王の弟フィリップの愛人シュバリエ
ルイは戦争での不利を、神にすがって解決しようとしています。
もうこの辺で彼の中では、自分の王としての野心=フランスの民の利益となっています。が、ある意味正しくはあります。
その祈る姿は、全身全霊で神にすがってはいるものの、そこはルイですから、高飛車なのが私には可笑しいやらかわいいような。
「聞いてますか?!」
「見てくれてますか?!」
そして、キリストのように民のために身を犠牲にしなくてはならないのか?!
と悩み始めたルイのところに、信心深いスカロン夫人(モンテスパンの侍女)が寄り添って祈り、ルイを導き、パワーを与え始めました。
そうか~、王として自分が成功するにはフランスの富国強兵が必要、
それには当時は戦略だけでなく神の力が必須(僧侶の身分が高いわけだ)、
神との媒体の役割をスカロン夫人が果たしたと・・・!
後に、王妃マリー・テレーズが亡くなった後に、このスカロン夫人とルイは秘密結婚をする、と歴史に残されているんです。身分の違いで王妃にはなれなかったのですが、ルイがなぜ彼女に結婚するほど惹かれたわけがこれでわかりました。
一方、遠ざけられた愛人のモンテスパンは、王を振り向かせるために黒魔術にまで手を染めてしまいます~~~。さすがの彼女もビビってます。
いくら強気の彼女でもそんな悪魔の道は望んでいなかったようですが、相談した相手が悪かった・・・ベルサイユの貴族達に毒を売って人気のマダム・アガサ。
そしてスパイのへっぽこ詩人トマも、ルイと弟フィリップが珍しく協力しあって偽情報をつかませるため、フィリップがトマを可愛がり罠にかけ、ほんと珍しくフィリップが得意の手練手管で王に貢献している・・・のに、
そうとは知らないフィリップの愛人シュバリエが、嫉妬のあまりトマを追いかけて逆にこてんぱんにやられてすごすごとフィリップの元に泣いて帰ってくる始末。
そのあまりの惨めさに、このおちゃらけ男に初めて同情してしまいました。
でもフィリップが「理由は言えなくてもやらねば」と強く言って、シュバリエの目を見て「I LOVE YOU.」とも初めて(多分)口にしたら我にかえるという素直な奴だった。愛に生きる国民ですものね・・・。
あと、もう一人見直した人物は、拷問係(正しくは警察隊長・・・だったのか)のマーシャルです。
彼はいつも拷問シーンに登場するのでその陰気さが憂鬱だったのですが、悪魔の儀式を執り行っていた司祭が、彼の愛する女性を殺した犯人だと知った時(それも拷問中)、常に冷静な彼が激昂して司祭を一瞬にして葬ったのには胸キュン・・・。
盛り上がってきたなあと思ったら、道理で次回がシリーズ2の最終回です。
もうDVDデザインも。
ドクター・フーみたい(笑)。