さんご礁の問題で、環境問題を学ぶ!
大久保奈弥「サンゴの移植は環境保全措置となり得ない」(『世界』12月号)から。
◎ 《 「サンゴ移植事業」の問題点 》
移植で、さんご礁が救われるような、幻想を振りまいている こと
・〈 「海の生きものを守る会」 の要望書 〉
「1 「サンゴ礁生態系の再生のため」に植え付け(移植)するという明らかに事実誤認の文言は、一般の人々に誤解を与えかねないので削除されること。
2 サンゴの植え付けで維持できるエリアはあくまでも小規模であることを明記し、大規模なサンゴ礁生態系が再生するかのような誤解を人々に与えないよう配慮されること。」 〔p.129〕
「実は、サンゴの移植が〝環境保全措置〟として、さんご礁の埋め立て開発の免罪符に使われるようになっている。」
◎ 《 今あるさんご礁生態系の「保護・保全」を 》
「人間がある程度コントロールできる陸とは違って、海では、再生よりも保護や保全をいっそう優先すべきである。」 〔p.134〕
「サンゴに適した生息環境があれば、サンゴを敢えて移植しなくとも、サンゴが自然と再生していくことがわかる。」
「これまでの事実を鑑みれば、人間にできるのは、壊れたさんご礁生態系を「再生」することではなく、今あるさんご礁生態系を「保護・保全」し、サンゴが自ら再生できるような環境づくりを「推進」することだ。」
※ 渓流のイワナと同じだ。環境を守ることだ。ダムを無くせば、不自然な放流をせずに、イワナは増える。
イワナは放流で何とか取り繕っているように見えるが、さんご礁は、無残に絶滅への道を進んでいるのだ。
※ 米軍基地の「代償」として、異次元の優遇を得て繁栄している研究機関が、さんご礁の保全に役立つと謳って移植の研究をしている傍らで、さんご礁はその米軍基地の建設によって破壊されている、という訳だ。
環境問題は、政治問題なんだ。