● ジャン・ユンカーマン×前泊博盛 「忘れられない島をめぐる記憶と未来」を読んで
『世界』8月号 須山敦行
※ 沖縄から! 大切なメッセージを届けられた思いだ。
現代人の教科書だ。 沖縄を学び、未来を学ぼう! と思わされた。
映画『沖縄・うりずんの雨』の監督と沖縄国際大教授の対談。短いが、内容が詰まっている。ずしり重い。
その重い、言葉の一部を紹介する。
◎ 敵も味方もない
「実際には戦争に敵も味方もない。」
「つまり兵士たちも被害者だということ」
※ 安倍のような人の、戦前の岸のような人の、被害者なのだ。
戦争には敵も味方もない。あるのは、戦争を進める者と、させられるのを拒む者との敵対だ。
◎ 「戦争で亡くなった兵士よりも、
その後自殺で亡くなっている兵士のほうが多いのです。」
今も心の傷に苦しむ
↓
◎ 「沖縄戦はまだ終わっていない。今も続いている」
※ 平和を勝ち取るまでは、終わらない。
◎ 摩文仁からの移動で
「死体の絨毯が敷き詰められていて踏まずに歩くことができない」
※ その死体を踏む感覚を、今も感じつづけなければならない。戦争がなくなる日まで。
◎ 沖縄基地の抑止力
尖閣問題ではその「抑止力」効果はまったく発揮されていない。
結局、軍事力そのものは領土問題などの紛争の抑止力たりえず、抜本的な解決策にもならない。
いまだ軍事力に対する過剰な期待がありますが
軍事力の存在理由は時代ごとに変化しているんです。
◎ 軍事安保 から 経済安保 へ
人類はいつまで軍事力に依存しているのか
※ そこから脱出する道をこそ、研究し、突き止め、実行すべき道だろう
その努力が、私たちの生き方だ。
軍事力依存から抜け出す道を拓こう!
◎ 最も他国民を殺した国
「二〇世紀で最も他国民を殺した国はどこだろう」
日本なのかもしれない
二〇世紀で多くの人を殺してきたのは、日本やアメリカをはじめ、「先進国」と呼ばれる国々です。
殺戮のための経済構造
軍産複合体
それを脱して
経済的連携を新しい安全保障の形にしていく必要があります
◎ 二つの神話
1 基地がなくなると沖縄は経済的に困る
2 基地がなくなると沖縄と日本の平和が危なくなる
◎ 沖縄が基地なしの経済を作れば
基地依存度の高い米国経済の脱基地経済、脱軍事経済の処方箋にもなりうる。
脱基地で発展する沖縄の姿を見た時に、アメリカ自身が基地依存経済の呪縛に気づき、アメリカにとって沖縄は「忘れられない島」に変わっていく。
(フランク・ギブニー『忘れられた島』)
※ 沖縄は、未来を見据えている。
沖縄は、未来を切り開こうとしている。
◎ 沖縄からどんどん新しい発想が出てきている
※ まことに、沖縄を見て、沖縄を考え、沖縄から学ぼうとする者は、新しい多くのものを学ぶ者となる。