なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃潰瘍穿孔による腹膜炎

2018年03月28日 | Weblog

 昨日は外科の先生が当直だった。路上生活の62歳男性が意識障害で救急搬入されていた。時々様子をみていた方が、連絡がないので見に行って倒れているのに気付いたという経緯だった。

 呼ばれた救急隊も死亡しているのだろうと思って向かったそうだ。昏睡状態だが呼吸があったので逆に驚いて搬送したという。全身汚れていて、靴下を脱がせると虫が出てきた。

 搬入後の検査で血糖14mg/dlと低血糖があり、グルコースを静注すると意識は戻った。意識が戻ると腹痛を訴えて、板状硬だった。腹部CTで腹腔内に大量の遊離ガスがあって、消化管穿孔による腹膜炎と診断された。深夜の緊急手術になった。

 胃角部小彎の胃潰瘍穿孔と診断された。術後に肺炎もあって、人工呼吸管理になっている。両側肺に気腫性変化があり、肺炎併発だと厳しいが、年齢的には頑張れるのだろう。

 昼休みにその外科医が医局のラウンジに戻ってきた。血糖が低いのは何でしょう、と訊かれた。もちろん薬は何も飲んでいない。インスリノーマじゃないでしょうね、と言われたが、HbA1c5.6%と正常域で取り立てて低くはない。時々レトルト食品を食べるだけという食生活だった。今回の病気の影響もあるかもしれないが、基本的には飢餓状態を反映していると思います、と答えた。

 外科医は、家族がいないので生活保護の対象にならなければ費用は病院の持ち出しになる、とも言っていた。まず当直明けの半日休暇はとれそうもない。お疲れ様です。

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