Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

スタートレック イントゥーダークネス感想2

2013-09-10 23:34:00 | ベネディクト・カンバーバッチ
ネタバレばっかりです要注意!



特に予習や情報を追ってない方達のSTID感想が新鮮だな~と思うこの頃です。こういうフランチャイズ作品は、以前からのファンの方々から教えてもらってから見た方がきっと多角的に楽しめるんだろうなあと、欲張って前作のいくつかをちょっと齧ったり、そらから今回は、ほら、12月の世界最速9分間フッテージから8月全国公開までの間に、それはそれは多くの断片的な情報を見て来てしまった。映画そのものだけではなく、キャスト達が個人として映画を語る取材もワールドプレミアで全部見てから、幸運にも7月と8月の東京での舞台挨拶にも参加できて、映画そのものを見た時には一方的に知ってる人が出てるお芝居でも見に行ったような気さえして(J.J.監督のおかげでそれはそれは出来のいい劇)もちろん映画は全部通して初めて知ったわけだけれども、もはや客観的にはなれないファンになってしまっていたので。

でも、ということは、感想は人の知識や価値観によって違うので、人の正直な感想って興味深いです。STIDに戦闘シーンが多過ぎるという意見も読みましたが、私はSTIDのはハリウッド・フーの成果を見たい!という楽屋落ち的な楽しみがあったので気にならなかったのですが、例えばホビットでは醜い生き物軍団の戦闘シーンは長くて辛かったですw

と言うことで、私がまた感想を書く言い訳はこの辺にして・・・・




注目しちゃった台詞&シーン

火山で死を悟って腕を拡げたスポック・・・あの時、運命として死を受け入れたのかと思ったのですけど、後でウフーラにしてた解説によるとそうではなくて、死への怒り、混乱、孤独、恐れを感じたくないので自分の感情に対して心を閉ざしていたのですね。つまり受け入れたわけではなくて、死から精神的に逃避してた。非常に興味深い態度です。私が歯医者の椅子で幽体離脱したくなるのに近い?

カークのハリソンへの視線が好きです。前の感想にも書いたけど、謎の男への恐怖がカークの視線で表現されてると思いました。それが観客の視点にもなりえる。スターフリート本部を襲った小型船の操縦室をじーっと見るカーク、でも顔を1瞬見た直後にハリソンは転送してしまう。(もっと見たかったのに、ああ!)ハリソンとの初対面ではじれったい気持ちのまま、次にクロノス星でウフーラの危機にハリソンが現れてクリンゴンをひとりで倒した時、カークはとにかくカーンを目で追ってました。恐怖とパイク提督を殺されたことへの憎しみだけでなく、これからこの相手とどう闘うか頭の中は大忙しなんでしょうね。

し、しかしその後、降伏して無抵抗のハリソンをあんなに殴りやがって・・・あの時点では優性人類だって知らないんだから、頭や腹をあんなに殴っていいの?軍の規律には何も書いてないの?もともと喧嘩っ早いとは言え、パイク提督への思いがあるとは言え、無抵抗なのに・・・・(あと怒らせたらハリソン恐いのに・・・w)



スコッティの全部が好き!・・・
マーカス艦に転がり込んだカークとカーンが止まった所にいたスコッティの挨拶「Welcome aboard」はご存知の方も多いでしょうけど、船や飛行機に乗船するお客さんを迎える言葉。日本語訳は「ようこそ、いらっしゃい」だったかな?ちょっとニュアンスが表れてなくて笑いが出てなかったけど、和訳どうしたらいいのでしょうね。「ご搭乗ありがとう」かな? ガミガミ口うるさいけど、船をスコッティが1日留守にするとボロボロになっちゃう座敷童・・・いや、守り神みたいな存在ですよね。



予告編にも出てたカーンのこの恐ろしい台詞「お前達の冷たい屍を踏み越えて私の部下を取り戻す」ここの表情、目がキラリと光り、すでに勝利の笑みを残酷に浮かべてるのが、前のシーンまでの冷静沈着ぶりと打って変わって良かったです♡感情を出さない性格の人が感情をちらっと見せてしまう瞬間・・・(あれ、シャーロックやパレーズエンドの感想でも同じようなこと書いたな私^^;) しかもこの台詞の前から本編で通して聞いて「そういうことでこの台詞があるのかあ!」とジグソーパズルがピタっと合った時のような嬉しさを感じました。え~っと、ゴソゴソ、これだこれだ・・・

Khan: Your crew requires oxygen to survive, mine does not. I will target your life support systems located behind the aft nacelle. And after every single person aboard your ship suffocates, I will walk over your cold corpses to recover my people. Now, shall we begin?(お前の部下は酸素がなければ死ぬが、私の部下には必要ない。船尾のエンジン格納庫の裏にある生命維持装置をまず狙ってやる。そしてお前の乗組員が1人残らず窒息死したら、その冷たい屍を踏み越えて私の部下を取り戻す。では、始めよう。*日本語脚本ないのでうろ覚え)

この後スポックの活躍で魚雷をカーンの元に転送させ、カーク達の返還をカーンに求めた時の、カーンの返事!これも聞きたかった台詞です!

Khan: Well, Kirk, it seems apt to return you to your crew. After all, no ship should go down without her captain. (では、カーク、君をクルーに返す。やはり、キャプテンは沈む船と運命を共にするものだ)

このシーンを初めて予告で見たちょうどその時、キャビン・プレッシャーとTTSSに出て来た船長の息子の詩についてのブログで「キャプテンたるもの最後まで船を捨てるものではない」と書いていて、ああ!ここにも出て来た!と、以後、ハリソンのこの台詞がどこで出て来るのか、それはそれは楽しみにしていたのですよ~~~


あら?ちょっとここでは意訳になってるのね、字幕

カーンはマーカス艦で魚雷を爆破され、愛と憎しみの手負い豹?になってからが、それまでの自制心を失い感情が見えて良かったです。船が壊れてコントロール不全のなか、コンピューター相手に1人叫んで指令する孤独なキャプテン・・・もうこの時、「目標スターフリート本部まで何とか飛んで!あああ!海に落ちてしまう・・!キャー、そんな!・・・」と、カーン目線で地球を見てしまいました。



ところで、このマーカス艦こと巨大戦艦ヴェンジャンスが地球に与えた被害は相当なものでしたよね?
飛行物体が高層ビルに突っ込む図は、やはりNYの9.11事件を思い起こしますが、あれはビルたった2練であの被害、そんなもんじゃなかったです。NYの高層ビル全部が船に踏みつぶされた勢いでした。それなのに、1年後にスターフリート本部は何ごともなかったかのように復興していて、回りのビルはどうなったんだよう?!それでカーク=エンタープライズ号は英雄になった?マーカス提督は犯罪人と?映画のテーマのひとつが善と悪の主観性/客観性だと思ったので、この甚大な被害をもたらした事件がどう評価されたのかも知りたかった。

最後にストーリーとは関係ない顔の話。カークは、血の気も多い野生児だし本来の主人公だから、顔を素肌メイクでナチュラルに、肌の感触や髭も生々しく血管も毛穴も見えそうだったのに比べ、ハーフ・バルカンのスポックと優性人類のカーンはメイクでしっかりお肌を整えてて、その差が面白かった。強ければ強いほど、完全さを出すため化粧も厚くなるのかな・・・ハリソン・メイクは眉も完璧に作ってあって、スポックのメイクの眉毛は1本1本乗せるとのことなので、そう言った技術が使われているのでしょうか。また完璧メイクのカーンに会えるのはいつの日でしょう!それまで安らかに・・・カーン!!





追記
ハリソンちゃん着せ替えも貼っておこう。オリジナルはこちら