ZOOMの『世界』を読む会・1月例会の報告
1月27日(金)、午後7時半~、zoomの『世界』を読む会・1月例会が開かれました。
3名の参加でした。
■ 今月のテーマ
・岡 真理 「この人倫の奈落において」
・松里公孝「正義論では露ウ戦争は止められない」
・駒込 武「植民地主義者とはだれか」
でした。
印象に残ったのは、岡真理「この人倫の奈落において」についての批判的な意見です。
一つは、ハマスの侵犯について「合理的に考えて彼ら自身にとり何ら益はない」〔p.59〕という文章は、ハマスの暴挙はなかったかのような書きぶりだが、ハマスの暴力性も重要な問題であって、12月号のジュディス・バトラーの「そのような(平和な)未来は、イスラエルによるあらゆる形態の国家暴力を含む、すべての暴力を名指しし、描写し、それに反対する自由を維持することなくしては実現できない」〔p.43〕という文章にあるような、あらゆる暴力を批判する立場が大事ではないか、ということ。
もう一つは、「 「国際社会」なるものが掲げてきた人権や国際法や平和といったもの、そのすべてがおためごかしであった」〔p.54〕というのは、同じ1月号で中満氏が主張しているように「国際法」を重視することが求められている状況の中で、どうなのか。中満氏が「ハマスとイスラエル、双方が、自分たちの視点でしか物事を見ることができずにいる」〔p.37〕を言っているが、岡真理さんは、まさに「ハマス」の視点でしか見ていないのでは。ということ。
また、オスロ合意に対する、過去のイスラエルの対応などを見ることが抜けている。こと。レバノンやシリアでは、パレスチナ難民を痛めつけているのはアラブであることが抜けている。
さらに、メディアの報道批判をしているが、YouTubeでは、かなり正確なガザの状況の報告がなされていることを見ていないのでは、ということ。
全体として、問題を解決するために必要になる、バランスを欠いた文章だ、という批判だったと思います。
また、下高井戸シネマという映画館で、パレスチナ問題の映画がまとめて放映されたそうです。
◎ ZOOMの『世界』を読む会、2月例会 の予定
●日 時 2月23日(金) 午後7時半~9時半
※ 月末の金曜が定例です。
○共通テーマ
・「戦後日本の「リベラル」と平和主義」 小熊英二
・「受験後遺症の大人たちが子どもを追い詰める」 鳥羽和久
・「小学・中学受験のリアル」 小針 誠×森いづみ
○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com