「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

『絶対、最強の恋のうた』

2009年05月24日 | 今日の1作 

中村航 『絶対、最強の恋のうた』 小学館

登場人物は4人。
4人とも個性的なんだけど、キドさん以外は
なんかわかるなあとか、そういうことある!と共感できる部分が多い。
そして同時に、そういうとこメンドクサイとか嫌だなと思うところもありました。
同族嫌悪かもしれない…。

自分は絶対こういう人間にはなれないだろうと確信してるし
だからこその憧れも含めて
キドさんのワケわかんない説得力が好きです。
人間的にはだいぶモンダイ有りそうだけど
人の背中を押すチカラを持っているところが魅力的。

題名から推測されるように、基本的に恋愛ストーリーなんだけど
それを超越して、「何かに立ち向かうハナシ」として読みました。
「何か」というのは、具体的には
個別に起こった事象ということになるでしょうが
結局はソレに対峙する心の問題なんだな~、みたいな。

「富士山に登れ!」という啓示が
小6国語の教科書に掲載されている『あの坂をのぼれば(杉みき子)』に
通じるものがあると思う。
「富士山に登ることは、終わったその後の何かを突破するってこと」
というような記述があって
その先に見えるものを見たいという気持ちはすごくよくわかります。
だからといって富士山に登ろうとは思わなかったけど。