才能は偏り
バランスの取れた者に才能は寄り付かない
傾きが大きければ大きいほど、高い才能が与えられる。
努力は逃れる行為
地震に備えるヘルメット
不安や緊張、人の目、落胆、貧困、不幸などから逃れるため
人生は喜怒哀楽の積もり
また、流した血や汗や涙の総量
意味があるのかないのかは不明
冬は今の住人
春は冬のアパートをノックする次の住人
冬は無視しているが、ノックの音は次第に大きくなり
やがて力ずくで放り出される
才能は偏り
バランスの取れた者に才能は寄り付かない
傾きが大きければ大きいほど、高い才能が与えられる。
努力は逃れる行為
地震に備えるヘルメット
不安や緊張、人の目、落胆、貧困、不幸などから逃れるため
人生は喜怒哀楽の積もり
また、流した血や汗や涙の総量
意味があるのかないのかは不明
冬は今の住人
春は冬のアパートをノックする次の住人
冬は無視しているが、ノックの音は次第に大きくなり
やがて力ずくで放り出される
求道者になりたい
そこらの路地で鳴く花や、咲く虫のような
求道者になりたい
強い風に吹かれたビニール傘のような
求道者になりたい
人の真似して、田んぼを守る案山子のような
求道者になりたい
世界で何があっても、フォームを崩すことなく、同じ歩幅を維持する時計のような
求道者になりたい
この騒がしい心とそろそろ別れたい
1000メートルのレースを終えた髙木美帆は、最終組の滑りを見つめていた。
オリンピックレコードを記録し、暫定1位
待つ身の高木は、その結果がどうであれ、自らの滑りに満足しているようだった。
そして数分後に金メダルの知らせ
彼女は喜びを素直に表した
団体パシュート決勝で、金メダル目前の最終周に、姉の菜那が転倒。
落胆する姉の隣に腰を下ろし、言葉をかけるでもなく、ただ寄り添った。
初出場のバンクーバーはヒップホップ好きのあどけない中学生だった。
あれから12年
彼女が成長したのは、決してスピードスケートの技術だけではなかった。
長い旅路の果てにたどり着いた北京の金色に照らされた笑顔は、美しかった。
圧巻としか言いようがないです。王将戦は藤井聡太竜王が渡辺明王将を4連勝のストレートで下し、王将位を奪取しました。
これで藤井竜王は王位、棋聖、叡王に王将を加え、ついに5冠王となりました。
第4局を少し振り返ると、渡辺さんが矢倉に組み、藤井君は急戦を匂わせながらの雁木という形に組みました。1日目の形勢は、持ち時間を多く残したことも含め、渡辺さんがややいいのではないかと思われましたが、渡辺さんに決め手を与えず、さらに駒が次第に後退し、終わってみれば藤井竜王の快勝に近かったと思われます。
今日のスポーツ紙の1面は、コンビニで見た限りはすべて藤井君でした。サンスポを買ったのですが、スキーのラージヒルで銀メダルを取った小林陵侑選手が裏1面でした。確かに5冠王は史上4人目の快挙ですが、これまでの感覚ではオリンピックの期間中に将棋棋士が1面を飾ることなどあり得ませんでした。スポーツ雑誌のNumberの表紙にしても。
藤井君だけが何故ここまで将棋の枠を飛び越えたスターになれたのか?勿論、史上最年少棋士、デビューから29連勝、数々の最年少記録など驚異的な実力は言うまでもないのですが、それだけでは人は惹き付けられない。
14才の彼は逆転した対局で「僥倖」という言葉を使いました。19才の彼は今回の出来すぎの結果に対し、「幸運」と言いました。そこに藤井君の人としての成長を見たと同時にクレバーな青年だなと感じました。
将棋での圧倒的な強さと、盤外での頭の良さ。謙虚さ。穏やかさ。このギャップが藤井人気の秘密のひとつではないでしょうか。
朝の光は闇の毛布を容赦なく消し去り
街はみすぼらしい体をさらけ出す
ストイシズムに時は流れ
いつつの輪っかは東京の灼熱から北京の白銀へ
新型はデルタからオミクロンへ
あの人の白髪は増え
あの人は死んでいった
アイツは元気だろうか?
あなたは幸せだろうか?
みすぼらしい体には目もくれず
人々は通りすぎていく
昨年の秋
自らの診療を終えた後、コロナ患者の自宅を回り、診療する医師をテレビが取りあげていた。
それは深夜にまで及び
「どうしてそこまでやるのか」と問われれば
「医師としてではなく、人間として、ひとりの人間としてとにかく助けたいんです。理屈じゃないんです」と語った顔には大量の汗と共に、涙が浮かんでいた。
それから数ヶ月が過ぎ、彼は死んだ。
散弾銃に撃たれ、即死だった。
容疑者は訪問介護の患者の息子
常人なら危険を察知し、この家族を見捨てていただろう。
しかし、彼は違った
自分の命より他人の命が大切なのだ
世の中が不条理であることは知っている
善人ほど早死にすることも
それでも、彼には例外になって欲しかった
埼玉のふじみ野に
人を救うために命を焼き付けした医師が存たことを
忘れやすい自らのために
いまここに刻む