平成も残り2日。明後日はいよいよ令和元年か。今日は平成の歌姫・アイドル女優を振り返ってみたいと思います。
すでにアイドル人気が陰りを見せていた平成元年に「ザ・ベストテン」が終了し、いよいよ昭和的なソロのアイドルという分野が消えかけていました。ベストテン番組が終了し、音楽に飢えた人々がCDを購入し、売り上げ枚数は飛躍的に伸び、ミリオンセラーが続出したのですが、アイドルがそこに加わることはなく、冬の時代が続きました。
個人的には平成初期の歌姫はZARDの坂井泉水です。坂井さんはテレビ出演など露出が少なく、どちらかというと謎に包まれていましたが「負けないで」「揺れる想い」などミリオンヒットを飛ばしました。彼女は自分の素直な感情をそのまま歌詞にしていましたね。また坂井さんほど美しい女性ミュージシャンもそうはいないと思います。その意味でも平成の歌姫でした。美人薄命。若くして亡くなったのは残念ですが、彼女の伸びやかな歌声は今も耳に残ります。
アイドル苦境の平成初期。ここからアーティストとアイドル女優という分野に分かれていきます。アーティストの代表が安室奈美恵、浜崎あゆみ。そしてアイドル女優の代表がヒロスエこと広末涼子でした。広末さんの人気は凄かった。曲を出せば飛ぶように売れるし、大学入学の時も、すごい騒ぎでしたね。人気のヒロスエに対して、実力派のアイドル女優もいました。桜井幸子、中谷美紀や菅野美穂です。広末さんのアイドルとしての人気を不動にしたのがドコモのポケベルのCMだったのに対し、例えば菅野さんだと「イグアナの娘」でした。僕もそれまでは菅野さんの顔と名前が一致するか微妙なところでしたが、その演技を見てこんな凄い若手女優がいるんだと驚きました。そんな彼女も今や二児の母。女優としてももう一花咲かせてほしいところです。
アイドルはその後、男女問わずグループばかりがメジャーになる時代に入りました。女性アイドルではモーニング娘。AKB48が代表格ですかね。そして平成に入って10年が過ぎようかというころ、宇多田ヒカルという歌姫が彗星のごとく出現しました。若干15、6歳の少女が歌い手としてばかりでなく、これだけの歌詞、曲を作れるものかと驚きました。ファーストアルバムの売り上げ枚数の記録はいまだに破られていません。同時期に生まれた歌姫として倉木麻衣、椎名林檎が挙げられます。倉木さんは美少女でしたし、アイドルとしての側面もあったと思います。椎名さんはパンチのある言葉、独特の世界観が印象的です。
その後、アイドル女優として登場したのが深田恭子、上戸彩、綾瀬はるかでした。深キョンが今や美魔女的な扱いを受けていることに時の流れを感じます。上戸彩は演技では「3年B組金八先生」での性同一性障害の役柄が印象的です。綾瀬はるかは今や国民的女優になりましたね。そして新垣結衣、堀北真希へと続いてゆきます。どちらかといえば、新垣さんはアイドル性が高く、堀北さんは女優的な部分を押し出していました。
宇多田後の歌姫というとやや小粒感が否めないと思います。引退した西野カナなど歌姫と呼ばれた人は何人かはいましたが。アイドル女優の方は平成生まれに移り、能年玲奈、有村架純、そしていま朝ドラに主演している広瀬すずなどソロで活動するなら歌手より女優という流れは固定化しました。AKB系のアイドルたちの多くが女優を目指すのも当然なのかもしれません。
歌姫の方ですが、もう平成には宇多田クラスの歌姫は生まれない雰囲気でしたが、ここにきてあいみょんという新たな歌姫が登場しました。歌詞、曲、歌唱力すべてが高いレベルにあり、現代社会に背を向けるような歌詞に象徴されるように個性が強く、それでいてどこか懐かしい。それが彼女が幅広い世代から指示を受ける理由だと思われます。