杉田敦「憲法九条の削除・改定は必要か」がスゴイ!
「『世界』を読む会」では、1月号のテーマ三点を決めているが、読んでいくと、それ以外にも、これは、というものがある。
新聞などで、「『新9条』あいつぐ提案」などと、はてこれは?という事柄が報道されていたが、杉田敦氏の文章は、さすが憲法学者という明快な論だ。...
一部を紹介したい。
「さらに言えば、
安倍首相らと同じ立場から九条を変えたいというのならともかく、
戦後の政治実践の中で確立し、
今回の立法によって傷ついたとはいえ、
なお生きながらえている、
個別的自衛権を軸とした安全保障体制を守ろうとする人びとが、
なぜ、あえて憲法改正に踏みこむのか。
先ほど軍産官学複合体に言及しました。
それに加えて、メディアも、一連の政治弾圧によって、すでに政権に対して批判的な姿勢を保つことができなくなっています。
そのように、言論の舞台そのものに、構造的な非対称性ともいうべきものが仕掛けられているにもかかわらず、
憲法改正論議において、
安倍さんたちに対抗してヘゲモニーを握ることができると、
どうして考えられるのか。
その楽観の背景を示してほしいと思います。」
この夏の運動を考え、次へ進もうとする時の必読の文章だと思いました。
お薦めです。