なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

耳鼻咽喉科の話

2018年03月14日 | Weblog

 昨日は医師会の講演会に行ってみた。耳鼻咽喉科の教授の講演で、耳鼻咽喉科領域の新しい治療についての話だった。

 耳鼻咽喉科領域でも内視鏡手術が行われていて、その先生は内視鏡手術がお得意らしい。頭頸部癌は眼球や脳底部に波及して部位的に手術が難しいが、重粒子線治療を行うことで、ほとんど治癒することもあるそうだ。そのような治療はどこの施設でできますが、と会場の先生から質問が出た。答えは群馬県と千葉県の施設。福島県の南東北病院では重量子線の治療ができるそうだ。

 オリジナルの治療として、甲状腺癌術後などの声帯機能障害に披裂軟骨内転術を行うと発声が著明に改善する。また頸部のリンパ管腫やガマ腫にOK432(ピシバニール7)局注治療があり、治癒させることができるそうだ。

 いびきも、単にうるさくて周囲が迷惑というだけではなく、昼間の口呼吸や夜間の無呼吸の症状があり、治療が必要ということだった。高度の鼻閉、副鼻腔炎の合併、中耳炎(滲出性)の合併がある時は、耳鼻咽喉科にコンサルトが必要という。鼻閉には、下鼻甲介切除術と後鼻神経切断術が有効。

 鼻アレルギーの話では、講演会共催の製薬会社が出している「ビラノア錠20mg1日1回」を使ってくださいというのはお約束の宣伝。眠気の副作用がほとんどなく、効果も期待できる。まあ、アレグラでも遜色はないらしいが。

 スギ花粉症の舌下免疫器療法は皮下免疫療法に比べて、副作用が少なく、効果も十分得られるそうだ。副作用は口腔内違和感程度で(皮下ではアナフィラキシーもある)安心してできるという。

 久しぶりに市内の開業医の先生2名(内科)とお話ができた。当院の内科は(医師がいなくて)大変ですね、と言われた。

 「プライマリケアで一生使える耳鼻咽喉科診療」(日本医事新報社)はまだ読んでいなかったので、これで耳鼻咽喉科の勉強もしてみよう。

 プライマリケアで一生使える耳鼻咽喉科診療

コメント (1)
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