富岡の『世界』を読む会・7月例会の報告
富岡『世界』を読む会・7月例会が四人の参加で、7月19日14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティ・センターにて開催されました。
1.特集1 ①星暁雄『チャットGPTの急激な普及、問われる「私たちの責任」』、
②ナオミ・クライン『「幻覚を見ている」のはAIの機械ではなく、その製作者たちだ』、
2.特集2 ①三牧聖子『ウクライナ戦争が突きつける問い』、
②五十嵐元道『アメリカが語る正義を冷めた目で見る』
1.特集1 狂騒のChatGpt
①星暁雄『チャットGPTの急激な普及、問われる「私たちの責任」』、
②ナオミ・クライン『「幻覚を見ている」のはAIの機械ではなく、その製作者たちだ』
「ChatGptにチャレンジしたひと?」。「・・・・・(沈黙)」。メリットもリスクも、やってみなければ判らない。そして、見慣れない横文字のキーワードに面食らった、これが参加者一同の感想だった。そこで、朝日新聞6/13朝刊記事の山本龍彦『AIと民主主義』をみんなで読み合わせ、問題の輪郭を引き寄せた。話題となった論点は二つ。 ①ChatGptの日本の現在位置について。「産業発展や技術革新が過度に重点化」され「人権や民主主義にAIが与える影響は議論されず」(山本稿)。米国・EU リスク・規制>メリット・活用、日本 メリット・活用>リスク・規制。 ②「生成AIは特定の価値観を反映するように、人間による『調律』を受けている」(山本稿)。これは『世界』星・論考では、「AIアライメント」(p.80)で論及されている。しかし、『調律』(微調整)のプラス面であるNGワードのチェックのみを取り上げ、特定の価値観の組み込みの危険性については、取り上げられていない。
2.特集2
①三牧聖子『ウクライナ戦争が突きつける問い』、
②五十嵐元道『アメリカが語る正義を冷めた目で見る」
二つの論考ともに、ウクライナ戦争に対する米・NATO・日などのダブルスタンダードがテーマだ。必ずしも新しい知見が論議されているのではないが、二重基準についての論点整理がされていて参考になった、という感想が出された。しかし、論考結論部の「望ましい国際秩序に向けて日本は何をすべきか」(三牧・稿)、「アメリカの正義を鵜呑みにすることだけは避けたい」(五十嵐・稿)は、つまり何も語っていない、と厳しい指摘があった。日本は国連改革の先頭に立って、安保理事会の抜本的改革、総会の権威と権力のパワーアップに全力を尽くすべき、との意見も出された。
3.富岡『世界』を読む会・8月例会の案内
(1)開催日・場所:8月23日(水)14.00−16.00時、
吉井町西部コミュニティ・センター
(8月の第3水曜日は、お盆と重なるため、第4水曜日とします)
(2)テーマ:①石川健治『始原について』、