なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

食べられない高齢者

2012年10月29日 | Weblog

 外来(内科再来)を診ていると、内科医院から電話が来た。認知症でグループホームに入所している85歳女性が1週間前から食べられなくなっているので診てほしいという。施設の職員と家族(嫁)といっしょに受診した。食べられないというよりは、食べると吐くそうだ。胸腹部CTでみると中部食道から下部食道にかけて内腔が拡張して食残がある。食道壁の一部が肥厚しているようにも見える。内視鏡検査をするかどうか、消化器科医と相談したが、1日待って食残が流れるのを待ってから行うことになった。食道癌が見つかっても、単なる食道裂孔ヘルニアだけだとしても、あまり処置はないような気もするが、まず見てから考えることにする。

 救急外来を診ていた循環器科医から電話が来て、脳梗塞で神経内科に入院して退院したばかりの88歳男性が搬入されたという。脱水症から急性腎前性腎不全をきたしていた。自宅に帰ってからあっという間に褥瘡ができていた。もともとアルコール性肝硬変があり、おそらく統合失調症と思われる患者さんだった。点滴で脱水症と電解質異常(高ナトリウム血症)を補正してみるが、経口摂取は難しいと思われる。同居の娘さんも、無理な治療は望まないということで、点滴だけで最期まで経過をみることになりそうだ。

 慢性B型肝炎の40歳台後半の女性に肝細胞癌が見つかって、がんセンターに紹介することにした。症状はないが、フォローの腹部エコーで腫瘤が見つかり、腹部造影CTで確認された。もっと小さいうちに見つけたかった。手術できるだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする