今週も、気付いたら帝国劇場に足が向いていました。
楽日が近づくにつれ、劇場の雰囲気も熱気を帯びて来ている気がします。
1階席のS席最後列の後ろに設置された補助席も、かなりの数が利用されていました。
今回、A席ながら初の1階席での観劇となり、過去3回観た2階席との違いも楽しみの1つでした。
2階席で解らなかったのか、それとも気付かなかったのかはともかく、司教とバルジャンの間で眉をひそめている女性が森公美子さんだったり、バルジャンが食器を盗んで逃げ、捕まえられたときの群衆の真ん中で知念里奈さんが十字を切っていたりと新しい発見が次々と出てきます。
来週は再び2階席に戻ってしまうのが、残念です。
今回の舞台は、演じている皆さんも観客の雰囲気を察してか、熱い舞台でした。
ジャベールは、初回の岡さん、2回目の今さん、3回目の石川さんと観て、1巡した形で再び岡さんです。
3人のジャベールを観て、イメージ的には石川さん、歌声的には岡さんが私の中のジェベールという感じです。歌声は素晴らしいですね。
コゼットは富田麻帆さんは、ちょっと幼さを残した感じが良い感じですが、少し声が細い感じなのが残念です。
休憩時間中、私の後ろの席の大学生くらいの姉弟の弟クンは、売店で買って来たばかりのTシャツを手に、富田さんの可愛さを絶賛していました。
知念さんのエポニール、前回よりも印象は良かったのですが、やはり今ひとつ私には物足りなさが。
ガブローシュは声が細めで、ここで歌うのはちょっと可哀想な印象を受けてしまいました。
今回も投げ上げたバックは学生の手に届かず、ちゃんと届いたのを観たのは1回だけです。
芝居的には、どちらが本来の形なんでしょうね?
アンジョルラスの岸さんは、やはり素晴らしいですね。
いかにも学生達をまとめて突き進むリーダーという印象を、4人のキャストの中で一番感じられます。
初見となる駒田さんと、3回目となる森さんのテナルディエ夫妻は、手が付けられませんね。
多くの新しい発見に気分を良くしていたのですが、唯一泣きが入る出来事が。
2幕、バルジャンがBring Him Homeを歌い始めた時、その出来事は起きました。
目の前の補助席に座っていた大柄な男性の挙動が怪しいと思っていたら、なんと居眠りを始めてしまったのです。
頭が前に倒れてくれれば助かったのですが、結果は最悪で、何としてもバルジャンとマリウスの姿は見せないぞと言わんばかりに、右へ左へと揺れまくっていました。
私の頭の中では、『彼を帰して』ならぬ『彼をつまみ出して家へ帰してくれ!』という気持ちでいっぱいでした。
もう少し足が長ければ、彼の背もたれを間違いなく蹴っていたはずです。
結局、バルジャンが歌い上げた後の拍手で我にかえり、その後はラストまでステージに観入っていました。
なんで、あのシーンで眠れるのか!?
これだけが、きょう一番の心残りでした。
全般的には、長く続いたカーテンコールと共に、熱い良いステージでした。