気にはなってはいたんだけど、最初は上映館の余りの少なさに尻込み。
そうこうしているうちにあれよあれよという間に拡大。
その中に吉祥寺のシネマビルも加わった。
『
この世界の片隅に 』
淡々と、淡々と紡がれる日常。
それが戦時下であっても。
舞台は主人公・すずが幼少期を過ごした広島から、嫁ぎ先の呉へと移る。
正直な感想を言ってしまえば、最初は すず の演技があまりに淡々と、しかも単調で、
時間経過がよくわからなくなってしまいそうで困った。
イメージは合うんだろうけど、それとこれとは別問題だと思ってるので。
周辺に配置された役者さんたちが達者な人たちで本当に良かった・・・。
戦時中でも、どんどん生活が逼迫されて行っても、「それ」が「日常」。
状況の悪化が進むにつれて、ひとつ、またひとつと。
大切なものが奪われていく。失われていく。
淡々と、淡々と進むその「日常」が、却ってどうしようもないほどの無情をつきつけてくる。
それでも前を向く。その強さと、したたかさと。
戦後が遠くなってしまいつつある「今」に、これは何を刻むのか。
単なる長編アニメーションとしてではなく、フィクションとしてではなく。
かつてそこに間違いなく在った「現実」として、「記憶」として。
より多くの人、より幅広い世代に観て欲しい作品だと思います。
それにしても、のんさん・・・今後標準語のお芝居、大丈夫なんかねぇ・・・(余計なお世話