白雲去来

蜷川正大の日々是口実

一穗の青燈 萬古の心

2015-02-07 18:13:03 | 日記
一月三十日(金)雪のち雨。

横浜にはこの時期に珍しく朝から雪が舞っている。横浜などにいると雪は、何か神様がくれたプレゼントのような気もするが、雪国では雪は格闘して克服するものということを、随分前だが思い知らされた。雪を見ていると、野村先生の代表句、「俺に是非を説くな激しき雪が好き」と、江戸後期の儒学者である官茶山の「冬夜書を読む」の漢詩を思い出す。

雪は山堂を擁して 樹影深し
檐鈴(えんれい)動かず 夜沈沈
閑かに亂帙(らんちつ)を收めて 疑義を思う
一穗の青燈 萬古の心

訳・雪が山中の家をうずめ、樹木も雪に深く掩われている。風もやみ軒の風鈴も動かず、夜は沈々とふけてゆく。
静かにとり散らかした書物を整理しながら、疑問の箇所を考えつづけていると、稲穂のような青白い灯火が、大昔の聖賢の心を 照らし出してくれるように思われてくる。

我が陋屋は、高台にあるので雪が積もると家から出らない。それを良いことに「雪見の酒」とシャレたいところだが、みぞれ交じりでさほど積もる様子はない。こんな日は、読書に限るが本はほとんど事務所にあるので、仕方がないので新聞や週刊誌の切り抜きの整理を行った。

夜は、酔狂亭で月下独酌。
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