『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

zoomの『世界』を読む会・6月例会は、4名で。

2022-06-25 16:22:09 | 日記

zoom『世界』を読む会・6月例会の報告

 
 zoomの『世界』を読む会・6月例会は、24日(金)、7時より、4名の参加で行なわれました。
 ところが、主催者の有料契約がカード紛失の影響で途切れていて、40分ごとに切れてしまうという悪環境での会となって、皆さんにご迷惑を掛けてしまいました。
 繋がったり、切れたりの繰り返しで、第二テーマの「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」杉田敦×齋藤純一は、割愛ということになりました。
 
 第一テーマの「核軍縮のリアリティ」の二論文、①中満泉「核軍縮の必要と必然」、②川崎哲「核兵器禁止条約という現実的選択」を、郡山さんの提案で話し合いました。
 
 郡山さんは、レポートを画面共有で示しながらの説明でした。
 印象に残った議論を載せます。
 
 ・今回のウクライナ侵攻で、「核抑止論」は破綻した。という『世界』の論者たちの主張と、実態としては各国で「核抑止力」への傾斜が強まるということがある中で、「核抑止論の破綻」を理論としてしっかり把握して説得的に語れることが大切だ。
 それは、「核のボタンを握る国家指導者があらゆる情報を正確に把握し理性的な判断ができることを前提にしなければ成り立たない」〔p.114〕のに、それは現実と合わないことを、プーチンの振る舞いで明らかになった、ということだ。
 それどころか、「核の保有」が、保有国が通常兵器で侵略するという(「核抑止力」の最もあってはならない形)を見せつけたのが、この事態だ。〔p.105〕
 ・参院選で、核兵器禁止条約は争点になっているだろうか。国民はどれだけ自分事として見ているのだろうか。唯一の被爆国日本の態度。オプザーバー参加をするドイツの政治家の悩ましい姿と、日本の政治家の全く悩まない姿を見せつけられている。
 ・マスコミの報道姿勢はどうだろうか。
 Eテレの広島地方局で6/17放映され、全国にも6/23に放映された「コネクト」という番組の「“核なき世界”逆境の中で...〜初の締約国会議を前に〜」というものは、良いものだったが、放送時間帯や扱われ方は大きくはなかった。
 ・DBOBという取り組みも紹介された。http://www.hhk.jp/dbob/
 
「反核医師の会」の「核兵器にお金を貸すな」という取り組みだが、欧米に比べて日本の動きは鈍いということ。
 ・プーチンの振る舞いで「核恫喝のタブー」が破られてしまったが、それを押し戻し、「核不使用の規範」の死守をすることが課題だ。
 
 このことは発言しなかったのですが、私(須山)が、深く同意したのは、川崎哲さんの次の文章です。
「核兵器禁止条約に限らず、国際条約の定めを最終的に強制する術は今日の世界には存在しない
 それでも、たとえば検証能力を高め、違反を公正に探知することができるようになれば、国家間の議論を通じた外交的解決の余地は高まる。
 条約など無力だと刹那的になって武力依存に突き進めば、その先には破滅しかない。
 この正念場で、私たちの理性と倫理が問われている。」〔p.122〕
「正義を強制する術は存在しないのだ」。「武」で決着を付けようとしてはいけないのだ。「文」は敗北するが、より良い方向へ進み出る道を広げるのだ。私たちは、その途上を生きるものなのだ、と。
 
◎ ZOOMの『世界』を読む会、7月例会 の予定
 ●日 時 7月29日(金) 午後7時~9時半
 ※ 月末の金曜が定例です。
 ○共通テーマ
 ・「台湾有事と集団的自衛権」      宮﨑礼壹
 ・「暴力と分断」            半沢隆実
 ○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
 ● 連絡先 須山
            suyaman50@gmail.com
 
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富岡の『世界』を読む会・6月例会は6名で。

2022-06-18 18:36:11 | 日記
富岡『世界』を読む会・6月例会の報告
(郡山さんから)
 
 富岡『世界』を読む会・6月例会は、6月15日6人の参加で開かれました。
テーマとしては、日本のデジタル改革に関する二つの論文(若江雅子『デジタル日本 その政策形成における課題』、内田聖子『デジタルデモクラシー 第6回 監視広告を駆逐せよ』)と特集2「批判的野党がなぜ必要か」から杉田敦×齋藤純一対談『リベラル政党の「可能性」と「不可能性」』を取り上げました。
 
1.デジタル改革について
 参加者の過半が、「クッキーという識別子」「広告ID」「トラッキング」「アジャイル・カバナンス・モデル」等々の聞き慣れない、あるいは初聞きのデジタル用語や外来語に辟易し、それでも辛抱強く読んで例会に参加、著者の問題提起に何とか挑戦した。
 政府のデジタル改革の狙いが、国民の利便性拡大と行政の効率化、IT人材の育成とイノベーションの促進等であることを確認の上、そこに潜む問題点を二つの論文を通して話し合った。若江雅子論文は、自民党内での電気通信事業法改正論議を追跡する中で、当初方針であった個人情報保護の観点から「利用者のウェブ閲覧履歴や購買履歴などの外部提供の規制」が、経済界やビッグテックの活発なロビー活動を受けて骨抜きになり、その結果、日本の利用者は諸外国国民の享受しているデータ保護レベルを享受できなくなった、と指摘している。さらに、そのことが結果的に、日本の産業界のイノベーションを阻害するだろうと懸念した。
 参加者からは、日本政府のデジタル改革、とりわけプライバシーや人権保護の観点が、米欧先進諸国や東アジアのデジタル先進国と比較し、周回遅れであることにため息まじりの怒りが表明された。火力発電の廃止やEV車の開発など、脱炭素社会に向けた政府の政策や経済界の動向と同様に、日本社会はひたすら「ガラパゴス的進化」に邁進するのか、とのため息。他の参加者からは、個人情報に対する国民の意識の遅れや人権意識の低さを指摘する声も上がった。
 また、巨大プラットフォーム事業者と個人との圧倒的な力の差からみて、個人情報と人権の保護のためには、法的規制はどうしても必要である、と了解しあった。ここでいう巨大プラットフォーム事業者に向かい合う「個人」とは、インターネット利用者だけではなく、その傘下で働く下請け企業や労働者が含まれる。アマゾンの倉庫内労働者や運送労働者が組合を結成し始めたというニュースが紹介され、今後の取り組みが期待される。
 
2.対談・杉田敦×齋藤純一『リベラル政党の「可能性」と「不可能性」』
 今日の日本の政治は、参院選を前に、高支持率にほくそ笑む岸田内閣と、分断と対立のなかしょぼくれる野党といった風景だ。だからこの対談は、「ガンバレ野党!」の気持ちを込めて企画されたものと期待したが、当てが外れた。野党間の混迷と同様、私たちの論議もいまひとつパットしなかった。
 「対談」という形式のためか、話題は広範囲に及び、一つひとつのテーマは興味深いものもあるが論議が中途半端で、指摘された事項(例えば、革新は「平等」と「多様性」を自覚的に追求せず「平和」の問題が議論の焦点だった)についての真摯な討論になったとは思えない。対談の両氏には、提起された各論の詳論を期待したい、との声が上がった。
 
◎冨岡『世界』を読む会・7月例会の予定
■開催日・場所:月20日(水)9.30-12.30
       吉井町西部コミュニティ・センター
■テーマ
 ①藤原帰一『抑止とその限界 ロシアのウクライナ侵攻と国際関係』
 ②ユルゲン・ハーバーマス『戦争と憤激』
 
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小岩の『世界』を読む会・6月例会、5名で。

2022-06-17 20:36:35 | 日記
小岩の『世界』を読む会・6月例会の報告
 
 16日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会・6月例会が、5名のフルメンバーで行なわれました。コロナ状況の落ち着きで、今回も生で、集まって行なわれました。手作りレーズンパン、手作りジャム、その場で淹れるコーヒー、ソーセージで腹を満たしながらの会です。
 今回は特集2の「批判的野党がなぜ必要か」の全論文を扱うという、大きなスケールの話し合いで、差し迫った参院選を前に、極めて具体的な政治状況を巡る話し合いとなりました。小岩は長くなるという「特徴」が出て、まだ話し足りないのを、ストップさせて別れたのは、11時30分。これでは、明日のお仕事に差し支えます。次回からは、コンパクトに、といつも反省です。
 
■ 今月のテーマは
    ・「「野党の役割」とは何か」        吉田 徹
    ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                    杉田 敦×齋藤純一
    ・「野党がジェンダーで「勝つ」ために」   太田啓子
    ・「分断される野党」           川上高志
    ・「批判的労働運動の政治的使命」     篠田 徹
    ・「「批判する」とはどうこうことか」   小河原 誠
       でした。
 
●6月号のお薦めは
 須山 ・「岩波俳句 恥じ入る」    池田澄子
       でした。
 
◎ 小岩の『世界』を読む会、7月例会 の予定
 ●日 時 7月22日(金) 午後7時
  ※ いつもと曜日が違います。間違えないように。
 ●場 所 南小岩8丁目21の8
      小岩駅から徒歩約3分
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
  ・「抑止とその限界」         藤原帰一
  ・「台湾有事と集団的自衛権」     宮﨑礼壹
  ・「多国間主義の危機」         松井芳郎
 ●連絡先 須山
              suyaman50@gmail.com
 
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練馬の『世界』を読む会・6月例会は、8名で。

2022-06-17 20:14:11 | 日記
練馬の『世界』を読む会・6月例会の報告
 
 練馬の『世界』を読む会・6月例会は、16日(木)8名の参加で、にぎやかに美味しく、そして深く、学び合いました。
 哲学者や経済学者の名前が沢山出てくる、「アカデミック」な会でした。濃い話が長く続き、気が付いたら部屋明け渡しの5時。皆さん、脳みそがお疲れでしたでしょう。
 参院選挙を前に、またウクライナの前途に明るい見通しは見えにくい状況ですが、ここに、明日を切り開こうという思いが燃えていたことは確かです。
 
■ 今月のテーマは
 ・中満 泉「核軍縮の必要と必然」
 ・佐々木隆治「「新しい資本主義」とはなにか」
 ・杉田敦×齋藤純一「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
 ・宮本憲一×斎藤幸平「人新世の環境学へ 第2回」
      でした。
 
■ 6月号のその他のお勧めは
 ○宮崎 ・「気候再生のために 第1回」  江守正多
 ○須山 ・「岩波俳句 恥じ入る」     池田澄子
       でした。
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、7月例会 の予定
 ●日 時 7月21日(木) 午後1時~4時
 ※ 毎月け、第三木曜日が定例です。
 ●場 所 光が丘図書館
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
 ・「抑止とその限界」          藤原帰一
 ・「戦争と憤激」     ユルゲン・ハーバーマス
 ● 連絡先 須山
            suyaman50@gmail.com
 
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東久留米の『世界』を読む会・6月例会は、6名で。

2022-06-17 15:21:58 | 日記
東久留米の『世界』昼の部、6月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・昼の部・6月例会は、15日(水)、新しい方を迎えて6名で行なわれました。
 
■今月のテーマは
  ・「エネルギー危機のヨーロッパ」 ミランダ・シュラーズ
  ・「核軍縮の必要と必然」           中満 泉
  ・「リベラル政党の「可能性」と「不可能性」」
                    杉田 敦×齋藤純一
          でした。
 
 熱心で、真面目な話し合いが繰り広げられました。内容を記録は出来ませんが、
 こんな話もありました。
○ 温暖化対策で、冷房を止めても涼しいように、「網戸屋一番」という玄関を網戸にすることをしようと思ったが、マンションが消防法の関係で、玄関を網戸に出来ないということだった。
○ 核の恐ろしさが、世界の共通認識になっていない状態があるのではないか。日本はそれを伝えるべきなのに、政府はその姿勢が全くない。
○ 6月20日からの「核兵器禁止条約第一回締約国会議」のことを、マスコミはどれだけ取りあげるだろうか。「核抑止」についての考え方、「核兵器禁止条約」のことは、参院選挙の争点として取りあげられるべきだ。
○ 共産党が名前も含めて、もっと皆に受け容れられる政党に変わって、立憲野党の力を強くしてほしい。
 
■ その他の6月号のお薦めは
・須山 「「「批判する」とはどういうことか」 小河原誠
    「岩波俳句 恥じ入る」        池田澄子
           でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)7月例会のお知らせ
 ●日 時 7月20日(水) 午後4時
 ●場 所 生涯学習センター集会学習室3
 ●持ち物 雑誌『世界』7月号
 ○共通テーマ
 ・「抑止とその限界」        藤原帰一
 ・「多国間主義の危機」       松井芳郎
 ・「沖縄・半世紀の群像 牛島貞満」 渡辺 豪
 ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ● 連絡先 須山
         suyaman50@gmail.com
 
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