『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

zoomの『世界』を読む会・9月例会は7名で。

2021-09-25 18:50:20 | 日記
 zoom『世界』を読む会・9月例会の報告
 
 9月24日(金)、午後7時より、zoomの『世界』を読む会・9月例会が行われました。7名の参加でした。
 
 第1テーマは、・寺島実郎「コロナ危機の中間総括」
 寺島氏の中間総括を検討しながら、私たち自身も中間総括が必要な時点に来ているだろうということで、それぞれのこれまでの経過の中から摑んだことを交流しました。
 政府の対応に一貫した指導性がなく、ひと言で言えば「泥縄式」というもので、小中学校の一斉休校要請などはひどいものだったことが確認されました。補正予算の76.6兆円の使われ方。検査の拡充がいまだに進められない。この一貫したやり方のスタート時点の2020年3月11日の国会で、上氏が検査を進めることを主張しているのに対し、尾身氏がPCR検査を拡充すると医療崩壊するという主張をしていたことが振り返られました。厚労省のPCR検査抑制論は根強く働き続けていることは、きちんと総括されるべきことなのに、現状はあいまいなままなのか? 一方で、政府の対応を超えて、墨田区や和歌山県など、自治体が機能的な対応を進めていることには、きちんと捉えて普及することが大切だということ。
 寺島氏は、理論疫学者(西浦教授)の発言を行動抑制の妨げをもたらした専門家の誤った働きとして批判していますが、それについては様々な異論が出されました。「専門知」から「全体知」へという指摘も、もう少し具体的に、「科学(者)と政治」との関係のあり方を提起してはどうかなどという話も。
 科学ジャーナリズムの不備ということでは、科学ジャーナリズムに限らず、独立したジャーナリズムの衰退が問題だと。新聞でもこれだけのパンデミックの中でも科学部記者の目を引く提起などが見られなかったということなどが指摘されました。
 「ウイルスとの共生」あるいは「ウィズコロナ」とは、どうすることなのか。ロックダウンなどで完全に締め出すという道は不可能で、結局集団免疫で弱体化させていくしかないのだということ。その道のりでいかに人命を守るのかという構えで応じるべきだということだったかな。
 この時点で、右往左往から落ち着いて、これまでのコロナ対応への中間総括をすることは日本の課題であって、寺島論文はその呼びかけでもあると感じました。
 
 第2テーマは・田中優子「パンデミックと大学」
 パンデミックへの対応は、大学のあり方そのものを問うことにつながっている。パンデミックは世界のあり方を様々な面で見直しを迫るのだな。
 特にこの一年で大学生は危機に陥れられているのだけれど、パンデミック以前から、ここに至る戦後の大学の変遷の中で、かつての大学の自治や輝きは遠い世界のものになっている。な、と感じました。
 学位を取るだけの、単位を取るだけの大学ならオンラインで済ませられるだろうけれど、大学という「空間」での人間関係、豊かなコミュニケーションから学ぶもの、あるいは「自由」な空気、「自治」の精神など、大学のあり方に対する真剣な問いかけ、取り組みが大学でなされているのだろうか、と不信?を抱くような現状かな。政府による大学の独立法人化や財政難での縛りなどから、こんな現状に押しこめられているのだな。
 資本主義のシステムのための「出世や成功」へのための大学という現状から、「世界共通の課題に問いを立て」、「社会の重要な知的インフラ」たらんとする真理探究の場の大学の再生の課題に、筆者は江戸時代の私塾の姿を参照せよと言っている。
 改革へのとっかかりとして入試のあり方など、これまでの固定観念を打破した見方を要求されているというようなことを、それぞれの大学体験を踏まえて討論しました。重い課題だ。 
    
◎ ZOOMの『世界』を読む会、10月例会 の予定
  ●日 時 10月29日(金) 午後7時~9時半
   ※ 月末の金曜を定例とします。
  ○共通テーマ
   ・「気候崩壊と脱成長コミュニズム」    斎藤幸平
   もう一本は決定次第連絡します。
    
  ○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
  ● 連絡先 須山
           suyaman50@gmail.com
 
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小岩の『世界』を読む会・9月例会はzoomで、4名で。

2021-09-19 14:32:57 | 日記
 小岩の『世界』8月例会の報告
 
 9月16日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会がzoomで開催されました。4名の参加でした。
 始まる前に、それぞれの住まいの地区での総選挙の様子などが交流されました。野党連合が進んでいる所もあれば、全党乱立のままになりそうだ、という所も。
 
 第一テーマ・水口剛「ESG投資が変える社会」
 ESG投資が有効に働くのか、投資はもともと他人のお金を損のないようにリターンを求めてするもので、どうだろうか、という疑問が出されました。株取引が成り立つ前提・背景の確保が問題になっていて、それが企業に行動規範を求めるようになっている、企業に対する半分「脅し」のようなものである、という説明。GPIFが世界最大の機関投資家で、その振る舞いが投資全体に影響を与えているということ。GPIFに関しては、その基金を投資に向けるということ自体に反対だ、本来そういうものではない、という意見。GPIFが投資するということはある意味で国民全体が投資家になるようなこと? 国民全体に株を持たせて株主として利益共同体として行こうとするのには反対だ。株は今の社会の問題である分断、格差の進行をもたらしているのだから。投資が格差を生み拡大しているのに、投資で格差を止めようとする。それは根本的解決への主な道としてはどうだろうか。難しいけれど、色々考えることになりました。
 
 第二テーマ・古関彰一「戦後日本の主権と領土」
 文章に所々、理解しにくい、説明が不十分なところがあって読むのか苦しかったという声。「主権」ということ。「領土主権」と「施政権」のこと。「力による安全保障」しか考えていない日本。外交という主権の主張の不足、など、10月号の豊下論文と併せて、安保の歴史を摑む課題として重要な文章だな、ということでした。
 
 第三テーマ・山下英俊「地域コミュニティと再生可能エネルギー」
 具体的な事例が列挙され、再生可能エネルギーを進めることの現段階を把握することはできましたが、あまり議論にはなりませんでした。
 
 第四テーマ・今村真央「辺境からみるミャンマー政変」
 国軍の性質、内実、成り立ち、経緯がわかる内容で、ミャンマーへの理解が進みました。内戦の泥沼化で大きな犠牲を出すことは避けたいのですが、その道ははっきりとは見えていません。外からどういうことをすべきかは難しいですが、軍事で煽るようなことは避けなければいけないし、国軍の力の支配の強化に繋がることはしない、というところでしょうか。事態の進展から目を離せないと話し合いました。
 
 9月号のお薦めは
  ■ 片山 ・「パンデミックと大学」     田中優子
  ■ 櫻井 ・「私たちの人権はどこへ向かっているのか」
                        馬橋憲男
            でした。
 
 ◎ 小岩の『世界』を読む会、10月例会 の予定
  ●日 時 10月21日(木) 午後7時
  ●zoomによるオンライン開催
   ※ 参加希望者は連絡下さい。
  ●持ち物 雑誌『世界』10月号
  ○共通テーマ
   ・「日米安保70年の本質」          豊下楢彦
   ・「気候崩壊と脱成長コミュニズム」      斎藤幸平
   ・「「五輪敗戦」のツケを払うのは誰か?」  上野千鶴子
   ・「首が〝へし折れる〟ほどの金メダルをあなたに」
                          高橋純子
   ・「可視化された日本の宿痾」         本間 龍
  ● 連絡先 須山
            suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
 
 
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小岩の『世界』を読む会・9月例会はzoomで、4名で。

2021-09-19 14:30:14 | 日記
 小岩の『世界』8月例会の報告
 
 9月16日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会がzoomで開催されました。4名の参加でした。
 始まる前に、それぞれの住まいの地区での総選挙の様子などが交流されました。野党連合が進んでいる所もあれば、全党乱立のままになりそうだ、という所も。
 
 第一テーマ・水口剛「ESG投資が変える社会」
 ESG投資が有効に働くのか、投資はもともと他人のお金を損のないようにリターンを求めてするもので、どうだろうか、という疑問が出されました。株取引が成り立つ前提・背景の確保が問題になっていて、それが企業に行動規範を求めるようになっている、企業に対する半分「脅し」のようなものである、という説明。GPIFが世界最大の機関投資家で、その振る舞いが投資全体に影響を与えているということ。GPIFに関しては、その基金を投資に向けるということ自体に反対だ、本来そういうものではない、という意見。GPIFが投資するということはある意味で国民全体が投資家になるようなこと? 国民全体に株を持たせて株主として利益共同体として行こうとするのには反対だ。株は今の社会の問題である分断、格差の進行をもたらしているのだから。投資が格差を生み拡大しているのに、投資で格差を止めようとする。それは根本的解決への主な道としてはどうだろうか。難しいけれど、色々考えることになりました。
 
 第二テーマ・古関彰一「戦後日本の主権と領土」
 文章に所々、理解しにくい、説明が不十分なところがあって読むのか苦しかったという声。「主権」ということ。「領土主権」と「施政権」のこと。「力による安全保障」しか考えていない日本。外交という主権の主張の不足、など、10月号の豊下論文と併せて、安保の歴史を摑む課題として重要な文章だな、ということでした。
 
 第三テーマ・山下英俊「地域コミュニティと再生可能エネルギー」
 具体的な事例が列挙され、再生可能エネルギーを進めることの現段階を把握することはできましたが、あまり議論にはなりませんでした。
 
 第四テーマ・今村真央「辺境からみるミャンマー政変」
 国軍の性質、内実、成り立ち、経緯がわかる内容で、ミャンマーへの理解が進みました。内戦の泥沼化で大きな犠牲を出すことは避けたいのですが、その道ははっきりとは見えていません。外からどういうことをすべきかは難しいですが、軍事で煽るようなことは避けなければいけないし、国軍の力の支配の強化に繋がることはしない、というところでしょうか。事態の進展から目を離せないと話し合いました。
 
 9月号のお薦めは
  ■ 片山 ・「パンデミックと大学」     田中優子
  ■ 櫻井 ・「私たちの人権はどこへ向かっているのか」
                        馬橋憲男
            でした。
 
 ◎ 小岩の『世界』を読む会、10月例会 の予定
  ●日 時 10月21日(木) 午後7時
  ●zoomによるオンライン開催
   ※ 参加希望者は連絡下さい。
  ●持ち物 雑誌『世界』10月号
  ○共通テーマ
   ・「日米安保70年の本質」          豊下楢彦
   ・「気候崩壊と脱成長コミュニズム」      斎藤幸平
   ・「「五輪敗戦」のツケを払うのは誰か?」  上野千鶴子
   ・「首が〝へし折れる〟ほどの金メダルをあたなに」
                          高橋純子
   ・「可視化された日本の宿痾」         本間 龍
  ● 連絡先 須山
            suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
 
 
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練馬の『世界』を読む会・9月例会、7名で。

2021-09-19 14:16:38 | 日記
 練馬の『世界』を読む会・9月例会の報告
 
 9月16日(木)、1時より、光が丘図書館の会議室で、練馬の『世界』を読む会・9月例会が行なわれました。7名の参加でした。
 『世界』を読む会のポスターの掲示を依頼したので、参加者が増えるといいですね。
 
 今回は、巻さんの小説が本の泉社から出版となったということで、『小説 私の東京教育大学』のお披露目から始まりました。本の泉社で大変熱を入れて宣伝しているようで、話題の本となるのではないでしょうか。
 
 第一テーマ・内田聖子「パンデミックが映す命の格差」
 人々の命に関わるワクチンが、製薬企業の利益のもとに置かれていることの矛盾が吹き出ています。ワクチンそのものの作成費用はどれほどなのか。広く行き渡ってしまえば安くなってしまう。足りない状態、手にすることが出来ない人がいることがワクチンの高価の保障。公衆衛生は保健医療は、資本主義と相容れないことを思い知らされます。ワクチン確保に四苦八苦している日本ですが、製薬会社にどれほどの金額を支出したのでしょうか。そういう報道には触れていないように思います。
 今、沈静化かと見えますが、予測では年末に第六波が来るそうです。
 
 第二テーマ・河野洋平「緊張する米中関係と日本外交の針路」
 中国との間での緊張関係を、軍事でなく、外交で平和構築の方向に進むべきと言う筆者に賛成の討論でした。
 
 第三テーマ・前田哲男「東アジアINF条約というリアリティ」
 筆者は82才の高齢ですが、エネルギッシュな情報収集、発信の姿には感服です。筆者は現状を説明するだけではなく、護憲勢力の「連合政権」の構築なしには「日中交渉」の道は開かれないと、具体的な変革の方向を示していることがすごい、とのことでした。
 
 第四テーマ・島本慈子「いま宮古島で何が起きているのか」
 平坦な宮古島では、飲料水の確保が大変ですが、ミサイル基地化が地下水の汚染をもたらすことが問題になっているそうです。台湾の台北よりも南に位置するはるかかなたの宮古島ですが、日本の台湾侵攻の拠点になり、今も戦線の最先端を担わされている。本土のマスコミでそのミサイル基地化がほとんど報道されていないのは問題だ、などと話し合われました。
 
 河野洋平は、政治家一家だが、どのような家柄なのかなどというところから、天皇家を巡る人間の系譜、安倍晋三・昭恵夫妻など、様々な顔を知る人物の出自、学歴、人柄、学力など、詳しい人が何人もいて、止めどない盛り上がりの中での散会となりました。「みんな、よく知っているなあ」と驚きました。「そうだったんだ。」『世界』を読む会としては、珍しい方向でした?
 
  9月号のお薦めは
  ・須山 「戦後日本の主権と領土」      古関彰一
      「辺境からみるミャンマー政変」   今村真央              でした。
 
  ◎ 練馬の『世界』を読む会、10月例会 の予定
   ●日 時 10月21日(木) 午後1時~4時
   ●場 所 光が丘パークタウン「大通り南団地管理事務所つどい館」
    大江戸線光が丘駅で待ち合わせます。
   ●持ち物 雑誌『世界』10月号
   ○共通テーマ
    ・「日米安保70年の本質」        豊下楢彦
    ・「気候崩壊と脱成長コミュニズム」    斎藤幸平
    ・「可視化された日本の宿痾」       本間 龍
   ● 連絡先 須山
           suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
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東久留米の『世界』・昼の部、9月例会は6名で。

2021-09-15 19:56:42 | 日記
 東久留米の『世界』昼の部、9月例会の報告
 
 9月15日(水)、午後4時より、東久留米生涯学習センター集会学習室2で、東久留米の『世界』を読む会・昼の部が開かれました。
 6名の参加でした。
 
 ①水口剛『ESG投資が変える社会』
 ESG投資が4000の機関投資家が参加し、その資産総額は100兆ドルに達する大きなことで、資本主義のあり方が変わるようなことが世界の大きな潮流になっている。日本でもGPIFなどが「投資原則」を策定している。希望的観測もできるが、果たして根本解決への道になりうるだろうか。株主資本主義からステークホルダー資本主義への転換はスムーズに進むだろうか。中国という国家資本主義にはどう対応していくべきか。
 資本主義ということが様々に検討されるのがこのごろです。
 ②内田聖子『パンデミックが映す命の格差』
 ワクチンの状態は、世界における格差の存在をあらためて明らかにした。国益が、あるいは企業の利益が、世界の幸福とぶつかり合うことがあからさまに見えた。バイデンの知財免除への支持は、アメリカの市民運動の力によることなどを見ると、アメリカの市民運動というものを見直した。このことでも、資本主義が問われていました。
 ③河野洋平『緊張する米中関係と日本外交』
 河野さんの主張に皆さんが同意をしながら、中国との問題はこれからも重要になるだろう。日本が良い国、民主主義を成熟させ、生活や文化の豊かな国になることが、国を守る事になる。「玉虫色」というか、曖昧さを、交渉のゆとりを残すような対応が大切になるか。国民としては、ナショナリズムを煽ることを警戒できることが必要になるだろう。
 ④島本慈子『いま宮古島で何が起きているのか』
 沖縄に対する本土の意識、その心理的距離が問題だ。『世界』で取り上げるおかげで、沖縄、先島諸島の現状に思いを馳せることがかろうじてできた討議でした。
 
 9月号のお薦めは
  ● 須山 「戦後日本の主権と領土」  古関彰一
           でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)10月例会のお知らせ
  ●日 時 10月20日(水) 午後4時
  ●場 所 スペース105(市役所の向かい)
   ※ いつもと会場が違います。注意して下さい。
  ●持ち物 雑誌『世界』10月号
  ○共通テーマ
  ・「日米安保70年の本質」       豊下楢彦
  ・「気候変動と脱成長コミュニズム」   斎藤幸平
  ・「可視化された日本の宿痾」      本間 龍
  ※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
  ● 連絡先 須山
            suyaman51@mail.goo.ne.jp
 
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