『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

zoomの『世界』を読む会・6月例会は3名で。

2024-06-30 17:57:02 | 日記
 zoomの『世界』を読む会・6月例会の報告
 
 zoomの『世界』を読む会・6月例会は、6月28日(金)、午後7時半から、3名で行なわれました。
 
■ 今月のテーマは、
 ・渡邉 琢「「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件」
 ・橋本伸也「「歴史家論争2.0」とドイツの転落」
 ・藤井 光「武器を手に取るアーティストを忘却してはならない」
  の3でした。
 
● 第一テーマ渡邉 琢「「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件」
 人間が生きるということ、生きるためには「励まされる」ことが必要だ。人間というのは、「生きることに価値を見出そうと努力している存在だ」。「死の容認」に対しては、とことん抵抗しなくてはならないのだ。「死の自己決定権」という言葉がとてもイヤだ。
 「トー横キッズ」を取材した「アットホームチャンネル モカ」は参考になる。
 https://www.youtube.com/watch?v=-fFgt9xcOLU&t=4s
● 第二テーマ橋本伸也「「歴史家論争2.0」とドイツの転落」
 ホロコーストの「唯一無二」性という主張は、今の時代(※ ガザでイスラエルがジェノサイドをしている)には全く合わない。「ドイツ・カテキズム」の五箇条の教理(カテキズム)の5番目=「反シオニズムは反ユダヤ主義である。」は、イスラエルの蛮行を許す考え方の中心だ。反シオニズムは反ユダヤ主義ではないということが重要だ。問題は植民地主義にある。日本は過去の総括を全くしようとしていない。
 現代の極右の台頭は、ネオナチではなく、自国中心主義のナショナリズムや人種主義で、国家間競争という面が進行している。世界の政治リーダーが、「戦争を知らない」者たちになっている。
● 第三テーマ藤井 光「武器を手に取るアーティストを忘却してはならない」
 非暴力主義を貫くことを手放してくないが、武器を取らざるをえなくなっている現状の中にいる者の存在を「置き去り」にしないで、自己の責任に関連づけることを忘れてはならない。
 芸術は権力に対立して立つものだが、芸術が戦争を支えてしまうという現実もある。市民の力に係っている。
 などと話し合いました。
 
■ 6月号のその他のお勧めは
・井内 「「国のかたち」の一方的な変更は許されない」
                     青井未帆×石井 暁
・巻  「存立危機事態の存立可能性」      長谷部恭男
・須山 「光州旅行で考えた、民衆と市民」     三浦まり
  でした。
 
◎ ZOOMの『世界』を読む会、7月例会 の予定
 ●日 時 7月26日(金) 午後7時半~9時半
 ※ 月末の金曜が定例です。
 ○共通テーマ
 ・「ガザ反戦デモ 米学生新聞は大学当局とどう向き合ったか」
            アンナ・ベッツ、ジョナサン・ウルフ
 ・「スポーツ賭博はいかにしてアメリカ文化の一部となったか」                            
                    エリック・リプトン
 ・「ルポ 埼玉クルド人コミュニティ」       安田浩一
 ○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
 ● 連絡先 須山   suyaman50@gmail.com
 
 
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練馬の『世界』を読む会・6月例会は、7名で。

2024-06-22 18:57:24 | 日記
 練馬の『世界』を読む会・6月例会の報告
 
 練馬の『世界』を読む会・6月例会が、6月20日(木)、午後1時より、光が丘図書館第一会議室で、7名の参加で行なわれました。
 例によって、手作りの美味しいケーキとコーヒーにチョコレートで。
 
■ 今月のテーマは、
 ・髙山佳奈子「「セキュリティ・クライアランス」制度の何が問題か」
 ・長谷部恭男「存立危機事態の存立可能性」
 ・神里達博「「紅麹」サプリ事件の深層」
 ・中澤まゆみ「介護報酬引き下げで、訪問介護サービスはどうなる?」
  の4本でした。
 
● 第一テーマ、・髙山佳奈子「「セキュリティ・クライアランス」制度の何が問題か」
 「セキュリティ・クライアランス」制度は、立法事実がないのに、網羅的に網を被せるような内容で、恣意的に運用される危険なものだ。通産省などの一部の者の利権に絡んでいる。着々と進む戦争できる体制への一歩だ。
 有識者会議というものがあって、そこには反対派も入れているが、最終報告には出てこない。隠れ蓑になっているが、市民との繋がりがあるものでなければ。
 
● 第二テーマ、・長谷部恭男「存立危機事態の存立可能性」
 頭の体操になった。安保法制違憲訴訟仙台高裁判決は、見た目に反して、集団的自衛権の行使を限定解釈しているのではなく、全否定している。他国が攻撃されたのに、日本が直接攻撃されたのと同様の損害を被る事態に厳密に限定的に解釈するのなら違憲性が明白であるとは言えない。としているが、日本が直接攻撃されたのと同様の損害を被る事態は、現実にはあり得ないので、集団的自衛権を認めることは不可能だ、と。
 アイスクリームを、外出先にいると同時に自宅にもいるという例外的な場合には、外出先でも食べて良いというように、ルールを変更した。というケースだと。
 
● 第三テーマ、・神里達博「「紅麹」サプリ事件の深層」
 境港のグルコサミン製造会社の話が紹介された。グルコサミンはカニやエビの甲羅から採るタンパク質。食べても、効くか効かないか、効かないでしょう。要素還元主義批判、福岡伸一の「動的平衡」の話に。「機能性表示食品」という、アベノミクスの規制緩和=「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」のアメリカの言うままが問題だ。
 
● 第四テーマ、・中澤まゆみ「介護報酬引き下げで、訪問介護サービスはどうなる?」
 今回の介護報酬の改訂=引き下げは、今でも非常に困難な状態にあるのに、大ダメージを与えるだろう。人対人の、長い時間を掛けて成り立つ仕事なのに。
 などと、話し合われました。
 
■ 今月号のその他のお勧め
 ・須山 「武器を手に取るアーティストを忘却してはならない」   藤井 光
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、7月例会 の予定
 ●日 時 7月18日(木) 午後1時~4時
 ※ 第三木曜日が定例です。
 ●場 所 光が丘図書館・第一会議室
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
 ・「中東を揺るがす「影の戦争」」      溝渕正季
  ・「「先生=大変」までの20年」      武田砂鉄
 ・「「難民を受け入れる」ということ」    橋本直子
 ・「ボナエ・リテラエ 第20回(最終回)」森本あんり
 ● 連絡先 須山  suyaman50@gmail.com 
 
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東久留米の『世界』を読む会・昼の部・6月例会は、8名で。

2024-06-22 18:42:41 | 日記
東久留米の『世界』を読む会・昼の部、6月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・昼の部、6月例会が、6月19日(水)、午後4時~6時、生涯学習センター集会会議室5で行なわれました。参加者は、新しい方1名を含めて、8名でした。
 
■ 今月のテーマは、
 ・青井未帆×石井暁「「国のかたち」の一方的な変更は許されない」
 ・水谷瑛嗣郎「デジタル空間に潜む三つのリスク」
 ・渡邉琢「「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件」
  の3本でした。
 
 第一テーマの・青井未帆×石井暁「「国のかたち」の一方的な変更は許されない」で、憲法、安全保障に関して、論者の意見への賛否で意見が対立して、長時間の議論となり、第二、第三テーマは、時間が限られたものになってしまいました。
 世界が、平和への道筋を見つけられるといいのですが、明るい見通しは見えないのが残念です。NHKの朝ドラは「おしん」以来、女性を主人公にしていて、今の「虎に翼」に見られるように女性の人権という点では「日本国憲法」の力を示すことが出来るかな。
 第三テーマの・渡邉琢「「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件」について、人命尊重と尊厳死という対立軸での議論の立て方が出来ていないという指摘がありました。
 
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)7月例会のお知らせ
 ●日 時 7月17日(水) 午後4時
 ●場 所 生涯学習センター・集会学習室3
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
  ・「スポーツとレイシズム」     有賀ゆうアニース
  ・「神宮外苑再開発とスポーツ利権を問う」
                  大方潤一郎×佐々木実
  ・「ルポ 埼玉クルド人コミュニティ」   安田浩一
 ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ この他に、zoomでの『世界』を読む会が、第2水曜の、午後7時からで開催されています。参加希望の方は、メールで申し込んで下さい。
 ● 連絡先 須山
             suyaman50@gmail.com
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富岡の『世界』を読む会・6月例会は、5名で。

2024-06-21 19:19:12 | 日記
富岡の『世界』を読む会・6月例会の報告
 
 富岡『世界』を読む会・6月例会は、6月20日(木)14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティセンターにて、5名の参加で開催された。
 
 今回のテーマは、1.渡邉琢「『ALS嘱託殺人』と隠蔽されたもうひとつの事件」(前編5月号、後編6月号)と、2.神里達博『「紅麹」サプリ事件の深層」、および 3.星浩『滅びゆく日本、再生への道』最終回の3つの論考だった。
 
Ⅰ.渡邉琢『「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもう一つの事件』  
 この論考は、サスペンスドラマのようなスリリングな展開に関心を集める一方で、読者に「生と死」を見つめる繊細で微妙な感情を呼び起こさせ、深く神妙な思考をうながすものだった。両親の終末期の延命治療の可否判断についての経験や障害者を持つ家族の当事者性に思いを馳せ、死ぬ自由、自己決定権、そして安楽死について意見が交換された。  しかし論考の目的は、安楽死の是非を問うものではない。「ALS嘱託殺人」を安楽死ととらえた、必ずしも少数派とは言えない世間の受けとめ方は、はたして「正論」なのか。筆者は、被告たちの犯した「もうひとつの(殺人)事件」を並立させ、その2つの事件に通底する特徴を析出する。生命軽視。そして、被告たちの見解と思想は、相模原障害者殺傷事件の植松聖の考えと共通し、ナチス・ドイツのT4作戦の思想に繋がるものだ、と強く主張する。『世界』では珍しい論考だった。
 
Ⅱ.神里達博『「紅麹」サプリ事件の深層』
 紅麹サプリ事件を科学技術論の立場から分析した論考だ。この事件の背後にある思想を、二つのキーワードにまとめている。要素還元主義的身体観と自己責任的健康観。前者は、複雑で多様な生命現象をもつ人の身体に対して、濃縮された単一物質を健康に良いとして過剰摂取させる企みとなり、後者は、人体に危険を及ぼす労働現場や環境問題を不問に付す規制緩和を正当化する新自由主義思想にリンクする。  問題の「紅麹」を含む機能性表示食品が、「アベノミクス」による規制緩和の結果生み出されたことに、参加者の関心が集まった。ここに一人の人物が登場する。大阪大学寄付講座・森下竜一教授。健康・医療分野における規制改革を求める提言をし、機能性表示食品誕生の仕掛け人の一人だ。森下は、コロナ禍のもと早々と「DNAワクチン」開発を打ち出し、国から75億円の開発費を取得、吉村知事をして「初の国産ワクチン」との前のめり発言を引き出した当人でもある。しかし「DNAワクチン」開発は、多くの識者・専門家の予想通り、失敗に終わった。そして今、森下は大阪万博パビリオン・総合プロデューサーとして活躍中である。安倍晋三に重用された規制改革・アベノミクス人脈のいかがわしさを示すに余りある人物だ。
 
Ⅲ.星浩『滅びゆく日本、再生への道』
 国会での政治資金規正法改正案論議を見ていると、星浩氏の提案する国会改革案―①各院1/4以上要求での臨時国会召集の義務化、➁国政調査権の発動、③党議拘束の緩和、等による「国権の最高機関」に相応しい国会にする—が、夢のまた夢のような感覚に襲われる。政権交代に向けた有権者の覚悟が試される、と意見集約した。
 
Ⅳ.7月例会の予定
1.日程・場所:7月18日(木)14.00-16.00時、
        吉井町コミュニティセンター学習室(2F)
2.テーマ:『世界』7月から、
 (1)特集1.スポーツと権力 
  ①有賀ゆうアニース『スポーツとレイシズム』、
  ➁鈴木忠平『オリンピアンの涙』、
 (2)特集2.日本の中の外国人 
  ①安田浩一『ルポ 埼玉クルド人コミュニティ』、
  ➁林晟一『マルチエスニック・ジャパンの特別永住者』、
  ③熊﨑敬『原っぱのサッカー大会に吹く風は』、
  ④國﨑万智『レイシャル・プロファイリングはなぜ繰り返されるのか?』             以上
 
Ⅴ.追 記:
 5,6月号の渡邉琢『「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件』に関連した記事《私のブログ 「里山のフクロウ」から重度障害者殺傷事件と津島佑子著『狩りの時代』》を紹介します。
 
 
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東久留米の『世界』zoom・6月例会は、3名で。

2024-06-13 13:55:54 | 日記
東久留米の『世界』zoom・6月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・zoom、6月例会が、6月12日(水)、午後7時より行われました。参加は、3名でした。
 
◆ 今月のテーマは
 ・小松原織香×小田原のどか「慰霊とアート 水俣から考える」
 ・髙山佳奈子「「セキュリティ・クリアランス」制度の何が問題か」
 ・城野一憲「同盟調整メカニズムと「外国軍隊」」
 ・中西嘉宏「徴兵制は混乱するミャンマーに何をもたらすか」
 の4本でした。
 
■ 第一テーマ、小松原織香×小田原のどか「慰霊とアート 水俣から考える」
 対談者が言いたいことが理解しにくく、伝わらない。水俣について考えが深まる内容がない。雑誌の冒頭の文章が、こんな風だと、読者を失うことになるのでは。
 という、厳しい意見でした。
■ 第二テーマ、髙山佳奈子「「セキュリティ・クリアランス」制度の何が問題か」
 刑法の専門家の文章で、説明を理解するのに苦労したが、今回の法案が、どのように問題なのかを理解することができた。法案は、人権を侵し、国際標準からかけ離れた恥ずべきものになっている。法案が自由主義経済の放棄につながる「計画経済」にすら見える。こんな法案について、国民は全く理解しない間に通ってしまう。専門家というものは、大切だとつくづく感じた。
■ 第三テーマ、城野一憲「同盟調整メカニズムと「外国軍隊」」
 副題にあるように、「自衛隊と米軍の一体化の完成」という所に来てしまった。南西諸島のミサイル基地化にしても、報道がされず、国民が認識していない間に、軍事化が進められてしまった。砂川判決が前提としている「外国軍隊」と「自国の軍隊」の二分法はあてはまらなくなっていて、最高裁は安保法違憲訴訟などで、憲法の番人としての判決を出すべきだ。
■ 第四テーマ、中西嘉宏「徴兵制は混乱するミャンマーに何をもたらすか」
 ガザ、ウクライナの陰に隠れて、ミャンマーが見棄てられている。国際社会は、ミャンマーの窮状を放置していてはいけない。混乱が引き続きそうな気がする。
 などと、話し合いました。
 
■6月号のその他のお勧めは
 ・巻  「存立危機事態の存立可能性」    長谷部恭男
     「「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件」 渡邉 琢
 ・須山 「光州旅行で考えた、民衆と市民」  三浦まり
     「武器を手に取るアーティストを忘却してはならない」藤井 光
    でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、7月例会のお知らせ
 ●日 時 7月10日(水) 午後7時
 ●zoomでのオンライン開催
  参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
  ・「中東を揺るがす「影の戦争」    溝渕正季
  ・「佐賀空港にオスプレイはいらない」 吉田敏浩
  ・「沖縄戦後史 故郷の喪失と創造」   古波藏 契
 ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
 ● 連絡先 須山
              suyaman50@gmail.com
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