午前中に内科再来を診ていると、地域の基幹病院の呼吸器内科から連絡が入った。「いつものお願い」と始まると、病状が落ち着いたもののすぐには自宅退院できない(廃用症候群や自宅介護困難)患者さんの転院依頼だ。
今日は、最近増えてきた呼吸器内科外来からの直接の入院依頼だった。施設に週末からショートステイ入所していた86歳女性が、発熱・呼吸苦で受診した。両側肺野に多発性に浸潤影を認めて入院治療が必要だが、満床で入院ベットがないという。引き受けることにした。
両側肺野の浸潤影は奇妙な分布をしていて、家族は「変な肺炎」と言われたそうだ。診療情報提供書には器質化肺炎が疑われるとあった。抗菌薬を投与して、ダメならば(効果がなければ)、ステロイドの投与や抗菌薬の変更で対応しては、とあった。
介助で車いすがやっとの患者さんで認知症があるので、気管支鏡検査の適応はありませんと記載されている。自科のベットはなくても、救急科用のベットは少しあるはずだが、患者さんのふだんの状態から、そこまでして入院で診る気は起きないということかもしれない(深読みし過ぎ?)。
白血球数は14000と上昇しているが、CRP0.7というのは、すでにこれだけの陰影のある細菌性肺炎としては合わない気がする。好酸球増加はなかった。器質化肺炎だろうか。対応は、1)まず抗菌薬で経過をみて、反応しない時にステロイドを投与するか、2)抗菌薬投与とステロイド投与を同時に開始するか迷うところだ。軽度だが糖尿病がある。