ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

外国人労働者受け入れ拡大

2018-11-28 19:35:44 | 社会
以前、外国人労働者について記した記憶があったので調べたら、2014年4月に「もはや外国人労働者を受け入れざるを得ない」というタイトルで書かれていました。要約すると「複雑な思いはあるが、それをしなければ経済的後退は目に見えている」と当時は考えていたようです。そして4年半後、政府が大幅受け入れの方針を打ち出しました。野党は反対していますが、この流れは止めきれないでしょう。経団連の強い要請があったと思われます。安倍政権としては経済成長が最優先のため、この方針は自然に見えます。

政権としてはその前に手順は踏んでいました。それが「一億総活躍社会」であり「女性の活用」。しかしそれだけでは高齢化による人手不足は埋まらないから外国人労働者の拡大という流れです。女性の活用という言葉はすっかり聞かれなくなりましたね。やはり労働における男尊女卑は根強く、例えば共働きの夫婦が子育てや介護で、どちらかが仕事をやめなければならないという選択を迫られた時、大概は女性が仕事をやめるということになるでしょう。これは男性ばかりでなく、女性の多くがこのシステムを望んでいるからにほかなりません。だから、向上心が高く「会社を動かす立場になりたい」「定年まで一線で働きたい」という女性にとって日本社会は窮屈なのではないかと想像します。大学の医学部受験での不公平な採点方法は氷山の一角に過ぎないのでしょう。

さて僕自身、4年半前と考えは基本的には変わっていません。しかし、現在のアメリカ、ヨーロッパの状況を見るにつけ、当時以上に思いはより複雑になったような気がします。元来200年も鎖国していた島国なわけですから、欧米に比べても外国人に対する免疫力は弱いと思われます。そして次の段階のAI社会で、今度は人余りの状況になりえます。その時代になると日本人と外国人で少ない椅子の奪い合いになりかねません。そこまで考えたうえで、受け入れの規模については慎重に見極める必要があります。
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秘密

2018-11-27 18:59:10 | 
まだ外には出ないほうがいいよ、寒いから
君は優しく言った
僕はそれに甘えて、しばらく君の心の温かさの中にいた

秋の終わりの世界を君と歩く
落ち葉がふんだんに散りばめられ、アスファルトが見えない
こんなふうに何もかも上手に隠せたら良いのだけれど
君の疑わぬ笑顔が西日に晒されて輝く
僕はそれに応じず俯いた

行き止まりが近づいてくる
君にはそれが見えていない
見えてくる頃には僕はもういない
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藤井聡太が見せた華麗さと泥臭さ、竜王戦

2018-11-26 07:04:29 | 将棋
将棋界は激動の一週間でした。藤井聡太七段は順位戦で増田康宏六段を下して全勝を守りました。しかし叡王戦では斎藤慎太郎七段に敗れ、先週は1勝1敗でした。

まず順位戦の増田六段戦は8手目に藤井七段が本人の意図はよく分かりませんが、本来銀を角の隣にまっすぐ上げる所を右斜めに上がりました。たった1マスの違いなのですが、この手がこの将棋の内容を大きく変えました。居飛車党の増田さんが、藤井君の挑発と取ったのか、あるいは冷静な判断だったのか飛車を振りました。予想外の展開になりましたが、藤井君が次第に優位を拡大し、最後は飛車を横に移動させ相手の飛車にぶつける華麗な手が出ました。これを見て増田六段は投了。この一局は増田さんの内容がよくなかったようですが、振り飛車に動揺することなく快勝した藤井君の冷静さが光りました。

叡王戦は若手実力者の斎藤慎太郎王座との対局。途中、斎藤七段が研究手の角打ちを見せてから、ペースを握り、そのまま最終盤へ。いいところなく土俵を割るかと思われました。しかし、ここから藤井君が驚異の粘り腰で最後は際どい勝負に持ち込みましたが、一歩及びませんでした。敗れはしましたが、華麗さだけでなく泥臭さも兼ね備えていることを改めて証明しました。増田戦の終盤は谷川九段的、斎藤七段戦は若き日の羽生竜王を思い起こしました。それにしても斎藤七段は強いですね。今、A級以外の若手棋士でA級で勝ち越す可能性が高いのは斎藤さんと藤井君くらいしか思い浮かびません。二人とも長時間の対局に強いですからね。

羽生竜王の2勝1敗で迎えた竜王戦第4局。羽生竜王が勝てば王手。広瀬八段としては追いつきたいところです。中盤までは羽生さんの深い研究が実り、大きくリードしましたが、終盤、広瀬さんが驚異の終盤力を見せ、逆転勝ち。これで2勝2敗のタイとなり、第5局が非常に重要な戦いになりそうです。

それにしても1日目に60手以上ですか。コンピューターソフトの影響が大きいのでしょう。そのソフト研究では羽生さんが広瀬さんを上回っているようです。第3局も広瀬さんは苦しい将棋を逆転しました。昔の羽生さんは、序盤から終盤までスキのない将棋で、特に終盤が強く、何度も逆転劇を演じてきました。しかし、今は序中盤型の棋士に変わってきたように思います。序盤、中盤に関してはソフト研究の成果で羽生さんの長い棋士人生の中でも最高の状態でしょう。しかし、かつての終盤力がやや落ちてきたのは否めません。5局目以降も、羽生さんが中盤までどれだけリードを広げられるかが勝負のカギになりそうです。

NHK杯は谷川・森内・羽生という3人の永世名人のそろい踏みでしたね。非常に贅沢な放送となりました。次の20世永世名人は誰になるのか?3連覇中の佐藤天彦か、若き天才・藤井聡太か、あるいは・・・・
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宇宙の隅

2018-11-22 19:34:38 | 
朝の目覚めの不快感
泥沼につかるような倦怠感
新しい日が生まれる絶望感
僕は仰向けからうつ伏せに体勢を変え
ベッドから起き上がることを目指す

一日は長くても一年は速い
熟成された木々の色づき
せわしなく華やぐ街並み
僕は今年の終わりの近づきを意識して
酷暑さえ懐かしく感じた

まして一生など一瞬だ
その中に数え切れぬ出来事が圧縮されて無造作に詰め込まれている
長く険しい今日もやがて終わり
明日には束の間の宇宙の隅で小さく転がっている
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里見香奈快進撃、佐々木勇気・瀬川昇段

2018-11-17 18:47:57 | 将棋
本題に入る前に少し野球と相撲について。大谷新人王、そして侍ジャパンが大リーグ選抜に5勝1敗で圧倒と日本野球のレベルの高さを見せつけました。日米野球に関してはレベルの向上もあるのですが、それ以上に日本が侍ジャパン結成以降、真面目に試合をするようになったというのが大きいですね。それまでは日本がメジャーを接待する感覚で試合をしていましたから。

相撲は稀勢の里の件ですが、3連敗した地点で引退と思っていました。しかし、休場はおろか四日目も強行出場。あえなく敗れ、休場を発表しました。意見は分かれるところですが、僕は引退すべきだったと思います。稀勢の里の気持ちを親方が尊重したのでしょう。大関以下ならそれで何の問題もありませんが、横綱は違います。本人の意思にかかわらず、弱ければ引退しなければなりません。そうでないと横綱の権威の失墜に関わるからです。それでもやると決めたからには、頑張ってほしいですね。

11月17日は将棋の日。だから何だということですけど。里見香奈女流四冠のプロ棋戦での健闘が光ります。先日、長沼七段を破り、これで今期の成績が6勝5敗。白星先行です。凄い。けれどこの成績以上に彼女が奨励会三段に上がった時のほうが驚きでしたね。

今後4連勝すれば、プロ編入試験が受けられます。さすがにそう簡単にはいかないでしょうが、いずれはプロ編入試験の権利を得る可能性は十分にあり得ます。里見さん自身、三段リーグ退会の時点で、プロ棋士への夢はいったん断ち切っていると思います。だからもし資格を得ても、彼女が興味を示さない可能性もありますね。どちらにしても里見さんは今後の将棋界のキーマンの一人だと思います。コンピューターソフトに棋士が抜かれた時は、棋士の存在自体が危機的状況でした。しかし、最年少棋士・藤井聡太七段の出現により人間が指す将棋の面白さ、ドラマ性の価値が再認識されました。そのドラマ性を里見さんは十分持っていると感じます。

佐々木勇気六段は昨日の中座七段との対局に勝ち、竜王戦2組への昇級を決め、規定により七段への昇段が決まりました。終盤見ていましたが、激戦でしたね。本人としては内容は不本意かもしれませんが、とにかくよかった。勇気君は生意気に見える所もあるかもしれませんが、高齢の師匠を気遣う優しい青年で、スター性もあります。彼あたりが藤井聡太のライバルになれば面白いと思うのですが、少し厳しいような気がします。彼が垣間見せる人間味は今のAI時代の将棋に合っていないのかもしれません。それでも才能は奨励会時代から折り紙付き。トップレベルの棋士になることを期待したいですね。

昇段といえばもう一人、しょったんこと瀬川晶司五段が規定により、六段に昇段しました。「次は勝ち星以外で昇段したい」。狙いは勇気君と同じ竜王戦での連続昇級での昇段になると思います。頑張れ、しょったん。

来週は藤井聡太ウィークになりそうですね。順位戦、叡王戦と対局があり、いずれも強敵です。また近々、解説デビューもするそうで注目です。しかし16歳で解説者というのも凄い。これも最年少記録ですかね(笑)
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摩擦

2018-11-12 19:24:42 | 
ヒトはあらかた水とタンパク質と希望と諦めで出来ている
それにうっすら脂肪をふりまけば若い女になり
スーツを与えれば社会の人になり
スマホを持たせれば現代の人になる

それだけのことである
単純明快ではないか
なのになぜこんなにも苦しい
こんなにも哀しい

おそらくそれは数知れぬ希望と諦めが摩擦を繰り返すうちに
心が擦り切れてしまった痛みに違いない
その摩擦は僕の中でまだ終わらない
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沢田研二、谷川浩司 美学とは

2018-11-08 22:13:22 | 人物
谷川浩司九段の昨日の八代六段との対局の棋譜を確認したのですが、相変わらずというか早い投了ですね。一目見た感じではやや不利でこれから本格的な終盤戦という感じでした。もう少し眺めてみると、なるほど見た目よりも厳しい状況というのは分かりました。谷川さんとしてはこれ以上指しても、勝利はないと判断されたのでしょう。しかし、相手が必ずしも正確に指してくるとは限らないし、逆転する可能性はあると思われます。それは谷川さんも百も承知でしょう。相手のミスに期待するのが嫌なのでしょうね。

以前、ある年配の羽生ファンの方と将棋の話をしていて、その方が「谷川さんの将棋は格好良すぎる」と話されたのを覚えています。羽生さんの将棋のほうが泥臭いですからね。だからこそ長年あれだけの高い勝率を保っているとも言えます。なにも藤井聡太君のような場面まで指してほしいとは思わない(笑)しかし、と言いたいところだけど、それが谷川浩司なのだから仕方がない。谷川さんにはこちらが思いつかない気高い美学があるからこそ周囲の棋士たちの尊敬を集め、またその美学が棋士としての支えでもあり、弱点でもあると思われます。


こないだコンサートをドタキャンしたジュリーこと沢田研二。「9000人入っているはずが7000人しか入らない。話が違う」真実は藪の中ですが、これが表立った理由と聞いています。

僕はスーパースターだったジュリーにぎりぎり間に合っています。最終世代ですね。当時の男の子は大概、王貞治の一本足打法と沢田研二の「勝手にしやがれ」での帽子を飛ばすパフォーマンスはよく真似ていました。僕も例外ではありません。もう少し大きくなって、友人の家へ遊びに行き、その子の母親が沢田研二の曲を聴いていました。「おばさんなのにジュリー」。口にしたかはともかくそう思ったことは覚えています。今にして思えば、そのおばさんたちこそ、タイガース時代からの真の沢田研二世代である訳ですが。おそらく、今回のコンサートもそのような世代の人たちがメインなのだと思います。ファンも高齢ですから来るまでに一苦労だった人もいるだろうし、今回が最後という人もいたでしょう。交通費も帰ってきません。これはジュリーが悪い。しかし、そんな事は沢田さんも重々わかっているのだと思います。それでも譲れないものがあったのでしょう。そのために今回のように叩かれることもあれば、だからこそこれだけ長い間、音楽活動を続けてこられたのではないかと思うのです。


永世名人とスーパースター。将棋と芸能。道は違えど、この二人ほど才能に恵まれた人はそうはいないでしょう。一言でいえば美しさ。「もっと楽に生きればいいじゃない」という声も聞こえてきそうです。損得勘定に流されない凛とした佇まい。格好良すぎる人を応援するのも楽じゃないですね。
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秋の壁際

2018-11-04 18:23:23 | 
近頃の夕日は随分と早く消えていく
潔く沈み、美しさをさらに際立たせる考えのようだ

生きる覚悟も死ぬ覚悟も持てぬ僕は
その美しさの中へ吸い込まれたいと願う
しかし夕日はいつの間にか姿を消し
闇を創り上げた

時が進めば進むほど
僕は後ずさりして
いよいよ壁際まで追い込まれた
風が一層冷たくなり
ナイフのように僕の生涯を突き刺そうとしている
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藤井聡太9歳、衝撃の一手

2018-11-02 21:51:40 | 将棋
竜王戦第3局は広瀬八段が羽生竜王を下し初勝利。今期の竜王戦にかける羽生さんの執念、そして研究の深さは想像を絶するものがあると推測します。しかし、唯一、ソフト研究でもわからないのが終盤と言われています。さすがに羽生さんも終盤力の衰えは隠せず、広瀬さんの逆転勝ちとなりました。この竜王戦のポイントは終盤力で上回る広瀬さんが序中盤でどれだけ離されずついていけるか、逆に言えば羽生さんが終盤までにどれだけ差をつけられるかがカギになりそうです。

藤井聡太七段は棋聖戦で村田顕弘六段、今泉四段を破り、2次予選進出を決めました。今泉さんにはNHK杯で負けていますから、リベンジを果たしましたね。

藤井君ファンなら知っている方も多いと思いますが、彼が小学3年の時の素晴らしい一手を記しておきます。対局相手は中澤沙耶女流初段。聡太少年は中澤さんの角打ちで飛車と金の両取りを食らってしまいました。どちらかの駒を逃げているようでは負けてしまいます。ここで泣き出すのかと思いきや、そうではありませんでした。

「両取り逃げるべからず」の格言通り、聡太君も9五角と負けずに打ち返しました。東西南北の西の方向の角。これが桂取りとなっていて、それを放置すれば王手飛車取りとなります。たまらず中澤さんも7三の桂を守るため、7一に香車を打ちました。ここまでかと思いきや桂と香の間の7二に銀を打ち込んだのです。中澤さんは飛車、金、銀、そして打ったばかりの香で取れるのですが、金、銀、香で取るのは飛車の横利きを消してしまい、藤井君の飛車が中澤さんの金を取った上に竜となり、勝負ありです。したがって飛車で取るしかないと思われますが、そこで先ほど打ち込んだ西の角が7三の桂を取り、王手。飛車で取ればやはり横利きがなくなった金が飛車に取られます。仕方なく金を上がって玉を守ってもやはり同じことが起きます。要するにわずか3手で逆転、おそらくこの将棋、ほどなく聡太少年の勝ちとなったと思われます。

すべてを見越して打った9五角。素晴らしい。読んでくれている方にうまく伝わっている自信はありませんが(汗)師匠の杉本七段はあまりに感動し、この図面を書き留めて、事あるごとに他の棋士に自慢したそうです。

頑張れ聡太少年!君なら今日の竜王戦のような大舞台に遠からず立てるはずだ。




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