今日は内科再来があり、糖尿病の患者さんを中心に診ていた。昼前に外来の看護師がひどい喘息の患者さんが来てますと、診察室に入ってきた。今日の内科新患担当が応援医師で頼みにくいので、私のほうにきたのだった。39歳の男性で、内科医院に喘息で通院していて、定期でシムビコート吸入(1日2回1回1吸入)、発作時はベロテック吸入をしていた。今日は、その内科医院がたまたま休診だった。
横臥できず、会話も困難だった。中等度から重症の発作だった。酸素吸入3L/分を開始して、ベロテックを何度か吸入してきているので、すぐにネブライザー吸入をするのは危険と判断した(吸入の刺激で気管支が一気に攣縮する可能性がある)。ステロイドの点滴静注は、それまでの既往がわからないため、ソルコーテフは使わず、デカドロン8mgを2A使用した。喘息のガイドラインに準じてステロイドを時間ごとにちまちま入れるのは好ましくない。一気に1日分入れるデカドロンがいい。30分もすると喘鳴はまだ大分あるが、呼吸が楽になってきたという。ネブライザー(べネトリン)を行って、ネオフィリン点滴静注を追加した。4時間後には喘鳴がほとんど消失した。デカドロンの使用量については、異論があるところだろう。4mg使うか、8mg使うか、16mg使うかは重症度とその時受ける印象で決めている。この患者さんでは、窒息を覚悟するような印象を受けたので、最大量の16mgにした。実際は多すぎたのかもしれないが。
発作の程度からは、短期間の入院が好ましいが、仕事があって入院はできないという。帰宅を希望した。それも仕事場に戻って、指示だけ出して帰宅するという。数日は自宅静養を勧めた。シムビコートは1日2回1回2吸入に増量とした。明日からプレドニン30mg/日を3日分内服としてもらう。さらに吸入ステロイドとの相乗効果を期待して、テオドール400mg/日とシングレア10mg/日を追加した。その後は、かかりつけの内科医院で相談してもらうことにした。