『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

富岡の『世界』を読む会・5月例会は5名で。

2022-05-29 14:45:30 | 日記
富岡『世界』を読む会・5月例会の報告
(郡山さんから)
 
 富岡『世界』を読む会・5月例会が5月25日(水)5人が参加して開催されました。
 今月の課題は『世界』5月号から、緊急特集「ウクライナ」の塩川伸明『ウクライナ侵攻の歴史文脈と政治論理』および西谷修『新たな「正義の戦争」のリアリティーショー』の二つの論考と、特集2「憲法の現在地」の大門正克『生きる現場からの憲法 第1回―夜間中学の学びと東アジアの歴史』でした。
 
Ⅰ.緊急特集 ウクライナ―平和への道標と課題―
 まず、主に塩川論文から作成した「ウクライナの歴史」を参加者で確認しあった後、思い思いに感想を述べ合った。塩川論文については、年表をたどることで理解を深めあったが、西谷論文については、賛否が分かれた。主な意見を整理する。
1.西谷論文肯定
①日本国内の「満場一致」での正義=ウクライナを支援し、悪=プーチンのロシアを打倒せよという「好戦気運」に対して、警告を発しており、耳を傾けたい。
②ジョン・ミアシャイマーの警告、「NATOの東方拡大は絶対許さない」というプーチンの反発を米・NATOが無視したことが、クリミア併合そしてウクライナ侵攻の原因という指摘は、納得できる。
③米国のイラク侵攻とロシアのウクライナ侵攻についての日本を含む西側のメディアと世論は、極めて非対称的であり公平性と客観性を欠いているとの指摘は、重要だ。
④「悪はロシア」という図式では、核の危機を避けられない、との西谷氏の警告は極めて重い。
2.西谷論文批判
①NATOがロシアを攻撃するという可能性が全くない中で、ロシアが「NATOの東方拡大」に恐怖していたとは思えない。
②問題の出発点は「ロシアがウクライナを侵攻した」という事実である。
③「ゼレンスキー=コメディアン」という言説は、差別的である。
3.両論文を通した意見と感想
①「停戦への道」がほとんど論じられていない日本のメディアに、危機感を抱く。
②核のリスクが懸念されているが、改めて核兵器禁止条約批准と国連の役割強化を訴えるべきだ。
③平和憲法を持っている日本こそ「停戦」と「和平」を主導していくべきだ。
 
Ⅱ.特集2 憲法の現在地―大門正克『生きる現場からの憲法 第1回 夜間中学の学びと東アジアの歴史』
1.1970年代の大阪の夜間中学の実践記録から、在日朝鮮人の玄時玉さんの作文「かんばんの字がよめたとき・・・・・わたしは、うれしくてたまりません」に、本当の「学び」の実感と感動の言葉を読み取り、うれしくなった。
2.また、朝鮮戦争の開始年月について、岩井先生が教科書通りに「1950年6月25日」と教えたのに対し、時玉さんは自分の体験から「1949年より前」との認識を示しますが、先生はこれをきっかけに歴史を学び直し、「4.3済州島事件」にたどり着きます。こうした学びの実践は、感動的だ。
3.今日の夜間中学校の実践についても触れてほしい、との感想もあった。
 
◎冨岡『世界』を読む会・6月例会の予定
■開催日・場所:6月15日(水)9.30-12.30 吉井町西部コミュニティ・センター
■テーマ
(1)デジタル化について
 ①若江雅子『デジタル日本 その政策形成における課題』
  ②内田聖子『デジタル・デモクラシー 第6回―監視広告を駆逐せよ』
(2)特集2 批判的野党がなぜ必要か 
 杉田敦・齋藤純一の対談『リベラル政党の「可能性」と「不可能性」』
 
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練馬の『世界』を読む会・5月例会は、9名で。

2022-05-21 18:26:54 | 日記
練馬の『世界』を読む会・5月例会の報告
 
 20日(金)、1時から、光が丘図書館で、練馬の『世界』を読む会・5月例会が行われました。9名の参加。これまでで最大人数か? 大変賑やかな会となりました。
 例によって、資料を持ち込んでくれる人、美味しいものも。明るい部屋での、お勉強でした。
 話されたことの報告は(とても多岐に亘って談論風発で)出来ませんが、「日本国憲法」が相当危機にあって、自分はもっと学び直さなくては、と思いました。立派なものを粗末に扱っているような後ろめたさを。
 
今月のテーマは
 ・「ウクライナ戦争を止めるための提言」   和田春樹
 ・「斥候」                目取真 俊
 ・「沖縄返還交渉の歴史的陥穽」       豊下楢彦
 ・「新憲法とわれらの覚悟」         芦部信喜
                  でした。
■ その他のお薦めは
 ○西 「ウクライナ侵攻の歴史的文脈と政治論理」
                      塩川伸明
 ○巻 「自壊する地方自治」        片山善博
                でした。
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、6月例会 の予定
 ●日 時 6月16日(木) 午後1時~4時
※ 毎月け、第三木曜日が定例です。
 ●場 所 光が丘図書館
 ●持ち物 雑誌『世界』6月号
 ○共通テーマ
 ・「核軍縮の必要と必然」         中満 泉
 ・「「新しい資本主義」とはなにか」   佐々木隆治
 ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                  杉田敦×齋藤純一
 ・「人新世の環境学へ 第2回」 宮本憲一×斎藤幸平
 ● 連絡先 須山
          suyaman50@gmail.com
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小岩の『世界』を読む会・5月例会は、現場会場で、5名で。

2022-05-20 11:20:24 | 日記
小岩の『世界』5月例会の報告
 
 19日(木)、7時から、小岩の『世界』を読む会・5月例会が開かれました。20年12月以来の会場での会となりました。21年1月からzoom開催になっていました。参加は5名。やはり直接顔を合わせての話し合いはいいものです。手作りパンに手作りジャム、その場で淹れたコーヒー、ソーセージ。腰が落ち着きます。
 
■今月のテーマは
「生きる現場からの憲法 第1回」     大門正克
「新憲法とわれらの覚悟」         芦部信喜
「デジタル化する世界と憲法」        山本龍彦
            でした。
 
  熱心に話し合いが行われましたが、二名がパソコンのパニック解消のため遅刻して参加で慌ただしく、話し合いの記録が不完全で、報告は省略させていただきます。
 ウクライナを巡る討論は、大きな課題で考えるべき事が広く、話し合いがとめどないものとなりました。
 DPFの支配する世界で、意見を戦わせる言語空間の衰退が危惧されますが、ここ小岩の『世界』を読む会は、極めて健全な言語空間が生きていました。
 
◎5号のお薦めは
  ■ 櫻井 ・「新たな「正義の戦争」のリアリティショー」
                        西谷 修
  ■ 片山、巻 ・「自壊する地方自治」    片山善博
                でした。
 
◎ 小岩の『世界』を読む会、6月例会 の予定
 ●日 時 6月16日(木) 午後7時
 ●場 所 南小岩8丁目21の8
         小岩駅から徒歩約3分
 ●持ち物 雑誌『世界』6月号
 ○共通テーマ
 ・「「野党の役割」とは何か」         吉田 徹
 ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                   杉田 敦×齋藤純一
 ・「野党がジェンダーで「勝つ」ために」     太田啓子
 ・「分断される野党」            川上高志
 ・「批判的労働運動の政治的使命」      篠田 徹
 ・「「批判する」とはどうこうことか」    小河原 誠
 ●連絡先 須山
                suyaman50@gmail.com  
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東久留米の『世界』を読む会・昼の部・5月例会は7名で。

2022-05-18 19:23:17 | 日記
東久留米の『世界』昼の部、5月例会の報告
 
 18日(水)4時より、東久留米生涯学習センター学習会議室5で、東久留米の『世界』を読む会・昼の部の5月例会が行われました。7名の参加でした。
 
■第一テーマ・東大作「世界大戦をどう防ぐのか」は、3カ月に及び、終わりの見えないウクライナ戦争という重い課題でした。この戦争をどう捉えるか、という論点での意見交流、それから、筆者の問題提起に従って、どのようなシナリオが可能性があるのかの討論をしました。シナリオ②の「妥協」への道が近いようだという声が強かったです。どちら側ももうもたないのでは、という観測も。一刻も早く解決して欲しいし、この解決が、より良い明日の世界を開く方向に進んで欲しいと願います。
 会の時間の半分をこのテーマに費やしましたが、それでも語りきれない大きな課題でした。
 
■第二テーマ・芦部信喜「新憲法とわれらの覚悟」は、終戦後わずかな時期に書かれたもので、筆者の先見性に感心するという声が多かったですが、時流に乗った上滑りのものではないかというシニカルな見方もありました。被治者根性とか政治的無関心とかは、筆者が不安視したことは、現代ではさらに色濃く感じられると、現状批判の声も強かったです。
 
■第三テーマ・山本龍彦「デジタル化する世界と憲法」は、DPFの巨大な力を前に、憲法、立憲主義が対応を迫られている状況を受け取りました。「基本的人権」などの憲法理解も深める内容で、よい勉強になったという感想が多かったです。
 
■ その他の5月号のお薦めは
 ・須山 「沖縄返還交渉の歴史的陥穽」 豊下楢彦
                     でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)6月例会のお知らせ
 ●日 時 6月15日(水) 午後4時
 ●場 所 生涯学習センター集会学習室3
 ●持ち物 雑誌『世界』6月号
 ○共通テーマ
  ・「エネルギー危機のヨーロッパ」  ミランダ・シュラーズ
  ・「核軍縮の必要と必然」          中満 泉
  ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                     杉田 敦×齋藤純一
 ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ● 連絡先 須山
            suyaman50@gmail.com
 
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東久留米の『世界』を読む会・zoomの5月例会は、4名でした。

2022-05-17 13:52:55 | 日記
東久留米の『世界』5月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・zoomの部は、11日(水)、7時より行なわれました。4名の参加でした。
 
 以下のような意見が交流されました。
 
■第一テーマ ・東大作「世界大戦をどう防ぐのか」
・最悪のパターン(世界戦争、核戦争)を回避するのがまずは大切だろう。
・Amazonの自動配信のプーチンを描いた映画(『アメリカが最も恐れた男〝プーチン〟』?)を見たが、それによるとプーチンは子ども時代にいじめられたようだ。それと現在の「力が正義」という振る舞いは関係があるように思った。
・〔p.54〕以下の五つのシナリオの中では、③の「プーチン体制の崩壊」が一番望ましい。ロシアでの反戦でもで多くの人が拘束されているようだが、当局が対処できない程のものになれば、と。逮捕される危険があるのだから、身の安全な日本からの気楽な考えかなと思うが。
・日本人の私に何ができるのかと考え、仕事帰りにスタンディングをしたりするが、ロシア大使館にFAXするとか、停戦を仲介してくれそうな国の大使館にFAXするというのも検討している。
・ラトビアを拠点とするロシア語で発信している「メドゥーザ」という独立系メディアに寄付しようと思って、仮想通貨のビットコインを買ってみた。
・インターネットは政府が遮断してしまうが、電波は国境を越えるので、ロシア近くのラジオ局、テレビ局にがんばってもらえたら、と思った。
・実際になりそうなのは、②の「汚い妥協」というものかな。
・「汚い妥協」というが、それしかないのでは。③「プーチン体制の崩壊」は、戦争をしている国でその体制が壊れるということは、最近どこでもないことだ。経済制裁にしろ、外から圧迫されればされるほど、国内で結束するのでは。
・⑤の「中国やトルコの仲介で」というのも、②の「妥協」のことだし、妥協点を絞り込んで行くことがポイントではないか。
・ロシア人が380万人も国外へ逃亡している、ということに注目する。③「プーチン体制の崩壊」も、全くないとは言えないかも。
・「プーチンがいなくなれば」と思っていたが、塩川論文や西谷論文を読むと、単純ではないなと思った。プーチン体制が崩壊すると、イラクのようになるのでは。ロシアというものが非常に混沌としているように感じられる。
・妥協というのは、NATO問題に加盟しないことと、ドンバスの独立的な扱いのことで、「譲れない」という人もいるが、出来ないことではないと感じる。
・当初やっていたように見えた停戦交渉がここへ来て、まるで見えなくなっているのはどうしてだろう。
・停戦に向けて、有利な状況をつくろうとする事があるが、ウクライナが意外に強く、しかもNATO側の支援が増強されている現状が、停戦に向かいそうもない状況につながっているように感じる。
・停戦に向けようというより、ウクライナを戦わせようということになっている。
・停戦の仲介をするとなると、「中国」が最も力と立場を持つ存在だ。「中国」をどう捉えるかは、とても重要な問題だ。
・〔p.60〕、プーチンがシリアやチェチェンで「間違った教訓を得た」とあるが、チェチェンでとんでもないことがあったということのようだが、しっかりとした把握が自分の中にないのを感じた。
・大ロシア主義というのは、プーチンのみでなく、ロシア人の中にあるものだ。ロシア人の遅れた民族性が、この戦争支持の背景にあるようだ。プロパガンダのせいだけではない。
・「民主主義国家vs専制主義国家」ではダメで、「最低限の国際ルールを守る国vs.守らない国」という対立軸で捉えることが、解決への道だというのが筆者の主張で、賛成だ。
・難民の扱いで、これまでの対応と比べると、政治的なダブルスタンダードで、アメリカ追随だなと思う。
 
■第二テーマ ・豊下楢彦「沖縄返還交渉の歴史的陥穽」
・条約とか交渉とかのややこしい論文だが、沖縄県民の苦労を思えば理解を深めなければ。
・日本という国は、交渉が苦手なのかな。
・今朝の朝日新聞の世論調査で、「基地が今のままでいい」に沖縄で19%、本土では41%とあったが、本土メディアの発信の弱さの結果ではないか。
・〔p.143〕国連の「軍縮アジェンダ」とあったが、読んでみたいと思った。
・「サンフランシスコ条約第三条」の「信託統治」を巡ることが問題だという論文だが、こういう事を知らなかった。アメリカの沖縄統治は、法的には無根拠のことだったんだ。
・「統一見解」(政府)三項で、第三条が守られなくても統治を認めることをしてしまったのだ。
・法的根拠を放棄して、返還は「お願い」になってしまって、その過程で国民に嘘をついて「密約」で、アメリカが自由に使える基地を残してしまった。
・返還前の沖縄は「無憲法の空白地帯」になっていたのだ。
・〔p.143〕で、ウクライナ問題に触れて、「近隣領域に脅威となるような兵器を配備するな」という大切な原則を主張しているのは重要だ。
・沖縄の苦悩が非常によく分かった。条約三条を巡る経緯が、戦争中、続いて米軍統治(軍事植民地)、復帰したら更に悪化という苦難の歴史を感じさせる文章だった。
 
■第三テーマ ・芦部信喜「新憲法とわれらの覚悟」
・23歳の若い人の文章を『世界』で読むのは珍しく、いいなと思った。
・〔p.193〕「主体的意識の覚醒」とあるが、「主体性」を育てることは大切だ。
・〔p.195〕「新憲法をしてその成果を発揮せしむるものは国民の正しき政治活動以外はない。」とあるが、どんなことをすれば「国民の正しき政治活動」になるのだろう。投票する以外に何をしたらいいか考えたい。自分は家に立憲野党のポスターを貼る小さな政治活動をしているが。
・〔p.198〕「聖なるもの」を読者に考えさせる結びがいいと思った。
・戦争が終わって一年目にこれだけの文章を書く素養を、戦争中に温めていて、このような「憲法の覚悟」を書いたとは、自分と比べてすごいなと思った。
・背筋をピンと伸ばして戦後を生きる意気込みを感じる。
・あの憲法学者の権威の芦部先生が若いときに、こんな文章を書いたんだと興味深かった。
・日本国民が憲法を担うレベルになっていない。戦後のスタートで筆者が訴えたことは、そのまま今の人に伝えたいことだ。
・「被治者根性」、「政治への無関心」「権力への畏服」「尚武の風」というような日本人批判の視点は、面白い。「尚武の風」とあるが、世界は「文」が「武」に負けているなと思っている。
・七〇年以上経って、「お任せ民主主義」レベルで、とても民主主義社会を作っているとは言えない。
・日本人には自分の人生を公=国と一体化する所が払拭されていない。
・21年11月15日の文章ということは、11月3日の憲法発布のすぐ後の文章だということだ。若い学者の情熱、意気を感じる。
 
◆5月号のその他のお勧めは
 ○ 須山 「ウクライナ戦争を止めるための提言」  和田春樹
 ○ 巻  「自壊する地方自治」          片山善博
                 でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、6月例会のお知らせ
 ●日 時 6月8日(水) 午後7時
 ●zoomでのオンライン開催
 参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
 ●持ち物 雑誌『世界』6月号
 ○共通テーマ
  ・「核兵器禁止条約という現実的選択」     川崎 哲
  ・「「新しい資本主義」とはなにか」     佐々木隆治
  ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                       杉田 敦×齋藤純一
 ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
 ● 連絡先 須山
              suyaman50@gmail.com
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