『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

富岡の『世界』を読む会・1月例会は、6名で。

2025-01-25 18:42:54 | 日記
富岡の『世界』を読む会・1月例会の報告
 
 富岡『世界』を読む会・1月例会は、1月23日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、6人の参加で開催された。久々のメンバー全員そろっての参加だった。
 テーマは、Ⅰ.「特集2 そしてアメリカは去った」から、①岡真理『ナクバという《ジェノサイド》」と②鴨志田郷『正義はどこに』の2稿と、Ⅱ.「103万円の壁」関連の、③宮本太郎『「103万円の壁」引き上げは若者を救うか』と、④片山善博『「103万円の壁」から見える政治の病理』の2稿だった。
 
Ⅰ.特集2「そしてアメリカは去った」
 いまガザで起こっていることは、イスラエルによる大量虐殺であるだけではなく、生の基盤の全般的・組織的破壊であると岡真理は指摘する。住宅・インフラの破壊、拉致・拷問・虐待、飢餓、メディコサイド(医療破壊)、エコサイド(環境破壊)、教育の破壊、文化の虐殺、ジャーナリストの殺害。そしてそれは、23年10月7日に始まったことではなく、1948年のナクバから絶えることなく続いてきたことだ、と歴史をふりかえる。今ガザで起こっていることの歴史的背景や意味を、分かりやすく説いた論考だと感想が述べられた。パレスティナの諸々の文化施設への正確なピンポイントの攻撃は、まさに文化的ジェノサイドだ。
 米国大統領選におけるハリスの敗北の一因に、彼女のイスラエルよりの言動が民主党左派に失望感を与え、彼らがハリス陣営から離脱したことにあった、との指摘があった。
 「シオニズムがパレスティナの荒れ放題の砂漠を、開墾・農耕によって肥沃な農地へと転換させ、現在の繁栄を築いた」と漠然と思っていたが、史実は、イスラエル人植民者が、豊かなオリーブの木を燃やし、松やユーカリを植樹して自然環境を一変させ、パレスティナ農民の多様な自給自足の農耕を破壊した、ということだ。イスラエルがパレスティナ農民を駆逐、従属化したのだ。
 
Ⅱ.「103万円の壁」について
 「103万円の壁」引き上げは必ずしも若者支援にならないと宮本太郎は指摘し、国民民主党が「財源手当てを考えるのは与党の責任」としたことに、片山善博は「この能天気にはあきれるほかない」と嘆息した。読書会メンバーも、「103万円の壁」と政界・メディアともに大騒ぎする割に、どってことない問題提起だと、やはり呆れた。
 
◎ 2月例会の予定
 1.日程・場所:2月20日(木)14.00-16.00時、
   吉井町コミュニティセンター学習室(2F)
 2.テーマ:
 (1)特集1から
  ①林香里『「敗北」の意味』、
  ②成原慧『ソーシャルメディアが問い直す選挙の形』、
  ③伊藤昌亮『「オールドなもの」への敵意』、
 (2)韓国戒厳令関連
  ①趙慶喜『韓国 女性たちの「消えない光」』、
  ②緒方義広『大統領の「内乱」』、
  ③金承福『本とチェック 戒厳令の夜』、
  ④編集部『ドキュメント激動の南北朝鮮』。
 
 
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練馬の『世界』を読む会・1月例会は、8名で。

2025-01-24 16:47:31 | 日記
練馬の『世界』を読む会・1月例会の報告
 
 練馬の『世界』を読む会・1月例会は、1月23日(木)、午後1時~、光が丘図書館第一会議室で、8名の参加で行われました。
 例によって、手作りのケーキ(シュークリーム)、にムスリムのクッキー、カワイイみかんにコーヒーと、美味しい会でした。
 
■ 今月のテーマは
 ・古橋 綾「性暴力と女性たちの声」
 ・岡 真理「ナクバという《ジェノサイド》」
 ・奈倉有里「悪法と戦争」
 ・高村ゆかり×江守正多「「トランプ時代」の科学の使命」
    の四本でした。
 
◎ 第1テーマ・古橋 綾「性暴力と女性たちの声」
 日本政府の対応に関して、アジア諸国を「下に見ている」ということもあるが、より重要なことは、「国として」の対応をしていないことだろう。韓国では、あちこちに記念館あったり、少女像があって、国民が平和への行動として学んでいる。このような日本との落差を見ると、研究者の交流などが大切だな。
◎ 第2テーマ・岡 真理「ナクバという《ジェノサイド》」
 ジェノサイドは、「大量虐殺」だけではなく、「文化のジェノサイド」を核心とする、入植者植民地主義による民族消滅を目指すものだ。ガザに関わる、「おなまえかいて」と「if I must die」の詩から考えさせられる。欧米は全く責任を果たしていない。日本が役割を果たすべきでは。
◎ 第3テーマ・奈倉有里「悪法と戦争」
 戦争と人権は、どうしても相容れないもので、戦争をする国であるロシアの人権の惨状を見る思いがする。少子化対策は、子どもが健やかに安心して暮らせる良い社会を作ることだ。「人文的な営み」が、抹殺されるところに、戦争に向かう抑圧された社会が生まれる。「万国の内政学者よ団結せよ」に共感する。
◎ 第4テーマ・高村ゆかり×江守正多「「トランプ時代」の科学の使命」
 高村さんは第7次エネルギー基本計画の委員で、主張に歯切れがない気がする。トランプの当選は、温暖化にとって致命的だ。自国中心主義、短期的利益、ナショナリズムと決別した、公正な国際社会の建設が求められるのに。
 などと、話し合われました。
 
■1月号のその他のお勧めは
・須山 「正義はどこに」           鴨志田郷
    「続く大地動乱の時代 「過剰文明」からの脱却を」
    石橋克彦
   「アメリカ最高裁と「生きた憲法」の黄昏」 西崎文子
   「ロングフォーム・ポッドキャストの勝利」 若林 恵
      でした。
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、2月例会 の予定
 ●日 時 2月20日(木) 午後1時~4時
 ※ 第三木曜日が定例です。
 ●場 所 光が丘図書館・第二会議室
 ●持ち物 雑誌『世界』2月号
 ○共通テーマ
 ・「韓国 女性たちの「消えない光」」     趙慶喜
 ・「「人質司法」打破の鍵」   村山浩昭×須﨑友里
 ・「フェリンゴ女子刑務所へようこそ」   木原育子
 ・「「危険な抗議活動」だったのか」      南 彰
 ● 連絡先 須山  suyaman50@gmail.com
 
 
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東久留米の『世界』を読む会・昼の部、1月例会は7名で。

2025-01-16 13:59:06 | 日記
東久留米の『世界』を読む会・昼の部、1月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・昼の部、1月例会は、1月15日(水)、午後4時~、生涯学習センター集会学習室5で、新しい方を含めた7名で行なわれました。
 
■ 今月のテーマ
 ・川島 真×酒井啓子×三牧聖子「戦争を止められるか」      
 ・奈倉有里「悪法と戦争」
 ・上村 剛「誰が大統領を選ぶのか?」
   の3本でした。
 
◎ 第1テーマ・川島 真×酒井啓子×三牧聖子「戦争を止められるか」
 三人の論者が、様々な可能性について述べているが、良い見通しは示されていない。現段階は、就任前のトランプの「はったり」を聞かされている状態だ。トランプの自国ファースト、ディール外交は、世界を混乱に落としそうだ。日本はアメリカ追随の外交を見直すべきではないか。
◎ 第2テーマ・奈倉有里「悪法と戦争」
 ロシアの内情を伝える良い文章だ。ロシアが相当に追い詰められていて、停戦が近いのではと感じる。「特殊軍事作戦参加者の刑事責任を免除する法律」にはあきれる。人権と戦争は、ぶつかるものだ。「万国の内政学者よ団結せよ」と、内政学者の努力に希望を見ようとしている。少子化対策は、子どもが安心して育つ良い社会を作るしかない。
◎ 第3テーマ・上村 剛「誰が大統領を選ぶのか?」
 アメリカの大統領選挙制度の仕組み、歴史的経緯を説明する文章だった。州の独立を重んじ、州と連邦の関係が問題になるのだ。一年掛けてやる選挙とは。あくまで間接選挙なのだ。
 などと、話し合いました。
 
■1月号のその他のお勧めは
・須山 「正義はどこに」            鴨志田郷
    「続く大地動乱の時代「過剰文明」からの脱却を」石橋克彦
    「アメリカ最高裁と「生きた憲法」の黄昏」 西崎文子
    「同じ災害はふたつとない」        坂 茂
    「ロングフォーム・ポッドキャストの勝利」 若林 恵
       でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)2月例会のお知らせ
 ●日 時 2月19日(水) 午後4時
 ●場 所 生涯学習センター・集会学習室5
 ●持ち物 雑誌『世界』2月号
 ○共通テーマ
 ・「韓国 女性たちの「消えない光」」     趙慶喜
 ・「大統領の「内乱」」             緒方義広
 ・「ウクライナ戦争の戦争責任をどう論じるか」宇田川幸大
 ・「大阪地検の闇の奥」            青木 理
 ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ この他に、zoomでの『世界』を読む会が、第2水曜の、午後7時からで開催されています。参加希望の方は、メールで申し込んで下さい。
 ● 連絡先 須山
    suyaman50@gmail.com
 
 
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東久留米の『世界』・zoomの1月例会は、4名で。

2025-01-09 17:54:58 | 日記
東久留米の『世界』を読む会・zoom、1月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・zoomの新年1月例会が、1月8日(水)、午後7時から、4名の参加で行なわれました。お正月なのに、テキストを読んで参加した皆さん、エライ!
 
■ 今月のテーマは、
 ・松本 創「作られた「逆転のストーリー」」
 ・宮本太郎「「一〇三万円の壁」引き上げは若者を救うか」
 ・奈良有里「悪法と戦争」
 ・高村ゆかり×江守正多「「トランプ時代」の科学の使命」
   の4本でした。
 
◎ 第1テーマ・松本 創「作られた「逆転のストーリー」」
 選挙を巡って、メディアに関して大きな変化を迎えている。この事態の経緯を見ると、将来に不安を感じさせられる。陰謀論やデマに陥らないためのメディアリテラシーが課題となる。この件から、国民もメディアも、対応を学ぶのではないか。メディア側は、大いに自己変革が必要だ。このように論じている今日(2025/01/08)、メタのザッカーバーグは、ファクトチェックをやめるという方針を出した。混迷は続きそうだ。
◎ 第2テーマ・宮本太郎「「一〇三万円の壁」引き上げは若者を救うか」
 同じテーマを扱った、片山善博論文の方が説得力があった(財源を問わないことや、「一〇三万円」を取引材料に予算を通してしまったことへの批判)。若者を政治に引き寄せたことは評価できるが、実際に手取の増加に繋がるとは言えない。話題作りになったに過ぎない感がある。
◎ 第3テーマ・奈良有里「悪法と戦争」
 戦争を選択した国の実態を見せられた。戦争をする国は、国内の人権が抑えられる。「おかしいんじゃないの」と言える状況が生じている。「万国の内政学者よ、団結せよ」という呼びかけに惹かれた。その頑張りによって希望は見えてくるのだと呼びかけている。
◎ 第4テーマ・高村ゆかり×江守正多「「トランプ時代」の科学の使命」
 パリ協定から進んできた、温暖化対策がここへきて、吹っ飛んでしまいそうだ。トランプの、ナショナリズム、短期的な利益重視、そして「戦争」は、展望を見失わせるものだ。「戦争」は、温暖化を進め、国際的な協力体制を困難にしている。非国家主体に期待を寄せるしかない状況だ。若い世代などから新しい動きを作る必要がある。
 などと、話し合いました。
 
■ 1月号のその他のお薦めは
・立野(佐)「「一〇三万円の壁」から見える政治の病理」片山善博
・巻  「「過剰文明」からの脱却を」      石橋克彦
・須山 「アメリカ最高裁と「生きた憲法」の黄昏」西崎文子
   https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%A8%8E%E8%AB%96%E4%BC%9A-%EF%BD%9E%E7%A7%81%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%86%B2%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BD%9E-%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%EF%BC%91/dp/B08KR33Z22
    「正義はどこに」            鴨志田郷
    「ロングフォーム・ポッドキャストの勝利」若林 恵
    「同じ災害はふたつとない」       坂 茂
      でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、2月例会のお知らせ
 ●日 時 2月12日(水) 午後7時
 ●zoomでのオンライン開催
 参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
 ●持ち物 雑誌『世界』2月号
 ○共通テーマ
 ・「韓国 女性たちの「消えない光」」      趙慶喜
 ・「ウクライナ戦争の戦争責任をどう論じるか」 宇田川幸大
 ・「情報は民主主義の血液」           三宅玲子
 ・「刑事司法はなぜ変われないのか」      高平奇恵
 ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
 ● 連絡先 須山
    suyaman50@gmail.com
 
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