zoomの『世界』を読む会・11月例会の報告
zoomの『世界』を読む会・11月例会が、11月29日(金)、午後7時半~、5名の参加で行われました。
■ 今月のテーマは
・兼子 歩「アメリカン・ストロングマン」
・玉置敦彦「「アメリカの時代」の終わりと日本外交」
・橋本陽子「労働者・自営業者・フリーランス」
の3本でした。
◎ 第1テーマ・兼子 歩「アメリカン・ストロングマン」
筆者の主張である、ジェンダー、人種への差別へのバックラッシュが進むのでは、という見立てには、納得するものの、トランプの圧勝という結果を受けて、論議は、どうしても選挙結果を巡る意見に傾きがちでした。日本のマスコミもアメリカの報道機関も、予想を違えた結果だった。大きくは「アメリカの落日」の中でのナショナリズムの台頭という背景がある。敵を作って陰謀論に巻き込む手法が力を持っていること、選挙制度を使って犯罪者が正統性を得るというパターンが進んでいること。弱肉強食の無秩序な世界への突入を感じて恐ろしい。トランプの政策は早晩破綻するだろうが、今後が見通せない。筆者が主張するようなアメリカの民主主義の復興、覚醒が、目に見えるように捉えられないのが苦しいところだ。
◎ 第2テーマ・玉置敦彦「「アメリカの時代」の終わりと日本外交」
現状肯定で、日本政府はうまくやってきたというような見方だが、そうだろうか。軍拡と軍事同盟を強化することと、外交で平和を構築することを、同時に進めるということが出来るのだろうか。安全保障のジレンマは現実に重要な問題点だろう。軍事費の増大は、税負担を強いることになり財源的に不可能ではないか。習近平の中国のあり方が非常に大きな問題だが、軍事挑発はしても、戦争に踏み出す可能性は迫ってはいないのでは。
◎ 第3テーマ・橋本陽子「労働者・自営業者・フリーランス」
フリーランスの拡大は、キラキライメージとは違い、その実態は「雇用の調整弁」としての利用にあるだろう。正規雇用から非正規雇用、派遣労働者の職種を製造業にまで広げたことなどの延長にある。形式的に経営者の立場に立たされているが、契約当事者間での力関係の非対称性が問題だ。弱者の保護の観点で、欧米に倣って法の充実が待たれるだろう。
などと、話し合われました。
◎ ZOOMの『世界』を読む会、12月例会 の予定
●日 時 12月20日(金) 午後7時半~9時半
※ 月末の金曜が定例ですが、今月は一週間前にしました。
○共通テーマ
・「日中「平和・協力・友好の海」のゆくえ」 毛利亜樹
・「アメリカ「オルタナティブな現実」が覆う未来」竹田ダニエル
・「これからの時代の税の考え方」 諸富 徹×広井良典
○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com