発熱とのどの痛みで昨日の救急外来を受診した80歳女性は、咽頭痛ではなく、頸部痛だった。受診の2日前から症状が出現して、嚥下はできるが、頸部に痛みを感じるという。甲状腺右葉の結節に自発痛と圧痛を認めた。圧痛のある甲状腺疾患といえば、亜急性甲状腺炎だが、80歳であるのかどうか疑問だった。昨日の日直をしていた大学病院の医師が抗菌薬(セフトリアキソン)を入れていたので、その日は帰宅として、月曜日(今日)に甲状腺エコーを予約していた。白血球数20000、CRP20と炎症反応が上昇して、甲状腺機能亢進を呈していた。
今日行われた甲状腺の結節部は亜急性甲状腺炎のエコー像ではなく、高エコーと低エコーがまだらになっていた。甲状腺外来を担当している外科医に紹介した。化膿性甲状腺炎として治療して経過を見るという。まずは抗菌薬投与を行い、軽快しなければ手術を考えるそうだ。化膿性とすれば、どこから細菌がはいってくるのかと思ってきいてみると、咽頭の梨状窩からという。院内に甲状腺外科の先生がいて助かった。