一昨日出血性胃潰瘍で入院した98歳女性は、入院時の様子では面倒をかけてすまないと言っていて、穏やかなおばあさんだった。ところが、入院すると不穏がひどく病棟看護師が困ってしまった。当然点滴は引き抜き、廊下に歩いて出てしまう。入院時とは目つきがまったく異なり、険しい顔つきになっていた。家族ももう連れて帰りますと言うが、もう1回だけ内視鏡検査をさせてもらうことにした。案外すんなり検査できて、胃潰瘍の出血は治まっていた。貧血も進行していない。さっそく食事(おかゆ)を出したところ、6割がた食べた。本来は1週間くらい経過を見るべきだが、家族の希望も強く退院とした。紹介先のかかりつけの内科クリニックに返事を書いて、少し強くしたPPIでの治療を依頼した。自宅に戻れば、また穏やかなおばあさんに戻るのだろう。
同じ日に肺炎で入院した93歳女性も解熱して元気になったのはいいが、動きが激しく点滴などはとてもできない状態になった。この患者さんは外来で点滴をしようとした時に看護師にかみつこうとしたので、家族には入院継続が難しいかもしれないとお話ししていた。食事も食べられるので、退院して内服治療にしようと思った。学会で聞いてきたアベロックス内服がいい。家族に電話すると今日は嫁が不在で自宅には息子だけなので、退院は明日にしてほしいという。今晩どうなるか心配だが、明日まで入院とした。