東久留米の『世界』を読む会・zoom、12月例会の報告
東久留米の『世界』を読む会・zoom、12月例会は、12月11日(水)、午後7時~、フルメンバーの6名の参加で行なわれました。
■ 今月のテーマは
・朱喜哲「「われわれリベラル」を再考する」
・和田靜香「「会計年度任用職員」という大問題」
・大島堅一「〝脱炭素〟という名の原発延命策」
・田中秀明「人口減少を乗り切るための財政戦略」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・朱喜哲「「われわれリベラル」を再考する」
文章が難しく読むのに苦労した。「われら/やつら」と分断している世界を、どのように「われ=われ」の世界へ導いたらよいのか、を問題にしている。態度や生き方の「リベラル」と「主義」として普遍性を主張する「リベラリズム」を分けて考えることが大切だ。「リベラリズム」の没歴史的な普遍主義は権威主義に通じる。「リベラル」な態度として、「距離を取る」という懐疑心の大切さ。「他」の「個」、「多元性」を重んじるという「共生」「配慮」の大切さ。文化人類学者のD・グレーバーの「釣り合い」の感覚が「公正さ」の根拠になる。
◎ 第2テーマ・和田靜香「「会計年度任用職員」という大問題」
シングルマザーが最も虐げられる境遇にある。就職氷河期世代を狙い撃ちにしたようなことだ。女性を分断する制度でもある。大きくは、正規職を、非正規職にしていることに問題がある。教員を始め社会にとって重要な職が、非正規化しているのは、住民の不利益につながっている。
◎ 第3テーマ・大島堅一「〝脱炭素〟という名の原発延命策」
何のために、政府はこんな原発延命策を続けるのだろう。今の電力会社のシステムの維持のためしか考えられない。RABモデルなど、国民に負担を押しつけるとんでもないやり方だ。廃炉問題という重大な問題に国は向き合っていない。
◎ 第4テーマ・田中秀明「人口減少を乗り切るための財政戦略」
筆者の論は日本の現実に立脚していないし、本質的な問題把握をしていないように思う。財政の重点を「政府」から「市場」へと回すことが解決策だとしている。MMTについては、ハイパーインフレを招くだけだろう。
などと話し合われました。
■ 12月号のその他のお薦めは
・野口 「二〇五〇年脱炭素への分岐点」 高村ゆかり
・須山 「「オフグリッド」から世界を発見する」 北川真紀
「これからの時代の税の考え方」 諸富徹×広井良典
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、1月例会のお知らせ
●日 時 1月8日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』1月号
○共通テーマ
・「作られた「逆転のストーリー」」 松本 創
・「「一〇三万円の壁」引き上げは若者を救うか」 宮本太郎
・「悪法と戦争」 奈倉有里
・「「トランプ時代」の科学の使命」 高村ゆかり×江守正多
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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