『世界』を読む会

寅さんの博も読んでいる『世界』を読んで、話し合おう。

小岩の『世界』を読む会・9月例会は4名で。

2022-09-24 19:39:42 | 日記
小岩の『世界』9月例会の報告
 
 22日(木)、午後7時より、小岩の『世界』を読む会・9月例会がzoomのオンライン開催で行われました。4名の参加でした。
 
今月のテーマは
 ・「冥福の祈りを邪魔しているのはだれだ?」    高橋純子
 ・「宗教カルト 破壊される家庭と漂流する2世たち」藤田庄市
 ・「統一教会・自民党関係史」           中野昌宏
 ・「歴史否定論と陰謀論」             武井彩佳
    でした。
 
 印象に残った論点を紹介します。
・国葬反対や岸田支持率の大きな落ち込みは、予想外の展開だった。
・自民党の安倍的な変質は重要で、宏池会への期待はもはや無理だ。
・統一教会の自民党・アメリカとの繋がりの他に、天皇家(昭和天皇)との繋がりも見逃せない。
・統一教会は、実証不可能なことに人々を向き合わせて、彼らはそこに答えを提示する巧妙な手口を使っている。
・その点は、歴史否定論も同じ手口だ。
・歴史修正主義の「偽の等価性」「両論併記」は彼らの目的を遂げてことになる。学問のレベル(自律性)とかけ離れた政治的言説から、守るためには、学問の自由、大学の自治という立憲主義の仕組みが重要だ。
 
●9月号のその他のお薦めは
 大塩 ・「NATO首脳会談 届かなかった「反戦」の声」宮下洋一
    ・「帝国の遺産 なぜ歴史責任をいまだに問うのか」古賀由起子
 片山 ・「覇権と国際秩序」             藤原帰一
        でした。
 
◎ 小岩の『世界』を読む会、10月例会 の予定
 ●日 時 10月20日(木) 午後7時半~
  ※ 30分繰り下げました。お間違えないように。
 ●zoomによるオンライン開催
  ※ 参加希望の方は連絡ください。
 ●持ち物 雑誌『世界』10月号
 ○共通テーマ
 ・「宗教カルトの何が違法なのか」      郷路征記
 ・「戦争と奴隷制のサピエンス史」      三宅芳夫
 ・「重慶爆撃から考えるウクライナ戦争」
              石島紀之×前田哲男×伊香俊哉
 ●連絡先 須山
            suyaman50@gmail.com
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東久留米の『世界』を読む会・昼の部・9月例会は5名で。

2022-09-24 18:59:50 | 日記
東久留米の『世界』昼の部、9月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会・昼の部、9月例会は、21日(水)、4時~、生涯学習センター第5集会学習室で行われました。参加は5名でした。
 今月のテーマは
 ・中野昌宏「統一教会・自民党関係史」
 ・藤原帰一「覇権と国際秩序」
 ・内田聖子「チャイナ・テックの光と影」
     でした。
 充実している3論文で、熱の入った議論がたたかわされました。あっという間の2時間。2時間で3本は厳しい。次回は、2本にしました。
 10月は2本とも、対談。対談の良い所は、読みやすいことです。どうなるか。
 
 今月号のその他のお勧めは
 ・富塚 「終わりなき歴史責任」  高橋哲哉
     「BTSが解放したもの」 金成玟
   でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会(昼の部)10月例会のお知らせ
 ●日 時 10月19日(水) 午後4時
 ●場 所 スペース105(市役所向かい)
  ※ いつもと会場が違います。ご注意下さい。
 ●持ち物 雑誌『世界』10月号
 ○共通テーマ
 ・「民主主義と自治の再生へ」 岸本聡子×内田聖子
 ・「兵器化する「表現の自由」とアテンション」
               山本龍彦×小嶋麻友美
※ 第3水曜が定例です。ご承知ください。
 ● 連絡先 須山
             suyaman50@gmail.com
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練馬の『世界』を読む会・9月例会は、8名で。

2022-09-18 18:05:46 | 日記
練馬の『世界』を読む会・9月例会の報告
 
 15日(木)、午後1時より、光が丘図書館・視聴覚室で、練馬の『世界』を読む会・9月例会が行われました。8名の参加でした。
 例によって、言いたいこと満載の参加者が、日頃の生活の鬱憤を晴らすべく、自由に意見交換をしました。
 今月のテーマは
 ・「統一教会・自民党関係史」          中野昌宏
 ・「ルポ 副反応 第2回 因果関係」     山岡淳一郎
 ・「クール・ジャパンと「国民の物語」」    早川タダノリ
 ・「経済安保の人脈と文脈 第4回 利権に蠢く」 斎藤貴男
          でした。
 
 強く印象に残ったことをお知らせします。
 仲正昌樹さんのような頭脳が優れ、深い思索をする人が、かつて「統一教会に入っていた」ことから、「洗脳」とは恐ろしいものだ。若かった私たちも多分「洗脳」されやすい思考習慣を持っていたのではないか、という発言です。
 仲正さんという方を知らなかったので、ウィキペディアで見ると、
「……大学時代は堀尾輝久に師事、卒業論文のテーマはシュライエルマッハーとルソー。また統一教会に入信し、東京大学原理研究会にて活動していた。
 大学院受験に失敗し、1990年から世界日報記者、1992年には東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程に入学する。この頃合同結婚式で選ばれた配偶者とのトラブルがあったことをきっかけに統一教会を脱会する。」とあります。
 その後の経歴、著作を見ると、非常に立派なお仕事をなさっている方です。
 思うに、私たちが青年期を迎えるまでの教育が、ひたすら「早く、間違いなく」覚え込むという、疑ったり議論したり深く考えることとおよそかけ離れたものであったように思います。日本の教育制度が、教育内容が、民主主義の主人公を育てていないだけでなく、「洗脳」に弱いものを育てているのではないか、と教育の力の大きさを考えてしまいました。
 『世界』を読む会での、意見交換が、遅ればせながら、論理的に意見を闘わせることをする場になっているのかな、と思ったりしました。
 
■ 9月号のその他のお勧めは
 ○宮崎 ・「冥福の祈りを邪魔しているのはだれだ?」   高橋純子
 ○実川 ・「妊娠中絶をめぐるアメリカ最高裁判判決を読む」樋口範雄
 ○須山 ・「「日韓歴史問題」と大学生」         加藤圭木
              でした。
 
◎ 練馬の『世界』を読む会、10月例会 の予定
 ●日 時 10月21日(金) 午後1時~4時
 ※ 毎月、第三木曜日が定例ですが、10月は金曜です。
 ●場 所 光が丘図書館・第一会議室
 ●持ち物 雑誌『世界』10月号
 ○共通テーマ
 ・「戦争と奴隷制のサピエンス史」         三宅芳夫
 ・「民主主義と自治の再生へ」      岸本聡子×内田聖子
 ・「戦争の起源、NATOの役割、ウクライナの将来シナリオ」
                     マルチェロ・ムスト
 ・「兵器化する「表現の自由」とアテンション・エコノミー」
                    山本龍彦×小嶋麻友美
 ● 連絡先 須山
              suyaman50@gmail.com
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東久留米の『世界』を読む会・9月例会は3名で。

2022-09-17 14:01:44 | 日記
東久留米の『世界』9月例会の報告
 
 東久留米の『世界』を読む会の9月例会は、zoomのオンライン開催で、14日(水)、午後7時より、3名で行なわれました。
 
■第1テーマ・高橋純子「冥福の祈りを邪魔しているのはだれだ?」
・エッセイのようで身構えずに読めたので良かった。
・「暮しの手帖」を読んでいるような感じがした。
・筆者は感覚を大切にしている人なんだな。
・メディアが報道する事の中で、安倍批判が極端に少なくなるのではという心配を筆者と共有した。
・〔p.34〕外務省のHPの歴史問題の内容が変えられていたことを、監視していたメディアを応援したい。
・痛快で冴えた批判の高橋純子節を読むのは楽しい。
・〔p.32〕「死者に失礼」という、よくしなう鞭を手にした人々、という比喩は秀逸だ。
・朝日川柳は安倍の死に失礼なことはしていない、岸田政権の国葬という政治利用の様を批判しているものだ。朝日川柳への攻撃は的外れでズレている。朝日川柳のレベルの高さを驚いた。
・〔p.31〕朝日川柳への攻撃の発火点の自民党参院議員は和田正宗です。「還らない命・幸せ無限大」の東電批判の川柳を読み間違いています。
・〔p.34〕日本国憲法第九七条「  過去幾多の試練に堪へ  」を引用して「幾多の試練」への備えを呼びかけているのは、憲法学習にもなった。
 
■第2テーマ・樋口範雄「妊娠中絶をめぐるアメリカ最高裁判判決を読む」
・アメリカでは州によって裁量が異なるのは、多様性の存在としてうらやましい。
・自己決定権を大切にすることは望ましいが、日本の中絶の承認は女性の自己決定権の確立とは異なる論理(夫の判断、医師の判断)でのものだ。
・強姦や親子間での妊娠に対して地域によって許されないケースがあるとは驚きだ。
・州の移動が出来るのは、経済的に余裕のある人々だろうから、貧しい層は大きな打撃になるだろう。
・「法」は少数者のため弱者のためにあるのだ、がその「法」が「政治」(多数)に左右される現状があるのは、アメリカにも日本にも言えることだ。
 
■第3テーマ・小田中直樹「歴史学(者)の役割とはなにか」  
・かつての時代に較べて、このところ歴史学者が大きな影響を与えることが少ない気がする。
・読者に向けてというより、歴史学者に向けて書かれているようで難しい。
・マジョリティズムへの批判ということに接して、『世界』の読者は少数派なのだと自覚した。
・対話の重要性は、歴史学に拘わらず、世界の様々なことにおいて言える。
・歴史学で重視されるべき「事実」=「ファクト」の重要性は、SNSの中で現代を覆う問題になっている。
・「事実」の把握について、遅塚忠躬の「コミュニカティヴ」に、「暫定的な合意」と捉える視点が大切だとしているが、これは一般的な認識についてもあてはまる重要な見方だ。
・「熟議的コミュニケーション」と「闘技的コミュミケーション」と「マジョリストの敵対的言語」という比較検討は、勉強になった。
・「事実」を巡る対立意見の者との接し方として、参考になるものだ。
・困難で不安定な社会では、人々は「マジョリティズム」(自分が多数派であることで満足しようとする)(=ナショナリズム)に頼るということは、現状把握のヒントになる。
・教科書問題にあるように、歴史学(歴史)が、マジョリティズムに応えようとしてしまっていることを問題にしている。
 
◆9月号のその他のお勧めは
 ○ 巻  「ルポ 副反応 第2回 因果関係」   山岡淳一郎
 ○ 須山 「おわりなき歴史責任」          高橋哲哉
      「「日韓歴史問題」と大学生」       加藤圭木
          でした。
 
◎ 東久留米の『世界』を読む会、10月例会のお知らせ
 ●日 時 10月12日(水) 午後7時
 ●zoomでのオンライン開催
 参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
 ●持ち物 雑誌『世界』10月号
 ○共通テーマ
 ・「宗教カルトの何が違法なのか」       郷路征記
 ・「民主主義と自治の再生へ」    岸本聡子×内田聖子
 ・「戦争の起源、NATOの役割、ウクライナの将来シナリオ」
                   マルチェロ・ムスト
 ※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
 ※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
 ● 連絡先 須山
                suyaman50@gmail.com
 
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富岡の8月例会の報告

2022-09-08 19:44:32 | 日記
富岡『世界』を読む会・8月例会の報告
(郡山さんから)
 須山のミスで、投稿が非常に遅れて仕舞いました。ごめんなさい。
 
 富岡『世界』を読む会の8月例会は、8月17日吉井町西部コミュニティセンターで開催されたので、報告します。
 今回は『世界』8月号から、①寺島実郎『近代史におけるロシアと日本の相関―ウクライナ危機とロシアの本質』と、➁対談・重延浩×テッド若山『マスメディアがニューメディアに脱皮する—アメリカのテレビ界で何が起きているか』の2本をテーマに話し合いました。
 
1.寺島実郎『近代史におけるロシアと日本の相関―ウクライナ危機とロシアの本質(その3)』
 この論文は6~8月号の連載記事で、3回分を一括して「読む会」テーマとした。
 寺島氏の世界史を俯瞰する視点は、一見大風呂敷をひろげたようだが、他者にないユニークさがあり、新鮮かつ刺激的な論説だ、との感想が出された。  プーチンのウクライナ侵攻の背景には、「ロシア正教という要素」があるとの主張はその一つ。プーチンはロシア正教により国民を統合し、そのロシア正教がまさに「力への同調性」(犠牲の美化)と「霊性と神秘性への志向」(受難の礼賛)を重視してロシア愛国主義のエネルギー源になっている、と喝破している。そして、プーチンのロシアが、国家神道を国民統合の価値基準とした1930年代の日本と近似している、と指摘している。
 寺島氏のもうひとつのユニークな視点は、プーチン的世界観として反共主義・反西欧主義の底流にある反ユダヤ主義の指摘だ。ゼレンスキーが、ユダヤ人ネットワークを利用して、欧米からの膨大な支援を取り付けている、との指摘の対比が興味深い。 80年代はじめソ連を旅行したHさんは、ソ連社会における特権階級の存在を肌身に感じた経験を話し、ソ連が共産主義を支配の道具としたように、プーチンのロシアはロシア正教による愛国主義を支配の道具にしている、と指摘した。
 寺島論文最後の、日露が「ともに、西欧にあこがれ、影響され、西欧化を試みるが、結局、西欧の正式メンバーになれず、西欧との関係が思うに任せぬ状況になると、逆上して民族主義に回帰する局面を迎えかねない」との指摘に、参加者一同、大きく頷いた。寺島論文を読みながら、「対米従属+NATO重視」を、中・韓・アセアン諸国との友好関係よりも上位に置く外交・安全保障政策の危うさを、強く感じた。
 
2.対談・重延浩×テッド若山『マスメディアがニューメディアに脱皮する』
 急激に変化するアメリカのテレビ界についての報告。それは、視聴者が受動的な立場から能動的な立場へ変わることに現れる。見たいコンテンツを見たい時に大画面ディスプレイで楽しむ。すでに、ネットフリックスやアマゾンプライムのSVOD(定額動画配信)を体験している参加者もいて、ニューメディアへの評価は概して、ポジティブだった。ただ、潤沢・豊富なコンテンツ群は圧倒的で視聴者を夢中とさせ、現代の「時間泥棒」になる危険性が指摘された。
 対談ではエンターテイメントのコンテンツが主に扱われていて、ニュースについてはどうなのかを知りたい、との要望が上がった。「フェイク(虚構)も情報として生きていけるフィールドを見つけた」という指摘に、ショックを受けたという感想もあった。また、現在ある放送の「公共性」は、ニューメディアではどのように確保されるのか、対談では語られていないが、大変気になる点だ。
  対談最後の、聞きたいニュースだけを聞き、聞きたくないニュースに耳を閉ざすことが可能になっている、との指摘に対談者同様に、怖さを感じた。国民世論の分断が一層激しくなり、オポチュニズムが蔓延り、民主主義の危機につながるのではないか。しかし、私たち中・高齢者も、ニューメディアへの参加をためらうことなく、こうした懸念と批判的視点を堅持しつつ、今後の展開を見極めていくべきだ、と思う。
 
◎冨岡『世界』を読む会・9月例会の予定
 ■開催日・場所:9月21日(水)9.30-12.30
吉井町西部コミュニティ・センター  ■テーマ
①古賀由起子『帝国の遺産 なぜ歴史責任をいまだに問うのか』、
 中村俊介『「佐渡金山」の世界遺産推薦は、なぜ迷走したか』
②高村ゆかり『第4回東京都がなぜ脱炭素化を進めるのか』、
 前真之『「太陽光ヘイト」の正体』
 
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