
3月16日(日)雨。
若い人たちが中心となって、5日前倒しで私の誕生会を開催してくれた。場所は、西横浜のイタ飯屋さんの「オアジ」。このお店は、とても好きなお店で、店の味はもとより、オーナーシェフとママさんの「人の味」も最高である。12時半にお世話になっている方に迎えに来て頂き、1時少し前にお店着。仲良しさんが25名ほど。この日のために盟友が差し入れてくれたのが「モエシャドン」の「ロゼ」半ダース。それで乾杯。贅沢な話だ。お店に甘えて3時間も長居をしてしまった。解散後に、有志で本牧の「ブギーカフェ」へ転戦。30分ほどいて帰宅。
今日の誕生会に来てくれた人たちの中には、私が20代の頃からお付き合いしている人たちがいる。「ブギーカフェ」もそうだが、所謂、60年代のヨコハマの面影を残している。
1960年代のヨコハマの街を背景に五木寛之が描いた小説、『雨の日には車をみがいて』(集英社刊)。この本には、大桟橋の入り口に今もあるレストラン「スカンディア」や、かつてヨコハマの若者の流行を担った懐かしい店が、大桟橋と共に登場する。「ぼくらは〈スカンディア〉で伊勢海老のテルミドールをたべ、そのあと中華街へいった。〈レッド・シューズ〉にすこしいて、〈コルト45〉の前を通り、大桟橋のほうへ車を走らせた。〈ブルースカイ〉には〈シャープ・アンド・フラッツ〉が出ていた。大桟橋にはギリシャの大型貨物船が停泊していた。海につき出た埠頭の突端に車をとめ、ぼくは揺子と、はじめてキスをした。」(本文より)
現在も営業しているのは「スカンディア」だけになってしまった。中華街にあったディスコ「レッドシューズ」や、やはり中華街の大通り近くにあった、黒人の兵隊がお客の大半を占めていた「コルト45」。石原裕次郎や勝新太郎といった有名人が足繁く通った超高級ナイトクラブの「ブルー・スカイ」も今は皆無くなってしまったが、山下公園を歩くと、「ああここに『ブルースカイ』があったな・・・。と思い出すことがある。私が10代の頃、横浜はアメリカだった・・・。その頃を思い出す。その私も74歳となる。