました。50分が早く感じるので、自分には合っているのだと思います。

昨日は木村文乃演じる看護師の柴田に、スポットが当たっていました。医師顔負けの非常に優秀な看護師。しかし、家庭の事情で医師を諦めざるを得なかった彼女は、ナースの道を選ばざるを得ませんでした。そうした彼女の悲哀、また意志の強い役どころを文乃さんが好演しています。
かつて榮倉奈々主演の「蜜の味」で中国人役の駆け出しの医師を演じていましたが、あの時の活発な印象とは、今回は全く別の顔を見せているところに、文乃さんの女優としての非凡さを感じます。若手では実力派ではないでしょうか。キムタクのようなスター型ではありませんが、役になり切る、菅野美穂のような憑依型の女優の可能性を感じさせます。

竹内結子と菜々緒が相対する場面があり、竹内さんが少し可愛そうな気がしました。竹内さんも十分、美人なのですが、ちょっと菜々緒の派手さには(笑)
キムタクのかつての盟友、中居正広の「白い影」で看護師役の時に見せた、タンポポのようなひっそりと咲く美しさが、彼女のひとつの持ち味。今回もそれに近いイメージです。菜々緒のような派手な顔立ちの美人に目が行きがちになるのは、仕方のないところです。それにしても、「白い影」好きだったなあ。

その菜々緒さんですが、美人秘書系の役が良く似合いますね。なかなか彼女のような日本人離れしたスタイルと美貌を兼ね備えた人は少ないので、需要はあると思います。ただ、表情の種類が少ないので、いまの美しさが健在なうちに、女優としての型を身につけられるかが、今後も女優として続けていけるかのポイントでしょう。

物語は病院の屋上で、竹内さん演じる深冬が倒れたところで、終わりました。まだドラマは序盤、ましてやヒロインなので、とりあえず命は取りとめるのでしょうが、医療現場に戻れるのか、そして最終的に彼女の命が助かるのか否かも、このドラマの見所です。
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美術室の女神

2017-02-04 21:57:44 | Weblog
放課後の美術室
二人はいつもの椅子に座り、語らない会話が始まる
僕は大人へと色づいていく君を、白いキャンバスに埋めていく

気がつけばもう春の足音が遠くから
桜の花が咲く頃に僕らの制服は散ることになる

この3年の間にどれだけの人が死んだのだろう
病気や事故や自殺や飢餓や紛争や強制労働で
にもかかわらず、僕たちにとっては穏やかな成熟のための時間だった
僕は描くことで、君は凝視されることで

好きと言えなかった
君は美しくなりすぎた
その輝きに僕は怖気づいた
描けば描くほど、伝えたい言葉は遠ざかっていく
だから僕の君への表現の場はここにしかなかった

さよなら
斜陽降る美術室に佇む女神
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