『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

zoomの『世界』・10月例会は、5名で。

2022-10-31 20:53:06 | 日記
zoom『世界』を読む会・10月例会の報告
 
 zoomの『世界』を読む会・10月例会は、10月28日(金)、7時半から、新しい方1名を加えて、5名で行われました。
 
■ 第一テーマ・藤原帰一「壊れる世界 第2回 大国の戦争」
・朝鮮戦争以下の戦争で大国が勝てずに撤退したという見方は新鮮だった。
・大国は勝つことを目標としていたのか。相手を弱体化させる、懲らしめる、その中で軍事産業が育ち、武器が開発されるという意味では大国は目的を達成しているのでは。
・「戦争は国際政治を変えるのか」〔p.174〕の答えとして「安全保障政策と体制の再編や教化が進んでいる」〔p.181〕ということなのだろう。北欧でのNATOの拡大とか軍事同盟化の結果をもたらしている。
・群雄割拠のような、「世界が壊れる」という状況に見舞われるのか。
・冷戦期とは違うどのような国際秩序をもたらすのか。
・世界全体の軍事化の方向での変化が問題だし、日本の市民にとっても大きな懸念だ。
・朝鮮戦争の評価が、当時の自分たちの把握とは違ってスターリンの主導によって始まったという評価が定説になっている。
・これらの戦争の終結は、それぞれ指導者の死去によって国益を考慮して休戦がもたらされた歴史があるが、ウクライナ戦争はどのような終結への道が考えられるだろうか。
・長期化するんだという悪い見通しが述べられているが、何によって終わらせられるのか。
・どこかの国がイニシアチブをとってこの戦争を終わらせることを考えていかなくてはと思うが、その国が見えてこないで、泥沼化しつつある。
・当事国の国民にとっては、暢気に長期化するだろうと評していられることではない。
・日本が停戦のイニシアチブを取るくらいであってほしい。
・大国の撤退は、大義のないエゴの押し付けは最終的に勝てないということでは。
・アレクシェーヴィチの『亜鉛の少年たち』、『戦争は女の顔をしていない』などを読んでいるが、人々が、戦争の実相から見て考えるということが欠けている議論をしているように感じる。
・大国の国内での反戦運動、反戦の機運の高まりが大きく働く。
・かつてのベトナム戦争反対の声のようなものが現状、極めて弱い。
・アメリカが長期化を避けて、より強い攻撃に出て終わらせようという声もあるが、それは追い詰められたプーチンが核を使わないという前提だが、そこが不明で踏み切れない。・戦争は起こしてはいけない、というのが最大の教訓だ。
・戦争の終わらせ方が大切だ。武力の重視が結論ではいけない。
・9月号から分かることは、ウクライナ戦争は、冷戦後の世界をどう作るのかのつまづきだ。西側が、どういう世界を構築するのかという課題を持っているということだ。
・戦争は誰にも利益にならない、のではなく、それで儲ける人が必ずいて軍産共同体がそれだ。
・ロシア批判に回りにくいアフリカなどの対応は、頼るべきもののない、世界の流動化といえるのかも。
 
■ 第二テーマ・山本龍彦×小嶋麻友美「兵器化する「表現の自由」とアテンション・エコノミー」
・「兵器化する」という言葉に、納得した。
・SNS上の「言葉」が、極めて表層的なものに感じて、問題に感じる。
・プラットフォームの問題がクローズアップされているのは時宜を得ている。
・「今や国家よりもプラットフォームのほうが私たちの日常的な行動に影響を与えている」〔p.210〕ということが重要だ。
・NHK党などが議席を得て、社民党以上になってしまうようなことが生じている。
・表現の自由が、アメリカとヨーロッパで異なるものになっているが、今度どうなっていくだろうか。
・言論の自由を守るということは、権力を持たない弱者の言論の自由を守るという意味だ。
・匿名性も弱者を守るためのものだ。強者に匿名性を認めるということはおかしい。
・アテンションエコノミーが人間の関心をターゲットにするために、正義感や快楽を一方的に増幅させて燃え上がらせる傾向が絡んでいて問題を生んでいる。
・イーロン・マスクがツイッターを買収したので、表現の自由を守るのだと、トランプのアカウント削除が解除されるようで、注視する必要がある。アメリカの政治、国際政治の動きにも影響してくるだろう。
・Qアノンのプラットフォームを提供したのは、「ひろゆき」で、Qアノンをやっていたのは「ひろゆき」の会社の社員だということだ。
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021030500011.html?page=2
 
■ 10月号のその他のお薦め
 ・須山「新自由主義の覇権の終焉」       菊池恵介
 ・針谷「袋小路のマイナンバーカード」     片山善博
 ・井内「歴史の一部としてのロシア=ウクライナ戦争」
                        末澤恵美
 
◎ ZOOMの『世界』を読む会、11月例会 の予定
 ●日 時 11月25日(金) 午後7時半~9時半
 ※  月末の金曜が定例です。
 ○共通テーマ
 ・「壊れる世界 第3回 権力闘争としての国際政治」
                       藤原帰一
 ・「戦後民主主義という経験」        山本昭宏
 ○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
 ● 連絡先 須山
             suyaman50@gmail.com
 
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練馬の『世界』を読む会・10月例会は7名で。

2022-10-23 19:35:00 | 日記
練馬の『世界』を読む会・10月例会の報告
 
 21日(金)、午後1時より、練馬の『世界』を読む会・10月例会が、光が丘図書館会議室で行われました。参加は7名でした。
 
今月のテーマは
・「戦争と奴隷制のサピエンス史」         三宅芳夫
・「民主主義と自治の再生へ」      岸本聡子×内田聖子
・「戦争の起源、NATOの役割、ウクライナの将来シナリオ」
                     マルチェロ・ムスト
・「兵器化する「表現の自由」とアテンション・エコノミー」
                   山本龍彦×小嶋麻友美
    でした。
 
 いずれも大きな、そして重いテーマで、論稿の内容も充実していて、知的雰囲気の高まる会となりました。
 「人民による人民の支配」という共和制=自治というものを実現する課題が、私たちの前にデンと据えられている気がしました。
 デジタル社会の問題では、「言葉」の復権という課題、人と人が会話、対話していない状況の克服という課題を確認しました。
 ウクライナの将来シナリオは、描けない思いでしたが、岸本聡子さんの杉並での勝利は、皆さんに希望を与えていました。
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、11月例会 の予定
 ●日 時 10月18日(金) 午後1時~4時
 ※ 毎月、第三木曜日が定例ですが、11月も金曜です。
 ●場 所 光が丘図書館・第一会議室
 ●持ち物 雑誌『世界』11月号
 ○共通テーマ
 ・「簒奪される公教育」             大内裕和
 ・「千三つのギャンブル」             辛淑玉
 ・「戦後思想の胎動と誕生 一九三〇-一九四八」 三宅芳夫
 (「この民主主義を守ろうという方法によっては
 民主主義を守ることはできない」        酒井隆史)
 ● 連絡先 須山
                suyaman50@gmail.com
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小岩の『世界』を読む会・10月例会はzoomで、4名で。

2022-10-23 19:02:24 | 日記
小岩の『世界』10月例会の報告
 
 19日(木)、午後7時半から、小岩の『世界』を読む会・10月例会がzoomで開催されました。参加は4名でした。
 
■ 第一テーマ・郷路征記「宗教カルトの何が違法なのか」
・まさに題名にある「何が違法なのか」の列挙された六つの違法性が、明確に違法だと認識しにくい、つまり説得力に欠けるのではという疑問が出され、そこで、一つ一つを検討する論議を進めました。
・主な論点は、権力から守る「信教の自由」ではなく、宗教に伝導される側の思想・良心の自由、信教の自由が、つまり「宗教上の自己決定権」が侵されることが問題で、それを侵害する伝導・教化は違法だという筋で、一つ一つを検討してみました。
・これまでの宗教活動、伝道、勧誘の中で、特に違法と意識されずに行われていることと、どう違うのかを説明する難しさを感じるところがあるのが分かります。つまり、これまでこのような伝道の違法性を問うようなことがなかったということかなと。
・離脱出来ないということに関しても、従来の宗教にもありがちなことだが、統一教会の事例では、離脱について非常な努力を要する例があることなども話し合いました。
・実際には、これから法廷などで、違法性が問われるのだが、その一つの観点を提起しているものでしょう。
 
■ 第二テーマ・三宅芳夫「戦争と奴隷制のサピエンス史」
・大変スケールのある、重厚と言えるような内容で、良かったという意見がほとんどでした。
・「戦争」と「奴隷制」という視点から、人類史を把握するということが新鮮で説得力があると。
・「穏健啓蒙」と「急進啓蒙」という、見方も面白くて参考になる。
・アナキズムを考えることが、現状を変革していく上で重要な視点を与えることを感じました。
・結論で、「資本蓄積最大化の公理を廃棄し」、「組織的に独占された暴力を最小化する」システムが人類の最後の希望だと提起されていることに、骨太の筋道を与えられる気がしました。
 
■ 第三テーマ・石島紀之×前田哲男×伊香俊哉「重慶爆撃から考えるウクライナ戦争」
・これは、映画を巡っての鼎談でした。
https://www.youtube.com/watch?v=321DQmOZc6w
 こちらで見られます。
・日本人の学ぶ歴史には「重慶爆撃」が出てこない。
・「重慶爆撃」が、相当な期間、継続的に行われたことだとは知らなかった。
 
●10月号のその他のお薦めは
 ・須山 「新自由主義の覇権の終焉」      菊池恵介
 ・片山 「民主主義と自治の再生へ」 岸本聡子×内田聖子
               でした。
 
◎ 小岩の『世界』を読む会、11月例会 の予定
 ●日 時 11月17日(木) 午後7時半~
 ※ 30分繰り下げました。お間違えないように。
 ●zoomによるオンライン開催
 ※ 参加希望の方は連絡ください。
 ●持ち物 雑誌『世界』11月号
 ○共通テーマ
 ・「簒奪される公教育」        大内裕和
 ・「小田実 難死から「殺すな」へ」   神子島 健
 ・「ハイチ二〇〇年の苦難」     山岡加奈子
 ●連絡先 須山
          suyaman50@gmail.com
 
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富岡の『世界』を読む会・10月例会の報告

2022-10-23 14:35:27 | 日記
富岡『世界』を読む会・10月例会の報告
 
(郡山さんから)
 富岡『世界』を読む会・10月例会が、10月19日(水)午前、吉井町西部コミュニティセンターで開催されたので、報告します。
 今回のテーマは、『世界』10月号から、①岸本聡子✕内田聖子・対談『民主主義と自治の再生―フィアレス・シティへの条件とは何か』と②谷口将紀・淺野良成・大森翔子『2022年参院選―データが示す有権者の右傾化』の二つの記事でした。①が地域からの民主主義の再生を熱く語り合った、未来への希望を予感させる対談であったのに対し、②の参院選投票行動分析は、日本社会の右傾化を指摘し、暗然とした気分にさせるものでした。
 
1.対談『民主主義と自治の再生へ』
 杉並区長選を僅差で勝利した岸本聡子さんと『世界』に掲載された「水道の再民営化」記事の筆者・岸本聡子さんが同一人物であることを、この対談ではじめて知った。
 アムステルダムのNGOで活躍していた女性が、杉並区長選に立候補したことも驚きだが、選挙に勝利したことは、さらなる驚きだった。「女性」「国際人」「市民活動家」という今までになかった首長候補の登場と新区長の誕生に、60,70年代の革新自治体の全国席捲を思い出し、希望の灯がともったとの感想を、参加者全体で共有し合った。
 地元で「町づくり」討論会に参加していても、何のためにしているのかわからないことが多く、対談で語られている「アジェンダ設定」が的確でないのだと思う、と体験が語られた。
 また、「気候市民会議」のような直接民主主義的な手法は、住民の参加意識の欠如と政治家の劣化という二重の不幸に対し、住民の覚醒を促し政治家を刺激するのに有効だ、との意見が出された。
 自ら自転車通勤をする岸本区長の提起する「自転車が乗りやすいまちづくり」も、わかりやすく身近で、魅力的なアジェンダだ。かつて荻窪に勤めていた参加者からは、当地では自転車が歩行者からも自動車からも嫌われ排斥されていた、との感想が述べられた。杉並区民と岸本区長の立案と実践に注目したい。
 新自由主義による民営化、外部委託、公務労働の非正規化は、公務員の持つ専門性の蓄積と継続にマイナスだ、と指摘された。
 長年地域のスポーツ団体に関わってきた参加者は、スポーツ大会や交流会などの経験知が団体メンバーに共有され蓄積されてきたことから、運営を外部委託しておれば、この経験の蓄積と継続は失われただろうと、指摘した。
 「民主主義と自治の再生」という観点から地元群馬の自治体を見ると、玉村町の実践をあげることができる。2020年の町長選で自公支援の現職に小差で勝った石川眞男町長の福祉政策が注目される、と紹介された。たとえば、生活保護受給について、町役場職員が町内巡回をするなかで、住民相談を積極的に行っている。町役場のサイトを見ると、生活保護受給の手続について、丁寧でわかりやすい説明がされていて、好印象を受ける。まだまだ地方自治の再生による民主主義の強化と復活に、希望が持てると、出席者間で確信し合った。
 
2.谷口将紀・淺野良成・大森翔子『2022年参院選―データが示す有権者の右傾化』
 この参院選分析結果に対して、「大変暗い気持ちで読んだ」「ロシアのウクライナ侵攻の影響の大きさを痛感した」「全般的右傾化の先に何があるのか、恐ろしい」「維新の躍進、参政党・N党の議席確保、立憲・共産の不振、これらの原因分析を期待したが、不発だった」「有権者調査・候補者調査の信頼度に疑問」等々の感想が出された。
 前の対談が明るい話し合いになったのに対し、参院選分析はイヤーな感じの議論に終始した。
 しかし、調査結果を踏まえた分析を素直に読めば、このイヤーな感じを抱えながらも、「右傾化からの反転攻勢」の道を探らなければならないと思った。
 
◎冨岡『世界』を読む会・11月例会の予定
 ■開催日・場所:11月16日(水) 午後2:00~5:00
       ※ 時間帯が午前から午後に変更しています。
         吉井町西部コミュニティ・センター
 ■テーマ
  ① 高橋哲哉 『終わりなき歴史責任-欧州の現在と日本(下)』(9月号の『上』も同時に読む)
  ② 辛淑玉  『千三つのギャンブル-民主主義を獲得するために』
 
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東久留米の『世界』を読む会・昼の部、10月例会は4名で。

2022-10-20 15:35:39 | 日記

東久留米の『世界』昼の部、10月例会の報告

 
 19日(水)、午後4時より、スペース105で、東久留米の『世界』を読む会・昼の部が行われました。参加は4名でした。
 
■ 第一テーマ 岸本聡子×内田聖子「民主主義と自治の再生へ」
・これまでの革新市政(区政)とは、また違った、世界の新しい動きに通じるような、全国に大きな影響を与える選挙結果、杉並区政の転換ではないだろうか。
・選挙に際して、3000人への無作為アンケートをして、住民の要求を摑んでいたそうだ。対話を前面に出したこれまでにない区長(市長)の在り方を示している。
・投票率が5%延びて、僅差で当選したということは、投票しない層を動かすことが、この結果を生んだのだ。
・気候市民会議の取り組みは、気候危機の中で重要で、それが広がることが望まれる。
・1年後、どんな結果をもたらすだろうか、どんな問題を抱えるだろうか、『世界』がそういう企画を是非して欲しい。
・岸本氏は、経歴も政策も、その行動もユニークで興味深い。
(※ 岸本聡子・公式ウェブサイト
を覗いてみましたが、参考になること満載です。)
 
■ 第二テーマ 山本龍彦×小嶋麻友美「兵器化する「表現の自由」とアテンション・エコノミー」
・アテンション・エコノミーの支配によって、権力からの「表現の自由」を守るという状況から、「兵器化」した、暴力的な表現から、受け取り手を守ることが課題になる状況へと変化している。
・ヨーロッパで進んでいる、法規制を日本でもつくっていく課題が喫緊だ。
・スマホを使っていると、提供される情報がこちらを見透かされているようで恐ろしく感じる。
 
● 10月号のその他のお勧めは
・富塚 「複合危機が襲う中東・アフリカ」     井堂有子
    「戦争の起源、NATOの役割、ウクライナの将来シナリオ」 
                      マルチェロ・ムスト
    「宗教が政治を支えるとき(下)」 島薗 進×寺島実郎
        でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)11月例会のお知らせ
 ●日 時 11月16日(水) 午後4時
 ●場 所 生涯学習センター学習会議室3
 ●持ち物 雑誌『世界』11月号
 ○共通テーマ
 ・「デジタル・デモクラシー 第10回」   内田聖子
 ・「戦後民主主義という経験」        山本昭宏
 ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ● 連絡先 須山
          suyaman50@gmail.com
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