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13歳。主人公のコナーは声変わりもまだの小柄な少年で、ママのベッドにも潜り込んでしまう。(ママは末期癌患者なのだ・・・)私は10歳くらいかと思って見ていたら、
同じクラスにはティーネイジャーらしい颯爽とした少年もいて、その子がまたコナーを虐めるんですね。ハリー・ポッターのセドリックみたいなモテ男タイプなのに、性格はマルフォイなんですよ。
パパはママと離婚して米国に住んでいるので、コナーはママのママ、つまり祖母の家に住むことになります。
おばあちゃんはとてもキチンとしていて厳しくて、コナーにとってはママの具合が悪いだけで辛いのに世の中辛いことだらけです。
詳しいあらすじは公式で見ていただくとして、
大きな木のモンスター(どうしてもグルートに見えるんですが)の話は、それまで大人が子供に言い聞かせていた「いい子にしていれば立派な大人になって幸せになせますよ」とは違うストーリーでした。
それはまた「悪いことをしたら罰を受けます。」というもう一つの子供の世界の掟とも違っていました。
「いい子にしていれば悪いことは起こらない」のはいつも大人に守られている子供だからなのであって、
守ってくれるパパは外国で、ママは病気で死にそうで、
誰もママが治らないとは言わないけれど、コナーはママが死ぬのだとわかるくらいに大人になっていたのです。
モンスターは、何も知らなくていい子供の世界にいたいコナーに、母の死やほかの環境やそして自分自身の嫌なことも人生に受け入れなくてはいけないと告げる、自分自身の大人の意識だったのですね。
コナー役のルイス・マクドゥーガルが、ファニー・フェイスなのだけどいい味を出してとても美しく撮られています。微妙な年齢だったので、プレミアの頃の写真を見ると、多分もう声変わりしてるだろうな、というくらいに成長してました。
窮屈な環境を象徴するおばあちゃんの家が、古いイギリスの家にあるものに溢れていて私的には楽しめました。絵皿のコレクションが並べられた食器棚、陶器の動物や踊り子の置物、そしてキッチンにはトースターが目の高さについているクッカーも。
6/17追記
コナーは13歳で、母の死という辛い出来事をきっかけに、自分の中の意識をモンスターに具現化して向き合うことができました。
それは「認めたくない自分の本心」と「受け入れたくない現実」とふた通りあると思うんです。どちらも無かったことにしてスルーすれば傷つかずに済む。
が、世の中には何歳になってもそれらから目を離し、本心や現実をうまく自分以外の事象に責任転嫁して生きている人いるな・・・これは思春期の少年だけの話ではなく、大人の話にもなりえます。
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