zoom『世界』を読む会・8月例会の報告
8月27日(金)、『世界』を読む会・8月例会ののしんがりは、zoom『世界』を読む会です。8名の参加で行なわれました。各地の『世界』を読む会から参加ですが、地域の読む会の無い方の参加が増えることを望んでいます。
第一テーマは、「再びつくられる原発安価論」松久保肇、大島堅一。
吉田さんの丁寧な報告からスタートしました。様々な角度から、原発安価論の根拠を批判している、その思考についていくのは結構煩雑で、苦労します。何となく、「原発の費用が安くはないのだ」ということは広まって共通認識になっているように思っているだけに、この論証に深く惹きつけられないという感じがあるようです。けれど、政府の「総合資源エネルギー庁差基本政策分科会」では、「原発安価論」がまかり通ってしまっているという現実があるので、こういう論稿が必要になっているというところのようです。
文章の前段で、コストとはこういうふうにみるべきだという、コスト比較考察の角度を示してそれに即して論じてもらえたら、という意見もありました。(建設コストや廃炉コストや事故対策コストなどをどう扱うのかなど)
一般市民としては、筆者の側から、目に見える結果としてのコスト比較表を明示してもらうようなことが嬉しいのだが、と思いました。
第二テーマは、「トラウマ、死の刻印、安楽死希求」渡邉琢。
巻さんからの報告でした。ちなみにNHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」を実際に見たという人は1人だけでした。今でもYouTubeで見られるそうです。
巻さんは論文で取り上げられていた宮下洋一さんの二つの著作を読んで、その内容を評価していての発言でした。巻さんからの報告は、障害者という立場から見る視座での問題把握をしたというものでした。実際に障害者の排泄補助をした経験から感じ取ったことをもとにした話でした。
又、介護の経験からの櫻井さんの発言も刺激的でした。「治療が出来なくても介護にはまだやれることがある」「他人の介護を必要とする自分の生の姿を受容することで命を全うできる」というような。
生と死という、生きる上で根源的な深いテーマで、大いに考えさせられるのですが、『世界』は、相模原事件、京アニ事件など、優生思想や障害者の人権の問題を、生きるということは、という問いとも関係させながら追求してきていますね。
自殺願望を生む原因を誠実に追求する筆者の態度は、社会のあり方を鋭く衝くことになっているなと感じました。
なお、渡辺論文を強く批判するという島崎さんの発言があったのですが、時間の都合でその論点を詳しく話してもらいませんでした。会の後で、島崎さんから、発言出来なかったことをレポートにしたものをいただいているので、ご希望の方は連絡して下さい。本人の了解を得てお伝えできると思います。安楽死そのものの是非についての検討という視点が欠けているという指摘はその通りだと感じました。
読者会で話し足りなかった点を、レポートで交換するというのも、内容理解や意見交流を深めるのにいいことだな、と感じました。
フェイスブックやブログに、進んで、意見の投稿をなさって下さい。
フェイスブック https://www.facebook.com/groups/860115554046197
blog https://blog.goo.ne.jp/suyaman51
・「再びつくられる原発安価論」 松久保肇、大島堅一
◎ ZOOMの『世界』を読む会、9月例会 の予定
○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。