練馬の『世界』を読む会・1月例会の報告
光が丘図書館の第一会議室で、1 月17日午後1時から、いつものようにコーヒーとスイーツ(今回はティラミス)をつまみながらの会でした。初めての手作りティラミスは大変好評でした。参加は4名。最近では最も少ない参加者でした。 誰からというわけでもなく、話題は年頭の能登の地震から始まりました。珠洲市に原発がなくてよかったが、この点にふれるメディアが皆無なこと、志賀原発の情報が極端に少ないことなど、コーヒーとティラミスをつまみながらの最初の話題は、やはり能登地震の深刻さについてでした。
○ 今月のテーマは
・「意見が嫌われる時代の言論」 大澤 聡
・「この人倫の奈落において」 岡 真理
・「『ふたつの戦争』と米国の世界戦略」 菅 英輝
・「植民地主義者とはだれか」 駒込 武
以上の4本でした。
それぞれのテーマに即しての話は錯綜して、それぞれの論文を読んで刺激を受けたことが次々に話されて盛り上がりました。なかでもイスラエルのパレスチナ人に対する「ジェノサイド」といえる侵攻について、様々な角度から意見が出されました。特に歴史的にナチと協力したシオニストの犯罪的な役割が、ハンナ・アーレントの『エルサレムのアイヒマン』を読んでの話が出されて、イスラエル建国時にさかのぼっての「暴力性」が話題になりました。
ついで日本の台湾に対する植民地支配の実態がひろく国民に知られていないこと、朝鮮半島や、中国における加害の実態についてもほとんど知られていないことなどが話されました。さらにこれまでの日本平和運動のなかでも、被害者意識に基づく振り返り方になっていて、加害の実態の発掘という点で大きく立ち遅れていることなどが話されました。
最近では最も少ない参加者でしたが、そのかわり自由に脱線して、それぞれの生い立ちなども話されて、お互いの人間性が浮き彫りになるような楽しい話し合いになりました。話は盛り上がって、散会は4時を大きく過ぎて5時10分前で、今までで一番遅い時間になりました。
■その他のお薦めは
・巻 「人間であることが困難な世界で」 松村圭一郎
でした。
◎ 練馬の『世界』を読む会、2月例会 の予定
●日 時 2月22日(水) 午後1時~4時
※ 第三木曜日が定例です。
●場 所 光が丘図書館・第二会議室
●持ち物 雑誌『世界』2月号
○共通テーマ
・「戦後日本の「リベラル」と平和主義」 小熊英二
・「『世界』の起源」 石川健治
・「AIをクィアする」 清水知子
・「不正入試事件が示す社会的空気」 中村高康
● 連絡先 須山 suyaman50@gmail.com