なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

総胆管結石

2018年03月09日 | Weblog

 3月1日に眼科に入院して、2日に緑内障の手術を受けた88歳男性。3日に脳梗塞(左内包後脚のラクナ梗塞)が発症して内科転科となった。朝に右半身不全が目立ったが、幸いに麻痺は軽減した。開業医で処方されているSU薬による遷延性低血糖もからも約2日で離脱した。

 一人暮らしで、家族(息子は東京、娘は県内)は介護保険を申請して施設入所を考えていた。こうなると、このまま急性期の治療後にリハビリをして、回復期リハビリ病棟で施設入所待ちでもいい。

 順調な経過を思っていたら転科4日目の朝に2回嘔吐した。腹痛というのではないが、腹部がやや膨満していた。ざっと見当を付けるのに腹部単純CT検査をしてみた。胆嚢結石と総胆管結石があった。血液検査で入院時から炎症反応上昇と肝機能障害があった。肝機能障害といっても胆道系酵素のみ上昇して、トランスアミナーゼやビリルビンの上昇はなかった。

 ただ入院後から下痢もしていた。これは胆石の症状ではなく、嘔吐と下痢でなんらかの急性胃腸炎の症状であり、胆嚢結石・急性胆管炎ではないかも。その後MRCPで確認してみたが、確総胆管結石はあるが、幸いに陥頓はしていない。発熱もないので、炎症反応と肝機能を再検して、経過をみていいのかもしれない。

 

 家族の話では、これまでも急に嘔吐することがあったというので、結石が悪さをして幸いに大事に至らず経過していた可能性もある。以前からあったはずの総胆管結石だが、わかってしまえば、気持ちが悪い。

 麻痺はごく軽いので、今週いっぱい脳梗塞急性期の治療をして、地域の基幹病院消化器内科で総胆管結石の内視鏡治療をしてもらえないかと思った。電話で訊いてみたが、とてもベットがいっぱいですぐには受けられないという。症状が落ち着いているなら、家族に外来に来てもらって、治療予約にしてほしいということだった。

 

 

 

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